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吉備津神社のご利益は?絶景の回廊,鳴釜神事で占いも【最強パワースポットも紹介/ルポ】

吉備津神社の回廊。パワースポットであり絶景スポットともいえる

吉備津神社(きびつじんじゃ、岡山市)は、岡山を代表するパワースポットとして知られ、口コミでも「ご利益がある」と評判の神社です。

お祭りされる神様は、むかし話に登場する「桃太郎」のモデルといわれ、鬼と戦った神秘的な逸話も残されています。

吉備津神社は観光スポットとしての評価も高く、滑らかなスロープを描く全長360mの回廊や国宝指定の巨大な本殿は、一見の価値あり。

また、吉備津神社の境内には「岩山宮」(いわやまぐう)というお社があり、いにしえの祈りを今に伝える神聖なパワースポットになっています

このほか吉備津神社には、火にかけた釜の音で吉凶を判断する「鳴釜神事」(なるかましんじ)という占いがあり、予約すれば観光客でも占ってもらえます。

また毎年10月第2日曜日に「秋季大祭」が開かれ、お供え物をもった行列が回廊をわたる献饌行事は必見です。

 

今回は、そんなみどころ一杯の吉備津神社に参拝してきましたので、ご利益、御朱印、鬼伝説、駐車場・アクセス方法などをまとめてご紹介します。

吉備津神社 神様とご利益は

吉備津神社の拝殿。本殿と一体で国宝登録されている

吉備津神社にお祭りされる神様は、吉備津彦命(きびつひこのみこと)とその一族。

ご利益は多岐にわたります。

  • 健康長寿
  • 産業発展・金運アップ
  • 安産・育児・子宝
  • 学業成就・芸上達

その「いわれ」をひも解くと、吉備津神社にまつわる不思議な伝承が浮かび上がってきます。

 

ご利益①健康長寿

吉備津彦命(きびつひこのみこと)は、いまから2000年以上前、温羅(うら)という凶暴な鬼を退治するため、兵を引き連れこの地におもむいたいわば「現人神」(あらひとがみ)です。

吉備津彦命は、人知を超える力をもって鬼の支配から人々を救い、吉備に平和と繁栄をもたらしましたが、最終的に281歳まで生きたと伝わります

この逸話ちなんで、古くから「長寿を守る神様」としてあがめられています。

 

ご利益②産業発展・金運アップ

吉備津神社のえびす宮。

大陸仕込みの優れた製鉄技術を強みに、目覚ましい発展を遂げた岡山県。

日本一の鉄の生産地として栄えた時代もあり、当時の人たちはこれを「吉備津彦命のご加護」と考えました。

吉備津神社の神様が「産業発展の守護神」としてあがめられているのはそのためです。

 

ここにきて、吉備津神社の「金運アップのご利益」に注目が集まっているのも、こうした流れが背景にあり、実際、口コミでも「参拝翌日、突然収入増につながる話が舞い込んできた」などの報告が寄せられています

 

吉備津神社には、金運アップが期待できる本殿のほかに、「えびす宮」と呼ばれるお社があります。

岡山県内では「商売繁盛のパワースポット」としても有名なんだとか。

実際、背後に迫る神の山「中山」に溶け込むお社の姿は、神々しくもどこか明るい印象を受けました。

 

えびす宮には、回廊に入って最初に出てくる左側の階段からアクセスできます。

毎年、正月明けの十日戎(とおかえびす)には、多くの参拝者でにぎわいをみせるそうですが、通常は人でごった返すことはありません。

その分、心を落ち着かせてお参りすることができそうです。

境内にはお稲荷さんも

吉備津神社の宇賀神社。見た目は弁財天社のイメージに近い。

吉備津神社には、社殿が密集するエリアから道路を一本挟んだところに、「宇賀神社」もあります。

神池に浮かぶ島の真ん中に鎮座していて、美しい朱の橋もかかっていますので、見逃すことはなさそうです。

 

神社の説明によると、宇賀神社には吉備津国最古の「稲荷神」がお祭りされています。

白狐の像がなく、また、そのレイアウトからしても水の女神「市杵島姫命」(いちきしまひめのみこと=弁財天)をお祭りしているように思えましたが、どちらにせよ、財運アップのご利益という点では変わりません

 

吉備津神社で金運アップを期待される方は、是非「本殿」だけでなく、「えびす宮」、「宇賀神社」も合わせてお参りしてみてください。



ご利益③安産・育児・子宝

安産育児のご利益で知られる本宮社。

吉備津神社には、本殿とは別に安産・育児・子宝の特別なご利益で知られるお社があります。

それが、吉備津神社の長い回廊を最後まで歩いた先にある「本宮社」です。

 

本宮社には、吉備津彦命の「ご両親」と「お妃(きさき)」がお祭りされています。

お妃は、百田弓矢姫(ももたゆみやひめ)という神様で、古くから安産育児の神様としてあがめられてきた存在です。

また吉備津彦命のご両親は、いわば「桃太郎を生んだ神様」。

つまり、安産・育児のご利益を求める方は、「本宮社」を参拝せぬ手はないということになります

 

厳密に言うと、百田弓矢姫は本宮社に合祀される「内宮社」にお祭りされている形です。

この内宮社はもともと、神の山として古くから崇拝されてきた背後の「中山」にあり、明治時代に本宮社に移されました。

神の山には「子授けのわらび」も

聖山山中のわらびは子宝に恵まれるとされる。

もう一つ、聖山・中山には、不思議な「わらび」があり、これを食べると立派な子供を授かるという言い伝えがあります。

昭和7年、昭和天皇・香淳皇后に献上したところ、翌年、平成天皇がお生まれになったという記録が残っています。

勝手に摘むとバチが当たりそうですが、聖山ならではのエピソードと言えるのではないでしょうか。

 

ご利益④学業成就・芸上達

吉備津神社は、学問・芸術のご利益でも知られます。

吉備津神社は、神様と仏様を同一の存在としてあがめる「神仏習合」の時代をへて、現在に至りますが、当時、吉備津彦命は知恵を授ける「虚空蔵菩薩」とみなされていました

 

また吉備津神社には、「学問・芸能」のご利益が授かれる「一堂社」というお社があり、いまも受験生らの心の支えになっています。

吉備津神社 おすすめパワースポットはここ!

岡山屈指のパワースポットとして知られる吉備津神社ですが、とくにおすすめの地点があります。

以下、2つのポイントをまとめました。

 

ちまたで評判の「石段」

神々しい存在感を放つ石段。ちまたで噂のパワースポット。

吉備津神社のなかにあるパワースポットとして、ちまたで評判になっているのがこの場所、「拝殿(本殿)に続く石段」です。

見上げると、確かに巨大な存在感を感じるアプローチになっていて、神社というよりは、とても大きな寺院に近い印象を受けます。

降り注ぐ光とともに、拝殿が徐々に視界に開けてくると、自然に背筋もピンとしそうです。

観光地としても味わい深い、評判通りの素晴らしいポイントでした。

 

管理人のイチオシは「岩山宮」

管理人おすすめのパワースポットの岩上宮。雰囲気からして違う。

吉備津神社のなかでも、管理人のイチオシは「岩山宮」(いわやまぐう)です。

長い回廊の中間あたり、傾斜のある左手の階段を上っていくとアクセスできます。

案内板がありますので、迷うことはないと思います。

 

中山の山腹にあるこの岩山宮は、他のお社に比べて「異質の存在感」を漂わせています。

吉備津神社の信仰の原点は、神の山「中山」にあるといえますが、その力をつなぐのが「岩山宮」とみて間違いありません

岩山宮は、その名前とロケーションから、「中山」との強いつながりを連想させます。

何より、あまり知られていませんが、お社の中には中山に鎮座していた「神様の宿る岩」が御神体として祭られています

 

岩山宮にお祭りされるのは「建日方別命」(たけひかたわけのみこと)という神様で、「地元の神様」(地主神)に当たるといいます。

建日方別命は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)という夫婦の神様がつくった「吉備児島」を神格化した存在です。

山のなかに海にゆかりの深い神様をお祭りするケースは珍しくありませんが、ここは「歴史的なミステリー」が絡んでいるという見方もあり、謎は深まるばかり。

いずれにしても、岩山宮は現地に漂う空気感からして、紛れもないパワースポットといえそうです。

中山には巨石群も

中山は古くからの聖地だけに、神様の宿る岩(磐座)や古墳などが点在しています。

比較的小ぶりの山で、「龍王山」と「茶臼山」からなります。

龍王山は標高175m、山頂には八大龍王という龍神様を祭るほこらや「吉備津彦神社」の元宮磐座があります。

また茶臼山には吉備津彦命の御陵(茶臼山古墳)があり、見どころのひとつになっています。

時間に余裕のある方は、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

吉備津神社 絶景の回廊

絶景の回廊。見通しの良いところではその長さが実感できる。

吉備津神社に参拝されるのであれば、全長約360mにおよぶ木造の回廊は必見です

この回廊はいまから500年近く前に再建されたもので、高台にある本殿を振り出しに、平地まで一直線に延びています。

岡山県屈指の観光名所といえ、同県の指定文化財にも登録されています。

 

実際に歩いてみると、自然の地形のままに、緩やかなスロープを下っていく感覚です。

ゴールの鳥居を抜けるのに、ざっと15分ほどかかります。

回廊を脇からみると、長い屋根が滑らかに連なっていて、息をのむほど美しい景色が楽しめます

 

また、平地の見通しの良い区間では、遠くにいる人が米粒ほどの大きさに見えるため、その長さが実感できます。

サクラやウメ、ボタン、アジサイなど「春の花との共演」も魅力のひとつ。

 

このほか、10月第2日曜日の秋季大祭で執り行われる献饌行事では、平地側にある御供殿(ごくうでん)から本殿に向かって、お供え物や神宝などを運ぶ人が回廊をわたります

 

ちなみにこの回廊は、一間(約1.8m)ごとに氏子さんらが寄進したもので、吉備津神社に寄せられる信仰の厚さを物語ります。

吉備津神社 本殿・拝殿

国宝の本殿の横からのアングル。比翼の由来が見て取れる。

吉備津神社の本殿は、八坂神社同様、拝殿とつながった造りになっていて、とにかくその大きさに圧倒されます。

「比翼入母屋造」(ひよくいりもやづくり=吉備津造)という珍しい建築様式で、国宝にも指定されています。

ちなみに比翼というのは、オスとメスが一体となって空を飛ぶ「伝説上の鳥」で、横からみた本殿の屋根にその名の由来が見て取れます

過去2度にわたって火災で焼けてしまい、いまの社殿は約600年前、足利義満の再建によるものです。



吉備津神社 鳴釜神事

鳴釜神事が行われる御釜社。玄米をたく蒸気が上がっている。

鳴釜神事(なるかましんじ)は、釜で玄米を蒸すときに出る音の「印象」で吉凶を占うものです。

回廊の中間付近、「お釜殿」で行われます。

神主さんの祝詞(のりと)に合わせ、巫女さんが玄米を投入すると「鬼のうなり声」のような音が…。

釜から出るその音の大きさ、長さ、リズムなどから、願い事が叶うかどうかを見極めるわけですが、その印象をもとに吉凶の答えを出すのは、ほかでもない依頼者本人

つまり、依頼者もある程度、吉凶を見極める力が求められるわけです。

ちなみに、釜の下には吉備津彦命に退治された「温羅の首」が埋められていて、この鬼が結果を告げているのだと伝わります。

参拝当日は、複数名の「僧侶」が鳴釜神事に臨まれていて、秘技の確かな力を感じさせる一幕に遭遇した格好となりました。

鳴釜神事メモ

鳴釜神事は、回廊の中間付近を右に曲がったところにある「御釜殿」で行われています。

受付はAM9:00からPM2:00まで。

御釜殿、もしくは社務所で申し込むことができます。

なかでの写真撮影は禁止

初穂料は3000円ですが、祈祷を申し込んだ人は無料になるとの情報もありました。

吉備津神社 おみくじ

吉備津神社で5種類のおみくじを提供しているおみくじコーナー。

吉備津神社の授与所のすぐそばにある「おみくじコーナー」では、自分に合ったおみくじを以下の5種類の中から選ぶことができます。

  • よろこびみくじ
  • こどもみくじ
  • はなみくじ
  • 英語みくじ
  • いにしえみくじ

「いにしえみくじ」は古今和歌集を、はなみくじは「花言葉」を添えたもの。

こどもみくじは「しつけ」にも使えるため家族連れの方におすすめで、そこはかとなくシュールな表現と少しレトロなイラストも魅力的です。

よろこびみくじについては、柱に「結婚や出産など女性のよろこび事が書かれたおみくじです」との張り紙がしてありました…。



吉備津神社 御朱印

吉備津神社の御朱印。

吉備津神社の御朱印です。

シンプルなデザインです。

右上に記される「三備一宮」というのは、いわば地域№1の神社に与えられる称号です。

吉備津神社 駐車場&アクセス

吉備津神社の無料駐車場。

吉備津神社には、無料の大型駐車場が完備されています。

収容台数は270台。

すぐそばにレトロなお土産物屋さんなどもあり、旅情をかき立てられます。

 

公共交通機関でのアクセス

  • JR桃太郎線「吉備津駅」下車、徒歩10分

 

車でのアクセス

  • 山陽自動車道「吉備スマートIC」下車、約10分
  • 中国自動車道「岡山総社」下車、15分

吉備津神社 基本情報

吉備津神社の基本情報は以下の通りです。

  • 住所:岡山市北区吉備津931
  • 電話:086(287)4111
  • 参拝時間:AM5:00~PM6:00

吉備津神社 遠方から参拝するには

遠方から参拝する場合は、早めの予約をおすすめします。

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吉備津神社 まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、岡山屈指のパワースポットとして知られる吉備津神社をご紹介しました。

ほかにも、岡山ではディープなパワースポット「最上稲荷」がおすすめです。

記事にしていますので、よろしければ参考にしてください。

⇒最上稲荷の詳しい記事はこちら

 

本記事のまとめは以下の通りです。

  • 吉備津神社は延命長寿や産業発展のご利益で知られる
  • イチオシのパワースポットは岩上宮
  • 全長360mに及ぶ回廊と国宝の本殿は見ごたえ十分
  • 金運アップ、安産育児、学業成就、芸上達にご利益のあるお社も
  • 鳴釜神事と呼ばれる秘技で占ってもらえる

 

最後までお読みいただき、ありがとうござました。

内容を充実させてまいりますので、今後ともご愛読の程、よろしくお願いいたします。

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