大石林山(だいせきりんざん)は、「沖縄最強のパワースポットのひとつ」といえます。
そこに広がるのは、2億年前以上も昔のサンゴが岩になって隆起し、力強い姿を現世にとどめる「原始の光景」です。
焦がれ続けた大石林山をいざ前に、管理人の胸に押し寄せてきたのは、心臓をぎゅっと締め付けられるような懐かしさでした。
大昔から続く素朴なスタイルで、敬虔な祈りをささげにやってくる人がいまも結構いるそうです。
沖縄の信仰は先祖崇拝が基本といえますが、その祈りの本質は、血のつながり以上に深遠なところにあるのかもしれません。
また沖縄最北端の地にあるこのパワースポットでは、「不思議な体験をした」との報告が後を絶ちません。
この日、管理人の前には地元の信仰で神様の使いとされる「琉球アオヘビ」が姿を現し、ガイドさんが目を丸くしていました(後段に体験談と写真を掲載)。
登山口となる施設内にはレストランもあり、近隣の辺戸岬などの観光も含めると、丸一日遊べそうです。
人に紡がれ、海と空と大地にはぐくまれる命――。
今回は、そんなとりとめもない物思いにふけってしまう聖地中の聖地、大石林山を詳しくご紹介します。
Contents
大石林山は聖地「安須杜」の一部
大石林山は、琉球神話に登場する女神「アマミキヨ」が一番最初に創ったといわれる聖地「アシムイ」(安須杜)の中にあります。
聖地「アシムイ」は、シノクセ、アフリ、シジャラ、ヘイヤと呼ばれる4つの岩山からなり、4連の岩山を遠くから見ると「仏様の横顔」に。
この4連の岩山は、地上界と天上界に位置づけが分かれていて、一般の立ち入りが認められるのは、地上界に当たる「シノクセ」付近、つまり大石林山だけとなります。
天上界に当たる残り3つの岩山は、民間シャーマン「ユタ」や「神人」(かみんちゅ)らの修行の場となっており、一般の立ち入りはおすすめできません。
天上界に位置づけられる聖山の御嶽(うたき)に入ったところで、一般の人にはサイズも規格も合わないため、何も起こらないそうです。
ただ、興味本位でアフリ岳にある「安須森御嶽」に足を踏み入れ、石を持ち帰った人が「重い病気」にかかったという笑えない実話もあるのだとか…。
またアシムイは、熱帯カルストを形成している世界最北端の地とされています。
大石林山 おすすめはスピリチュアルツアー
大石林山には大人1人1200円で入山できますが、「スピリチュアルツアー」と呼ばれるガイド付きのプランを強くおすすめします。
こちらは大人1人4000円と値が張りますが、パワースポット好きの方は「行かないともったいない」ほど値打ちがあるように感じました。
というのも、立ち入り禁止のパワースポットを案内してもらえるうえ、「ガイドのクオリティー」がとても高いからです。
ガイドさんには、沖縄の信仰のイロハに始まり、自然崇拝の作法、奇跡のような実話、さらにはユタの修行にまつわる内緒話まで、余すところなく解説してもらいました。
学者先生のような堅苦しさもなければ、インチキ占い師のようないかがわしさもないイメージです。
運が良ければ、地上にパワーストーンが生成する不思議なポイントなど、ツアー客もなかなか入れてもらえない聖域に案内してもらうことができます。
ガイドさんにお願いすれば、きっと連れて行ってもらえると思いますので、是非おねだりしてみてください。
気に入った場所を見つけたところで、ガイドを終了してもらうのもありだそうです。
「スピリチュアルツアー」のねらい目は、参加人数が少ない日。
管理人の場合、悪天候が予想される日に仮予約を入れておきましたので、参加したのは2組だけでした。
ただ、奈良の玉置神社や天河弁才天に伝わる噂と同じく、「呼ばれないとたどり着けない」というジンクスもあるそうです。
なかには急に駐車場で震えが止まらなくなって、ツアーに参加できなかったという人もいるそうな…。
いずれにしても、密度の濃い時間になりました。
スピリチュアルツアー「メモ」
- 料金:大人4000円、子供2500円※いずれも入山料、保険料込み
- 所要時間:2時間
- スタート時間:PM1:00時~
- 定員:20人※最小催行2人
- 予約:前日PM5:00までにTELで
大石林山 服装について
潮風の吹く岩山というロケーションとあって、蚊やアブなどの虫はあまりみかけませんでした。
岩山を這って登るような険しいポイントもありません。
軽装でも行けそうですが、スニーカーや運動靴で臨むのがベストです。
大石林山 見どころ&不思議な話
大石林山のツアーでは「自分がいいと感じるところがパワースポット」との説明を受けます。
管理人も以前、四万十川源流点の記事で同じようなことを書きましたが、何となく気になる石や木を見つけて触れると「もっと良い」そうです。
少し敏感な人であれば、何か悪いものが溜まっていたりすると、岩や樹木にさわった瞬間、「ビリっ」とくることもあるのだとか。
ただ、自分のアンテナ頼みの聖地にあっても、神聖な拝所(うがんじゅ)や仙人ガジュマルなど、「ここは是非」というポイントがたくさんあるのも確かです。
そこで、一般ルートとツアーの両方から、おすすめのポイントを厳選してまとめました。
禊場(ツアー)
整備された芝生のエリアから、巨岩と樹木が絡み合う聖域に入るときに、必ず通るのがこのパワースポット。
立ち入りが禁じられる聖域の中で、一番低い地点にあり、「気の溜まる空間」だそうです。
また、この場所の中心には水が湧き出るポイントがあり、風水でいうところの「龍穴」の条件にも合致します。
このポイントが、聖山に足を踏み入れる前の禊(みそぎ)場になります。
神社でいうと、手と口をすすぐ「手水舎」に当たります。
管理人は、周囲に林立するヒスイ色の岩々が全部仏像のように見えてきて、肌が粟立ちました…。
かつてツアー客の中には、ここで引き返してしまう人もいたそうです。
確かに、ただならぬ雰囲気の漂う「清めのスポット」でした。
仙人ガジュマル(ツアー)
「仙人を見た」との目撃談のあるガジュマルの木です。
ツアーでしか入れません。
ここで最初に仙人の姿を見た人は、宝くじで「億単位の大口当選」を果たしたそうです。
以降、ゴールデンウィーク前後に必ず1人だけ仙人の姿を見かける人が出たそうですが、一般ルートから外されて以降、現れなくなったといいます。
目を「¥マーク」にしてその姿を追う管理人の前にも、当然のように仙人は現れてくれませんでした。
女神が降り立つ拝所(ツアー)
この拝所(うがんじゅ)は、人間の先祖の血筋管理をつかさどる女神が降り立つ場所だそうです。
実は、このあたり一帯の拝所の多くは「伊是名島」(いせなじま)の方角を向いています。
女神「アマミキヨ」が最初に創った聖地がここ「安須杜」とされるのに対し、最初に降り立った地点はまだ形になっていなかった「伊是名島」(いぜなじま)と伝わります(諸説あり)。
神社の社殿の位置やお寺のご本尊の向きと同じく、自然崇拝の拝所も方角が重要な意味を持つわけです。
この拝所の役割としては、「先祖から続く神々のご恩を子孫を通して上げる場所」とされます。
人によっては、不思議なことが起こるパワースポットともいえ、「娘に連れられ九州からやってきた男性のガンが治った」というエピソードなども残されています。
またガイドさんいわく、この拝所は、今自分のやっていることが「正しいかどうか」を見極めるところでもあるそうです。
やり方は簡単。
拝所に立つガジュマルの木に手と額を当てて、感じてみるだけです。
実際に管理人がやってみたところ、そんなに悪い感じはありませんでしたが、正直よくわかりませんでした…。
不思議なものを見る人も多いそうです。
山頂のパワースポット(ツアー)
管理人のずっと行きたかった場所がここ、大石林山山頂のパワースポットです。
シノクセ岳とアフリ岳のちょうど境界線、仏様の横顔でいうところの「目の部分」に当たる場所です。
見上げると、鋭くとがった岩がいくつも突き立っていて、滅多に見られない絶景が迫ります。
ちなみに写真のこの岩、龍に見えませんか?
歌手の松任谷由実さんも、何かに誘われるようにしてこの地を訪ねたそうです。
骨盤石(共通)
骨盤石も驚くべきエピソードを残すパワースポットです。
夢枕に立つ仙人の「アシムイに行け~」という言葉に誘われ、大石林山を訪ねたお年寄りの女性の話にはびっくりです。
この女性、娘に付き添われ、車いすでこの聖地を巡礼していたのですが、「来たよ」と声をかけると、体がジンジン熱くなったといいます。
そして、車いすから降りて座った場所のがこの「骨盤石」。
大石林山のパワースポットめぐりを終え、家に帰ると、寝たきりだった体に活力がよみがえり、最終的には歩けるようになったのだとか。
この女性、再びお礼参りにこの地を訪ね、ガイドさんにその顛末を報告しました。
その会話を何人もの人が聞き、涙を流して喜びを分かち合った実話です。
美ら海展望台ステージ(共通)
最高の見晴らしで、心地よい風が吹き抜けてゆきます。
天気の良い日は与論島なども見えるのだとか。
岩を這う樹木のつるが台風によって取り除かれるからこそ、大石林山は一定の環境に維持されているそうです。
風に守られる聖地というのもまた、ロマンチックな話ですね。
神の使い琉球アオヘビあらわる!?
大石林山の登山口にある施設には、これまでに起きた不思議なエピソードをまとめた冊子が置いてあります。
とにかく、にわかには信じがたい内容ばかりなのですが、「琉球アオヘビ」にまつわるエピソードだけは、正直なところ、少しインパクトにかけているように思いました。
「仙人ガジュマルの前に現れ、こうべを垂れた」程度のものです。
実は今回、聖域の中にある「神様のテリトリー」に入る直前(写真上)で、この琉球アオヘビが姿をあらわしました。
そこで、インパクト不足との認識は「相場観を知らぬ者の誤解」だと悟りました――。
◇
聖域と神域を分かつ岩の前には、施設関係者のあずかり知らぬところで、ユタが立てていった看板があります。
「御天お許しなく立ち入らないこと」
「神秘体験・百戦錬磨」のガイドさんの驚きぶりから察するに、神域を前に琉球アオヘビが現れる事態は、どうもただ事ではなさそうです。
「これは縁起がいい!」
いわく、琉球アオヘビは「神様の使い」だそうです。
琉球アオヘビは、一定の距離を保ちつつもスルスルとこちらに近づいてきて、突然首をもたげて動きを止めました。
「可愛い!」とカメラを向ける管理人をたしなめるように、ガイドさんはトーンを落としながらも語気を強め、しっかり手を合わすよう促します。
神域への立ち入りをお許し願い、その意図とともに願い事を神様に届けてもらうためです。
もちろん、その場に居合わせた全員で「真剣な祈り」を捧げました。
他の記事のなかでいくつか書きましたが、管理人は神社でよく「縁起のいい動物」に出くわします。
眷属(けんぞく)との遭遇もここまでくると極まった感がありますが、もう一人のツアー参加者は「伊勢神宮で白蛇をみた」というつわものでした。
大石林山 周辺情報
大石林山周辺にあるおすすめスポットは、車で約3分のところにある「辺戸岬」(へどみさき)です。
天気の良い日は聖地「伊是名島」(いせなじま)まで見渡せます。
岸壁には不動明王の像が安置されていて、管理人は神秘的でどこかノスタルジックな光景に、心の芯が揺さぶられました。
また当日は、台風の影響で岸壁まで波しぶきが打ちあがり、ダイナミックな絶景を五感で味わうことができました。
軽い気持ちで立ち寄りましたが、意外にも、忘れられない景色になりました。
大石林山 アクセス&駐車場
大石林山は沖縄本島の北端にあり、那覇市からだと車で約2時間はかかります。
県外の方は、レンタカーで行くのが現実的な選択肢かと思われます。
- 沖縄自動車道「許田IC」下車、約1時間
ある意味で、沖縄で一番遠いパワースポットといえますが、その分見返りも大きいのではないでしょうか。
管理人としては、かなりおすすめのポイントです。
一方、駐車場は、とても広いスペースが確保されていますので、止めるのに待たされる心配はまずなさそうです。
MAP
大石林山 基本情報
- 住所:沖縄県国頭郡国頭村宜名真1241
- 電話:0980(41)8117
- 入山料:大人1200円、小人550円、シニア900円
- 営業時間:AM9:30〜PM4:30(5:30閉園)年中無休
大石林山 まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、管理人憧れのパワースポット「大石林山」についてご紹介しました。
沖縄には、かつては王様ですら立ち入りが許されなかった最大の聖地「斎場御嶽」(せーふぁうたき)があり、いまは一般にも開放されています。
敬けんな姿勢での参拝が求められますが、写真を撮ると「霊感の有無」が分かる場所などもあり、とにかく不思議なところです。
またパワスポ編集局では、沖縄最強パワースポット7選やユタと呼ばれる沖縄のシャーマンについてまとめた記事も掲載しています。
今回のまとめは以下の通りです。
- 大石林山は沖縄屈指のパワースポット
- 不思議な体験談が後を絶たない
- 隣の聖山は安易に足を踏み入れるべきではない
- スピリチュアルツアーがイチオシ
- 病気が治ったり運気が好転する人も多い
- 神様の使い「琉球アオヘビ」が神域の前で現れた
- 大石林山のほど近く辺戸岬もおすすめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
実際にすべて現地に足を運んで記事を書いていますので、毎日更新というわけにはまいりませんが、ブックマークなどをして頂き、ご愛読いただけましたら幸いです。