石清水八幡宮(京都府八幡市)は、厄除け・厄払いで有名な神社で、いわゆる「浄化のパワースポット」です。
平安京の裏鬼門に築かれた「鬼門封じの神社」として、ときに形を変えながら、1000年を超えるはるか昔から京の町を守護してきました。
開運厄除のほかに、勝運アップ、心願成就、学業成就などのご利益でも知られます。
石清水八幡宮は、格式の割には混雑もなく、観光地としても見どころがいっぱいです。
今回は、伊勢神宮に次ぐ「国家第二の宗廟」(そうびょう)といわれる石清水八幡宮について、神秘に彩られた歴史やパワースポットとしての見どころなどをご紹介します。
また、無料駐車場やアクセスなどのより詳しい情報も掲載していますので、あわせてご覧ください。
Contents
石清水八幡宮は「勝利の神」祭る
石清水八幡宮が強力なパワースポットである事実は、京都の市街地から少し離れている場所のためか、意外に知られていません。
国内最大・最古の「八幡造」の建物群が国宝に指定される、とても由緒ある神社です。
ちなみに読み方は、いわしみずはちまんぐう。
「岩清水八幡宮」は誤表記で、「石清水八幡宮」と書くのが正解です。
石清水八幡宮は、平安京からみて裏鬼門の方角にあり、京都を流れる「宇治川」「木津川」「桂川」の合流点を見下ろす男山山頂に位置しています。
3つの川が合流するこのポイントは、政治・経済・軍事上の重要な地点であり、パワースポットとしても申し分のないロケーションにあります。
また神様の宿る岩「磐座」(いわくら)なども見つかっているため、男山自体が紀元前から信仰の対象だった可能性も指摘されています。
石清水八幡宮でお祭りしている神様は「応神天皇」、「比咩大神」、「神功皇后」の3柱。
「国家鎮護」「勝利」をつかさどる神として、源氏一門、織田信長、豊臣秀吉など、時の権力者から崇敬を集めました。
パナソニックの創業者で「経営の神様」と呼ばれた故・松下幸之助氏をはじめ、関西財界人らの信仰が厚いのも特徴です。
また、歴代天皇が必ず足を運んできた歴史からも、石清水八幡宮が「特別な場所」であるのは間違いありません。
そんな歴史から、いかにパワフルな神社かがみえてきます。
また石清水八幡宮は、ケーブルカーや展望台などもあり、家族やカップルで余暇を過ごすのにも打ってつけ。
大切な人と、緑豊かな男山山頂の神域でパワーをチャージしてみてはいかがでしょうか。
石清水八幡宮 ご利益&基本情報
宇佐神宮、鶴岡八幡宮とともに「日本三大八幡宮」に数えられる石清水八幡宮。
御祭神やご利益、所在地などの基本情報は以下の通りです。
御祭神 | ご利益 |
・応神天皇 ・比咩大神 ・神功皇后 | ・国家鎮護 ・厄除開運 ・必勝祈願 ・交通安全 ・安産 ・合格祈願 ・病気平癒 |
※八幡大神は御祭神3柱の総称
- 拝観料:無料
- 駐車場:有料・無料有(下段にマップと詳細情報)
- 所在地:京都府八幡市八幡高坊30
- 電話:075(981)3001
■参拝時間
1月1日~1月19日 | 不定期(元旦は午前0時から) |
---|---|
1月20日~3月31日 | 6時30分~18時 |
4月1日~9月30日 | 5時30分~18時30分 |
10月1日~10月31日 | 6時~18時 |
11月1日~12月30日 | 6時30分~18時 |
12月31日 | 6時30分~23時 |
■公式サイト:http://www.iwashimizu.or.jp/top.php
石清水八幡宮 アクセス&ロケーション
石清水八幡宮は、眼下に淀川を見下ろす男山山上にあり、京の町をかたなに望む風光明媚なロケーションにあります。
京阪電鉄八幡市駅からケーブルカーに乗り継ぎ、歩いて5分ほどのところに本殿が鎮座。
石清水八幡宮へのアクセスはほかにも、徒歩で登るルートもあります。
電車での行き方
◇京都方面からのアクセス
京都駅から近鉄「丹波橋駅」、もしくはJR「東福寺駅」で京阪に乗り換え、「石清水八幡宮駅」(旧八幡市駅)下車
⇒男山ケーブル「八幡宮山上駅」(旧男山山上駅)下車、徒歩5分
◇大阪方面からのアクセス
地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」、もしくはJR環状線「京橋駅」で京阪に乗り換え、「石清水八幡宮駅」(旧八幡市駅)下車
⇒男山ケーブル「八幡宮山上駅」(旧男山山上駅)下車、徒歩5分
車での行き方
◇京都・名古屋方面より
名神高速「瀬田東JCT」、もしくは第2京阪道路京滋バイパス「久御山・淀IC」下車、約10分
⇒男山ケーブルまたは徒歩で男山山頂・石清水八幡宮へ
◇神戸・大阪方面より
名神高速「大山崎IC」下車、約10分
⇒男山ケーブルまたは徒歩で男山山頂・石清水八幡宮へ
MAP
駐車場について
石清水八幡宮には専用の有料駐車場がありますが、実は境内には地元民が知る「無料の駐車場」も存在します。
無料駐車場は「八幡市立公園男山レクリエーションセンター」の少し先にあります。
Googleマップでみると、とても分かりやすいです。
ただし、石清水八幡宮の無料駐車場は、橋本地区からアクセスする形となり、遠回りになる上、満車になる可能性もあります。
あくまでも平日の裏技として参考程度にとどめてください。
石清水八幡宮駐車場
■料金:普通車500円(8時30分~16時)
男山山頂駐車場
■料金:無料
ケーブルカー
石清水八幡宮境内の隣接地に、かつて遊園地を建設する計画のあった男山。
参拝者の足として活躍する「男山ケーブル」も、実はその名残です。
所要時間は約3分。
遠くに広がる京の町と眼下に広がる四季折々の景観が楽しめます。
■料金
大人 | 小人 | |
---|---|---|
片道 | 300円 | 150円 |
往復 | 600円 | 300円 |
■標準発車時刻表(八幡市駅・男山山上駅ともに同時刻)
時 | 分 |
---|---|
8 | 10 ※30 45 |
9 | ※00 15 ※30 45 |
10 | ※00 15 ※30 45 |
11 | ※00 15 ※30 45 |
12 | ※00 15 ※30 45 |
13 | ※00 15 ※30 45 |
14 | ※00 15 ※30 45 |
15 | ※00 15 ※30 45 |
16 | ※00 15 ※30 45 |
17 | ※00 15 ※30 45 |
18 | ※00 15 |
※は不定期(乗客がいる場合に運行)
※平日・土日・祝日すべて同時刻
■電話:06(6945)4560
石清水八幡宮の歴史
せいひつな空気に満たされた男山山頂に鎮座する神社「石清水八幡宮」。
創建は860年、清和(せいわ)天皇の治世にさかのぼります。
清和天皇の治世は、富士山の噴火や陸奥の地震など、あまたの天変地異に見舞われた時代です。
厄災による混乱が鎮まらない中、八幡大神からのご託宣を受けたのが、空海の弟子「行教(ぎょうきょう)和尚」でした。
八幡宮の総本社、宇佐神宮にこもって祈祷を続けた行教に、八幡大神は「われ、都近き男山の峯(みね)に移座して国家を鎮護せん」と伝えたとされます。
この知らせを受けて清和天皇が、八幡造の社殿造営を命じ、石清水八幡宮が創建されました。
つまり、石清水八幡宮はもとは行教というお坊さんがつくった「お寺から出発した神社」というわけです。
鬼門封じの社!?
石清水八幡宮の位置する男山は、いまの京都御所からみたちょうど南東の角に当たります。
平安京の表鬼門を守る「比叡山延暦寺」(ひえいざんえんりゃくじ)に対して、裏鬼門を石清水八幡宮が守護する構図です。
つまり、「仏」と「神」で厄災から都を守ったわけです。
ちなみに、鬼門封じや王城鎮護の役割を果たす神社には「厄除け・厄払いの霊験がある」と覚えておくと便利です。
これは陰陽道の考え方からくる「失われた知見」といえます。
また、石清水八幡宮の宮司さん(=神社本庁総長)から直接聞いた話によると、創建と同時期にはじまった(八坂神社の)祇園祭も、実は陸奥の地震(貞観地震)の影響を鎮めるために行われたものだそうです。
石清水八幡宮 エジソン記念碑に秘話!?
米トーマス・エジソンが白熱電球を発明したのは有名な話ですが、商品化に成功した電球に「男山の竹」が使われていたのをご存知でしょうか。
そんなご縁をもとに、石清水八幡宮に建立されたのが「エジソン記念碑」です。
戦時中、一度取り壊しの危機に瀕した碑ですが、当時の宮司が「科学に国境はない」と軍部の要望を突っぱねた歴史は、あまり知られていません。
この歴史秘話がいまも両国を結ぶ友情の証となり、エジソン翁の誕生日と命日に、毎年碑前祭が執り行われています。
そして石碑に刻まれるのは、やはりこの格言。
「Genius is one percent inspiration, 99 percent perspiration」
(天才とは1%のインスピレーションと99%の努力である)
一般的には、99%の努力を重んじる格言として広まっています。
ところが、エジソンが強調したかったのは、実は「1%のインスピレーション(霊感)」の方だったという説があり、こちらにも有力な証拠も残されています。
努力を超越したところにある「1%」に、エジソンは何を見たのでしょうか。
そんなエジソンの巨大な記念碑が、神域「石清水八幡宮」にあるのも不思議な話です。
何より、ここまで巨大な記エジソン記念碑は、アメリカ本国にすらありません。
石清水八幡宮境内 見どころ
石清水八幡宮のなかでも、注目すべき場所はどこか――。
見逃せないポイントと不思議なスポットをまとめました。
パワースポットは参道と本殿前
木漏れ日の差す石清水八幡宮の参道には、心に力を吹き込む凛とした空気が漂っています。
神域に近づくに連れ、段々気持ちも厳かに。
そして「本殿」に一歩踏み込むと、そこはもうけがれのない領域――。
自然に湧き出る感謝をささげると、おまじないではない「浄化の体感」が訪れるかもしれません。
もう一つ、石清水八幡宮の中でも強力なパワースポットといわれるのが、本殿前の「南総門」です。
- 南総門から本殿を拝して願いを告げるとご利益がある。
- 自分にとって害のあるものを整理し、正しい方向へと導いてくれる。
真偽のほどは定かではありませんが、そうした指摘もあります。
実際、南総門を通して本殿をみると、向きが少し傾いています(写真上)。
これは、参拝の帰りに神様に向かってお尻をむけないための工夫です。
また、風水の知見を生かして、「直線に結ぶのを避けてあえてずらしている」との見方もできます。
大きな道と直線状にぶつかる家の軒先には、ときどき「鏡」が置いてありますが、これも「強すぎるエネルギーの流れを跳ね返すためのおまじない」です。
このほか社殿の石垣は、鬼が来るといわれる「鬼門」を封じるために、東北の部分を切り取った造りにするなど、随所にさまざまな仕掛けが施してあります。
霊泉をたたえる石清水社
男山中腹に位置する石清水社(いわしみずしゃ)。
石清水八幡宮の由来となった霊泉「石清水」を抱える摂社(せっしゃ)です。
摂社というのは、境内に小さくお祭りしている「縁の深い神社」のことです。
末社ともいいます。
石清水は、「凍らず枯れない霊泉」として尊ばれ、皇室や将軍家の祈祷(きとう)に用いられました。
その際、神前に供された石清水を「御香水」(ごこうすい)といいます。
いまでも、石清水八幡宮で行われる100以上の祭典には、当日早朝に汲み上げられた石清水が必ず御神前に献供されています。
さて、この石清水社ですが、明治以前は「石清水寺」というお寺でした。
石清水八幡宮は明治時代になる前、神様と仏様を同じようにあがめる「神仏習合」(しんぶつしゅうごう)のスタイルをとっていました。
「神仏混交」ともいいますが、日本独特の柔軟性に富んだ信仰の形です。
本殿脇のクスノキ
本殿に向かって左側、外壁を越えたところにそびえたつ巨大なクスノキ、通称「楠木正成公の楠」があります。
根周り18m、樹高30m、樹冠40m。
樹齢700年に迫る大木で、紛れもなく、石清水八幡宮におけるパワースポットの一つです。
少しの時間、マイナスイオンを浴びるつもりで向き合ってみるだけでも、エネルギーがチャージされるかもしれません。
石清水八幡宮 厄除け・厄払いについて
先ほど、鬼門守護や王城鎮守をつかさどる神社は「厄除け・厄払いのご利益で知られる」とご紹介しましたが、もちろん石清水八幡宮も「京都屈指の厄除けパワースポット」といえます。
厄除け・厄払いのご利益をめぐっては、とくに男性からの支持を集めています。
京都の厄除け・厄払いのパワースポットについては別の記事にまとめていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
石清水八幡宮 御朱印
石清水八幡宮の御朱印です。
八の部分が、石清水八幡宮の八になっているタイプもあります。
本殿に向かって右手にある授与所で頂けます。
石清水八幡宮 お守り&おみくじ
石清水八幡宮で授与される厄除けのお守り「七色守」。
厄除けに七色のものが用いられる理由は諸説あります。
- 七福神を七色に見立てた
- 空海が厄除けに身につけていた
- 「8」(や)「9」(く)でない「7」の語呂合わせ
初穂料(値段)は1000円。
また、石清水八幡宮は「鳩みくじ」も人気です。
鳩は平和の象徴であり、石清水八幡宮のシンボル的存在でもあります。
初穂料は500円。
石清水八幡宮【周辺情報】
石清水八幡宮の周辺にも見どころのスポットがいっぱい。
その一端をまとめました。
飛行神社
航空界のパイオニア、二宮忠八が対象4年に創建した神社。
パイロットから部品メーカーまで、全国から飛行関係者が集います。
資料館も併設されています。
■住所:京都府八幡市八幡市八幡土井44
■電話:075(982)2329
■資料館:AM9:00~PM4:00、入館料300円
流れ橋
テレビや映画の撮影などでも度々利用される「流れ橋」。
日本最大級の木造橋で、水かさが増すと橋げたが浮き上がって流れる構造から、「流れ橋」と呼ばれるようになりました。
正式名称は上津屋橋といいます。
橋の下には砂丘のような河川敷が広がります。
■住所:京都府八幡市上津屋宮前川端
■電話:075(983)1111
松花堂庭園・美術館
石清水八幡宮のある町、京都府八幡市は、実は松花堂弁当の発祥地でもあります。
内側を4つに仕切った箱を石清水八幡宮の社僧が考案、これをヒントに高級料亭「吉兆」の創業者がつくったのが「松花堂弁当」です。
ゆかりの地には「松花堂庭園」があり、吉兆も「松花堂店」を構えています。
松花堂庭園では、お茶やお弁当に舌鼓を打ちながら、四季折々の景色が楽しめます。
また、男山近くの木津川沿いにある堤防「背割堤」(せわりてい)は、桜の名所として有名で、毎年春になると見事な桜色に染まります。
報道によると、2018年9月の台風で200本以上が被害を受けたようです。
- 住所:京都府八幡市八幡女郎花43-1
- 電話:075(981)0010
- 庭園入園料:大人400円、学生300円、子ども100円
- 美術館観覧料:大人400円、学生300円、子ども無料
石清水八幡宮ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、石清水八幡宮の情報をお届けしました。
とても気持ちのいい山上のパワースポットで、雅な風情漂う素晴らしい神社でした。
展望台や竹細工のお店などもあり、家族連れだと半日ぐらいは楽しめます。
近隣の「淀川河川公園背割堤」に観光客が殺到する桜のシーズンや年末年始でもない限り、極端な混雑はありません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後、さらに内容を充実させてい参ります。
引き続き、ご愛読いただきますよう、よろしくお願いします。