白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ、石川県白山市)は、「縁結び」で知られる北陸屈指のパワースポットです。
縁結びと一口にいってもカバーしている範囲は広く、恋愛はもちろん、ビジネスや交友関係など、さまざまな「良縁」を結ぶとされます。
実際、今回の現地取材のなかでも、参拝者の生の声として「理想通りの相手と結ばれた」「好きな仕事に就けた」などのエピソードが聞かれました。
白山比咩神社は「加賀一ノ宮」として格式がとても高く、白山を神の山としてあがめる「白山神社系列の総本社」に位置付けられています。
また白山比咩神社は、すさまじい霊験を誇った奈良時代の高僧で、神仏習合の創始者といわれる「泰澄」(たいちょう)とのゆかりも深く、知れば知るほどディープなパワースポットであることが浮き彫りになっていきます。
このほか、杉や楓(かえで)の古木が立ち並ぶ広い境内には、「令和の霊水」や「琵琶滝」、「白山奥宮遥拝所」など、見どころもたくさん。
取材中、金色に輝く「蝶らしき生物」まであらわれました(写真あり)。
今回は、急きょ取材対象に加えた「白山比咩神社」をご紹介します。
御朱印、お守り、アクセス、駐車場といった基本情報はもちろん、参拝にあたって押さえておきたい「3つのみどころ」や縁結びのパワースポットたるゆえん、「怖い」「厳しい」という評判の出どころなどについても詳しくまとめました。
Contents
白山比咩神社がすごいわけ
白山比咩(ひめ)神社は、全国に3000社以上ある白山神社の総本社で、「白山信仰の拠点」ともいえる特別な聖地です。
日本三大霊山(=日本三名山)のひとつに数えられる白山を「神様の宿る神体山」としてあがめていて、その歴史は“神社”という形ができるよりもずっと昔、紀元前ににさかのぼるといわれます。
そうした意味で、白山信仰は神話の時代から続くものともいえます。
いにしえの時代、「神の鎮まる聖地」として入山が禁じられていた白山でしたが、女神のお告げに従って、この禁を破ったお坊さんがいました。
神仏習合(神様を仏様の化身と考える信仰)の祖として、白山を開山した「泰澄」です。
「泰澄和尚伝記」によると、泰澄は「女神」に白山へ誘われ、山中で「九頭竜王」に出会い、「十一面観音」とつながったと伝わります。
泰澄は、白山での神仏との出会いを通じ「女神も龍も仏も、すべて同一の存在だった」と悟り、神仏習合の創始者になったといわれます。
また泰澄は、弘法大師・空海のように凄まじい霊験を振るったことでも知られ、「天皇の病を治した」「海に浮かぶ船を山の向こうに飛ばした」など、全国に数々の伝説を残しています。
白山比咩神社 お祭りされる神様は?
白山比咩神社には、「縁結びの神様」と「日本を生んだ夫婦の神様」がお祭りされています。
このうち縁結びの神様は、菊理媛神(くくりひめのかみ)というお名前で、神話のなかでは「喧嘩する神様夫婦の仲裁に入った」と語られています。
そうしたエピソードとともに、名前の「くくり」が「括り」につながることから、縁結びの神様として崇拝されるようになりました。
ただ菊理媛神は、あまりはっきりしたことが分かっておらず、白山に鎮まる「白山大神」と呼ばれたり、「十一面観音の仮の姿」と捉えられたりと、謎の多い神様としても有名です。
「厳しくも温かい神様」という見方をする人も少なくありません。
一方、日本を生んだ夫婦の神様というのは「伊弉諾尊」(いざなぎのみこと)と「伊弉冉尊」(いざなみのみこと)の2柱を指します。
この夫婦の神様は、日本の国土を生み出すとともに、太陽をつかさどる最高神「天照大神」(あまてらすおおかみ)やヤマタノオロチを退治した「素戔嗚尊」(すさのおのみこと)など、数々のメジャーな神様の両親として知られます。
白山比咩神社 ご利益は?
良縁成就のご加護に注目の集まる白山比咩神社ですが、ほかにも以下のご利益があるとされます。
- 五穀豊穣
- 大漁満足
- 開運招福
- 家内安全
- 交通安全
- 生業(なりわい)繁盛
- 学業成就
- 身体健全
白山比咩神社 見どころパワースポット
白山比咩神社は、太古の昔から脈々と受け継がれる「白山信仰の拠点」とあって、なかなかディープな神域です。
地元では「北陸屈指のパワースポット」として定着しています。
ここでは、白山比咩神社でとくに見逃せない「3つのポイント」をまとめました。
白山奥宮遥拝所
白山比咩神社を訪ねたときに、本殿とともに必ずお参りしたいのが「白山奥宮遥拝所」。
大汝峰、御前峰、別山からなる「白山三山」の姿を宿す大岩がお祭りされています。
毎月1日と15日には月次祭(つきなみさい)が開かれ、神職による遥拝が行われています。
白山奥宮遥拝所は、いわば「白山の神様」とつながる中継基地です。
白山奥宮遥拝所を参拝すれば、山頂のほこらにお参りするのと同じご利益があるといわれます。
そのため白山奥宮遥拝所では、時間をかけて特別な祈りをささげる人の姿も目立ちます。
またそのたたずまいから、多くの人が「白山奥宮遥拝所の異質さ」を感じるようです。
口コミを調べてみても「最強のパワースポット」と指摘する声が多数寄せられていました。
一方、白山山頂付近にある白山奥宮は、奈良時代に泰澄が創建(1988年再建)したほこらで、「聖地中の聖地」といえる場所です。
白山の登山道でもっともポピュラーなのは、石川県白山市白峰から別当出合登山口までアクセスし、そこから歩いて登るルートになります。
令和の霊水と白山霊水
白山信仰の根幹にあるのは「水」といっても過言ではありません。
白山から大地に注ぐ水こそが、神の山と人を結ぶ接点であり、「命の循環を支える媒介」にほかならないためです。
夏場は水をみて涼をとる「観水」の場も設けられます。
境内のあちこちで水へのゆかりを印象付ける白山比咩神社ですが、見逃せない「霊水」が2つあります。
「令和の霊水」と「白山霊水」です。
パワスポ編集局アドバイザー(=中国人気功師、大阪在住)によると、「神社の霊水は神気を含んでいる」ため、頂いておいて損はありません。
令和の霊水は昭和天皇ゆかりの3本杉のそば。
白山霊水は北参道の手水舎近くにあります。
いずれも白山の伏流水ですが、白山霊水は飲むとき煮沸が必要です。
このほか、南参道入り口にある手水舎には亀石があり、ここの水は「延命長寿のご利益にあやかれる」とされます。
また、白山比咩神社には白山の伏流水を利用した本格的な禊場(みそぎば)もあり、その脇には禊の神様(厄除け・厄払い)として知られる住吉大神が祭られています。
表参道の琵琶滝とご神木
白山比咩神社には、「表」「北」「南」と3つの参道がありますが、表参道からアクセスするのがおすすめです。
欅(けやき)や楓(かえで)などの樹木が連なり、その真ん中を250mほどの緩やかな階段が続きます。
しばらく歩いていると、左手に「琵琶滝」と呼ばれる美しい滝がみえてきます。
写真で見ると分かりづらいかもしれませんが、結構な奥行きがあり、なかなかの見ごたえです。
夜はライトアップされ、一段と幻想的な雰囲気に包まれるそうです。
さらに先に進むと、今度はご神木の老杉がお目見えします。
樹高は約42mとマンション14階ほどの高さで、樹齢は800年といわれています。
白山市の天然記念物に指定されています。
「おもてや」の大判焼きに舌鼓
白山比咩(ひめ)神社の表参道駐車場前には、門前菓子を振舞うおはぎ屋さんのほか、あんこたっぷりの大判焼きで知られるお店「おもてや」さんがあります。
実はこのお店、「秘密のケンミンショー」で紹介された大判焼きのお店「山法師」の2号店に当たります。
2019年3月にオープンしました。
なかはちょっとしたカフェのような雰囲気で、座席数は20席ほど。
参拝後、小腹を満たすのにちょっと立ち寄ってみるのも悪くなさそうです。
金色に輝く生き物?
白山比咩(ひめ)神社の「白山奥宮遥拝所」を参拝した後のこと。
禊場に向かう途中で不思議な生物に出会いました。
蝶や蛾のたぐいでしょうか。
色は、白色でも黄色ありません。
体が金色に輝いています。
あまりにも動きが素早いため、写真を撮るのに苦労しました。
下の写真は違う角度から撮ったものです。
沖縄でみた「金の蝶」とも異なります。
「白い鹿」や「白い蛾」は、古来から縁起の良い生き物とされますが、金の蝶にも何かあるのかもしれません。
以前、「金の蝶は輪廻の輪から出られるサイン」という突拍子もない説を聞いたこともありますが、真相やいかに。
折をみて、アドバイザーのお上人に聞いてみます。
何かいいことがあれば、お伝えします。
「怖い」「厳しい」と囁かれる?
白山比咩(ひめ)神社の神様は、「怖い」「厳しい」という見られ方をします。
主祭神は「女神」ながら、なぜ厳しさへの受け止めがかくも際立つのか。
その原因をひも解くと、大きく5つの原因が浮かび上がってきました。
- 言ってはならない「忌み言葉」(いみことば)がある
- おみくじが辛口。吉凶にかかわらず戒めが込められている
- ふもとの里には白山にまつわる恐ろしい民話が残る
- 山での修行など厳しさを伴う白山信仰の印象から
- 神話に語られる菊理媛神の登場シーンは「黄泉の国」
これらの根底に流れるイメージは、大いなる「白山への畏怖」に重なります。
いにしえの人たちからみた白山は「命の源流」である一方、抗い切れない災厄を招く恐ろしい存在でもありました。
また白山は、実は400年ほど前に噴火した記録の残る「活火山」であり、数少ない「常時観測対象の山」に位置づけられています。
つまり、白山比咩神社の神様が「厳しくも温かい」というのはある意味で、とても鋭い指摘といえるわけです。
頑張る人にのみ振り向いてくれる神様なのかもしれません。
白山比咩神社 御朱印
令和の最新版、白山比咩神社の御朱印です。
初穂料は300円。
平日だったためか、ほとんど待つこともなく、授与所ですぐに書いて頂けました。
白山比咩神社 お守り
白山比咩神社のお守りのラインアップです。
ほかにも、学業成就や健康長寿などがありますが、人気はやはり「結び守」。
黄色、ピンク、ブルーの3色用意されています。
効果は恋愛成就にとどまらず、幅広い効果が期待できそう。
初穂料は1000円。
白山比咩神社 駐車場&アクセス
白山比咩(ひめ)神社には無料の駐車場が3か所あります。
駐車スペースはトータルで500台分。
もっとも大きくスペースにゆとりがあるのは「北駐車場」で、トイレも備えています。
公共交通機関での行き方
北陸鉄道石川線「鶴来駅」~
- 加賀白山バス「瀬女行き」乗車、バス停「一の宮」下車、徒歩10分
車での行き方
各インターからのアクセスは以下の通りです。
- 「美川IC」下車、約20分
- 「金沢西IC」下車、約30分
- 「金沢森本IC」下車、約50分
- 「小松IC」下車、約50分
MAP
白山比咩神社 基本情報
白山比咩神社の基本情報は以下の通りです。
- 住所:石川県白山市三宮町
- 電話番号:076(272)0680
- 参拝時間:境内自由
白山比咩神社 まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は白山信仰の聖地、白山比咩神社をご紹介しました。
隣の福井県では「毛谷黒龍神社」がおすすめのパワースポットです。
個別記事でも紹介していますので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。
本記事のまとめは以下の通りです。
- 白山比咩神社は縁結びのパワースポット
- 白山神社の総本社で白山信仰の拠点
- 境内には大きく3つのみどころがある
- 表参道には有名な大判焼きの店がある
- 厳しい神様といわれるには訳がある
- 参拝中に金色に輝く生き物をみた
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
内容を充実させてまいりますので、ご愛読の程、よろしくお願いいたします。