磐船神社(いわふねじんじゃ、大阪府交野市)は、大阪最強のパワースポットのひとつです。
磐船神社は「岩窟めぐり」がとくに有名で、地下空間にひしめく岩の間を縫って「生まれ変わりの冒険」に挑戦することができます。
管理人自身、磐船神社には何度か足を運んでいますが、あらためて涙が出るほどの感激を覚えました。
今回は、原色の輝きを放つ聖地・磐船神社について、ご利益、アクセス、駐車場の情報に加え、岩窟めぐりの注意点や所要時間などを紹介します。
また、オキ大神という謎の石碑についても、ようやく出所がわかりましたので、報告いたします。
Contents
磐船神社はスピリチュアルスポット
磐船神社は、大阪を代表する穴場のパワースポットです。
磐船神社が鎮座するのは大阪府の北東部、交野市(かたのし)を流れる天の川上流の渓谷沿いです。
磐船神社のご神体は「天磐船」(あめのいわふね)と呼ばれるプリミティブ(原始的)な巨石で、高さと幅はいずれも12mに及びます。
天磐船は、神様が天から乗ってきた船だったと伝わります。
それが岩に姿を変えて、神格化されたわけです。
また、大阪城築城の際、加藤清正という武将がこの大きな岩を運び出すのを断念し、岩上に「加藤肥後守清正」と刻んだ伝説も残されています。
加藤清正は、スマホの待ち受け画面にすると運気がアップするとされる明治神宮の井戸を掘ったあの方です。
ご利益は「諸願成就」「病気平癒」
磐船神社の御祭神は、饒速日命(にぎはやひのみこと)という神様。
天磐船に乗って地上に降臨した神様とされ、この地を根城にしていた豪族「物部氏」のご先祖様に位置づけられます。
ご利益は諸願成就、病気平癒などです。
また、境内には「磐船稲荷大明神」を祭るお社や「住吉大神」をかたどる石仏もあって、金運アップや航海安全などにも効果があるとみられます。
巨石を祭る磐座信仰~原色の祈り~
磐船神社の御神体だけに、この巨石、確かにすごい存在感で、みる人に畏怖(いふ)の念を抱かせます。
上の写真のように、天磐船を拝む場所として「拝殿」は設けられていますが、本殿はなく、巨岩がむき出しのまま鎮座している格好です。
磐船神社には、天磐船と同じぐらい大きな巨石がゴロゴロあり、自然の中に神仏の姿を感じ取った古代の人の感覚が味わえます。
磐船神社に漂うのは、生と死がもっと身近にあった時代の残り香です。
その信仰は、洗練されたフランス料理ではなく、素材そのものの味を際立たせる漁師料理の素朴さと純粋さに重なります。
原色の祈りが醸す懐かしさに触れ、心を揺さぶられるに違いありません。
岩窟めぐりは過去に事故も
魅力たっぷりの磐船神社ですが、なかでも最大のポイントといえるのが、境内の岩窟内に広がる地下空間を行く「岩窟めぐり」です。
岩窟めぐりは、神道や修験道、仏教の行場として守られてきた聖域ですので、参拝には一定の危険を伴います。
かつて、重大事故が起きたほどです。
当時の報道によると、亡くなった女性は一人で岩窟めぐりに挑戦し、足を滑らせて転落したとみられます。
事故が発生したのは2014年で、以降、しばらく閉鎖されていました。
一般開放されている点を甘く見ず、くれぐれも慎重に参拝してください。
その分、岩窟めぐりの見返りはとても大きいのではないでしょうか。
岩間から外界に広がる緑を望み、地下空間を流れる小川のせせらぎに耳を傾けるだけでも心が洗われます。
そこは、言わば「緊張と安らぎ」「不安と感動」が交錯する世界。
びっくりするほど細い岩の間を潜り抜け、「生まれ変わり」を疑似体験するポイントなどがあり、とても神秘的な体験ができます。
ひょっとすると、現代人が失った原始的な感覚を呼び覚まし、自然の中に息づく神様の姿を捉えることができるかもしれません。
下段に詳しく紹介していますが、電話予約も可能です。
磐船神社 岩窟めぐりの申し込み方法と注意,予約も
磐船神社の岩窟めぐりは、まるで冒険です。
険しい岩間を上り下りする道中、真っ暗な場所、光が差し込むポイント、緑が視界に飛び込んでくるところなど、ドキドキワクワクの連続です。
ただ、岩窟めぐりは「遊び」ではなく「修行」となります。
しつこいようですが、油断すると本当に危ないので、ある程度の緊張感が欠かせません。
磐船神社で岩窟めぐりを希望する場合は、社務所でその意志を伝えてください。
予約をしておけば神社の方が同伴してくれますので、一人での参拝も可能です。
また、雨天・増水時は中止になりますので、あらかじめ電話で確認しておくことをおすすめします。
電話番号は下段の基礎データの項目に記しています。
ほかにも危険を避けるために、磐船神社の岩窟めぐりでは、いろいろなルールを守らねばなりません。
以下、条件をまとめましたので、参考にしてください。
- 年齢制限(10歳以上、75歳以下)
- 滑りにくい靴を履く(サンダル、ハイヒールなど不可)
- 飲酒後不可
- 一人での拝観不可(予約があれば神社の方の同伴可)
- 雨天、増水時不可
- 荷物の持ち込み不可(社務所に預ける形になります)
※小さなお子さん連れの場合は、社務所で預かって頂けます。
漫画などもありますので、お子さんも退屈しないと思われます。
※現在は安全上の措置として動画・写真撮影も禁じられています。
社務所で参拝を申し出ると、どんな危険があるかが説明されます。
これに承諾して拝観料を納めると、行衣(白いたすき)を貸してもらえ、入口の門を開けてもらえます。
所要時間約20分 拝観時間は変動
磐船神社の岩窟めぐりの開始時刻は午前9時から。
ただし、終了時刻は季節ごとに変動するため注意が必要です。
以下、月別の終了時刻です。
月 | 終了時刻 |
4~10月 | PM4:00 |
11月 | PM3:30 |
12~2月 | PM3:00 |
3月 | PM3:30 |
岩窟巡り体験記 洞窟探検さながら
磐船神社の境内には、巨岩が重なり合う形でできた地下空間があります。
順路に沿って、その岩間を縫いながら進んでいくのが岩窟めぐりです。
ご神体の巨岩に向かって左手に、入口があります(写真上)。
急な階段を伝って中に入ると、参拝が始まります。
この先、厳しい岩を上り下りし、岩と岩の間を縫って、先へと進んでいきます。
順路は白い矢印で記されています。
道中、女性の産道に見立てた「生まれ変わりの穴」があります。
ここが磐船神社の見どころであり、また、難所のひとつです。
細い岩間でできた通路を足から抜けることで、「新しい自分」に再誕するイメージです。
何かのけじめや見切りを付けたい時にいいかもしれません。
とても狭い隙間だけに、本当に通り抜けられるのか少し心配になりますが、意外に大丈夫。
スルスルっと抜け出すような、とても不思議な感覚が味わえます。
また岩窟内には、時間帯や季節によっても異なりますが、天井からとても神々しい光が差し込むポイントもあります。
闇の世界から解放され、ホッとする瞬間が訪れます。
ドキドキが続く岩窟めぐりですが、特に心を揺さぶられるのは、日の当たる外界に接する瞬間といえます。
とくに、緑の広がる光景に、言いようのない感激を覚える人も少なくありません。
写真で見てもピンとこないかもしれませんが、紛れもなく「最強のパワースポット」といえるでしょう。
命の広がり、つながりに、思わず涙がにじみます。
闇の中に龍神様を祭るほこらもあり、神秘と幻想の空間が広がっています。
岩窟めぐりは、体験した一人ひとりにそれぞれのドラマがあります。
洞窟の中を流れるせせらぎの音も耳に心地よく、冒険心をくすぐられます。
先入観を持たずに、「参拝を味わう」ことをおすすめします。
磐船神社 岩窟巡りだけじゃない!見どころたくさん
岩窟めぐりを抜けた先にも、磐船神社の見どころがたくさんあります。
大阪屈指のスピリチュアルスポットだけに、岩窟めぐりを抜きにしても十分に見ごたえ、感じごたえがあります。
神道、仏教、修験道と宗教の枠にとらわれない信仰の聖地であるのもうなづけます。
そんなポイントをまとめました。
天岩戸(あまのいわと)
岩窟を抜け、階段を上ったた先にあるのが「天岩戸」(あまのいわと)。
神道で一番格が高いとされる神様「天照大神」(あまてらすおおみかみ)がこもったと伝わる場所です。
沖縄の聖域、御嶽(うたき)で感じるようなプリミティブな感覚が胸にこみ上げます。
京都にある「天岩戸神社」をはじめ、天岩戸伝説は全国各地に残されていますが、3つの巨岩が重なるのはとても珍しい構図です。
もう一つの御神体!? 天磐船礼拝石碑
「御神体」と刻まれた謎の石碑。
岩窟めぐりを終え、社務所に向かう道中に忽然と姿をあらわします。
これは「天磐船礼拝石碑」で、別の御神体ではありません。
天磐船が間近にあるため、ここからも拝める形になっているものと思われます。
ほかにも磐船神社では、修行者が神仏にアクセスした痕跡や自然崇拝の原風景がたくさん残されています。
管理人は今回、疲れた体でツルツルの岩に抱きつくと、たまらなく癒されることを発見しました。
怒られない程度にどこかで試してみてください。
磐船神社 謎の石碑「オキ大神」とは
磐船神社の天岩戸のすぐそばに、「オキ大神」と刻まれたスピリチュアルな石碑があります。
刻まれた文字も一般的な碑の字体とは異なり、どことなく異質の雰囲気を醸し出しています。
ただ、「オキ大神」と銘打つこの石碑は、いったい何なのでしょう。
いくら調べても、誰に聞いても分かりません。
ところが今回の参拝で、その謎を解く糸口が見つかりました。
順を追って解説いたします!
スピリチュアルな石碑の出どころ
磐船神社の宮司さんの話によると、実はこの碑、ここで修業を重ねた信者の方が昭和40年代に安置したものとみられます。
「磐船神社に石碑を祭りなさい」とオキ大神から仰せつかった修行者が、先代の宮司さんに頼み込み、安置されたのが経緯です。
ただ、「オキ大神」がどんな神様で、出どころはどこなのか――。
神様にまつわる具体的な情報は、手掛かりすらありません。
そこが、長年にわたる謎だったわけです。
磐船神社の宮司さん、「オキ大神」の出どころについて、人づてに調べて下さりました。
この最大の謎を解くカギは「伏見稲荷大社」(京都市伏見区)にあったのです。
もう少し正確に言うと、伏見稲荷大社の鎮座する「稲荷山」です。
「稲荷山」には、塚やほこらが無数にあり、さまざまな土着の神様や仏様がお祭りされています。
宮司さんの調べによると、オキ大神は稲荷山にお祭りされている神様の1柱とみられます。
伏見稲荷大社も記事で詳しくまとめていますので、興味のある方はご一読ください。
いまは、磐船神社で「神様の安置」を受け付けることはありません。
ただ、神仏習合(しんぶつしゅうごう)の足跡を色濃く残す懐の深い神社ならではのエピソードではないでしょうか。
神仏習合とは、平たく言うと、神様と仏様を同一の存在として祭る信仰の形です。
ちなみに、神様というのは得てして、ご自身の言葉を伝える相手によって「名乗る名前が異なる」といいます。
有名な神様や仏様に色々な呼び名があるのはそのためです。
そのため、いきつくところ「オキ大神」が本当はどんな神様なのかまでははっきりしません。
ただ、そんなエピソードがゴロゴロ転がっている磐船神社は、やはり「別格のパワースポット」です。
川の分岐点に鎮座している点でも、最強のパワースポットの構図にも見事に当てはまります。
磐船神社 大岩の四石仏
磐船神社の境内を流れる天の川に面してそびえる巨岩には、4体の仏像が彫られています。
大日如来、観音菩薩、地蔵菩薩、勢至菩薩(せいしぼさつ)です。
これら仏像は「住吉大神」(すみよしのおおかみ)と総称して呼ばれ、「住吉大社」(大阪市住吉区)との深いつながりを示しています。
お祭りしている神様同士が血縁関係にあったことや、どちらも船にゆかりの深い神さまであることなどが理由のようです。
権力にまつわる歴史的な背景もありますが、これこそがまさに「神仏習合」の形です。
どことなくエキゾチックな石仏に、引き込まれそうです。
磐船神社近くの滝 「白竜の滝」は禊場&修行の場だった
磐船神社に向かって左方向に数分歩いていくと、小さな鳥居があり、滝の音が聞こえてきます。
ここが磐船神社の禊場(みそぎば)、「白竜の滝」(磐船の滝)です。
交野市が誇る観光名所とまでは言いませんが、磐船神社を参拝した際には、是非お立ち寄りをおすすめします。
白竜の滝は、禊のためだけではなく、(山伏の姿をした)修験者や仏教徒らが修行のために滝に打たれる場所でもあります。
高さ5mほどの滝で、管理人も打たれてみましたが、細く絞り込まれた水は重く、頭頂部がへこむ恐怖を覚えすぐに中断しました。
鳥居の外まで「バチバチ」と水の爆(は)ぜる音が響くほどの水圧です。
以前にも紹介しましたが、昔、神社には手と口をすすぐ「手水舎」がなく、近くの川で禊を行うのが一般的でした。
いまでは数少なくなってしまった自然の禊場も、邪気やケガレをはらう「強力なパワースポット」といえます。
磐船神社 御朱印
磐船神社の御朱印です。
哮ケ峰(たけるがみね)というのは、御祭神(天孫)が神様が降臨したとされる場所です。
またお札は、岩窟巡りを終えた参拝者に授与される護符です。
いずれも社務所で頂けます。
磐船神社 御由緒~天孫降臨の地~
磐船神社の起源はわかっていません。
伝承では、大昔、饒速日命が天磐船に乗って哮ヶ峯(たけるがみね)と呼ばれたこの地に降臨されたそうです。
饒速日命という神さまは、時の権力者、物部氏の祭る氏神さまだったようです。
修験道や仏教の痕跡も色濃く残る磐船神社は、宗教の枠を超えた聖地であるのは間違いありません。
磐船神社 基本データ
主祭神 | ご利益 |
饒速日命(にぎはやひのみこと) | ・諸願成就 ・交通安全 ・病気平癒 |
■住所:大阪府交野市私市9-19-1
■電話:072(891)2125
■駐車場:無料(5台程度)
■岩窟めぐり:大人500円、小人300円
※毎月第三水曜日、第四水曜日、翌木曜日休業日
※雨天、増水時不可(問い合わせをおすすめします)
■公式HP:http://www.osk.3web.ne.jp/~iw082125/index-j.html
磐船神社 交通アクセス&駐車場情報
磐船神社へのアクセスは、マイカーもしくは私鉄とバスを乗り継いでいくことになります。
車を10分ほど走らせた先に「星田妙見宮」というおすすめのパワースポットがありますので、マイカーでのアクセスがベストです。
電車・バスでの行き方 (京阪バスは土日のみ運行)
■京阪交野線「私市駅」下車
⇒京阪バス「京阪私市」~「磐船神社前」(※土日のみ運行)
※土日のみ運行、乗車時間約10分、運賃230円
■近鉄「生駒駅」下車
⇒奈良交通バス(北田原方面行き)「生駒駅北口」~「北田原」バス停下車、徒歩10分
※乗車時間約23分、運賃420円
車での行き方
国道1号⇒枚方・天野川交差点から約12km
国道163号⇒生駒・北田原大橋交差点から約2km
専用駐車場について
磐船神社には専用の駐車場があります。
場所は磐船神社に向かって右手、歩いて1分ほどの川沿いにあります。
スペースは5台程度。
そのままもう少し先まで歩くと、公衆トイレがあり、30台程度無料で止められるスペースがあります。
※Googleマップを「航空写真をみる」に切り替え拡大すると一目で分かります。
MAP
磐船神社ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、磐船神社について紹介させて頂きました。
まとめは以下の通りです。
- 磐船神社は穴場のパワースポット。素朴で力強い原色の信仰が見どころ
- アクセスに問題。マイカーが便利。ほど近くに星田妙見宮も
- 磐船神社のご神体は巨石。神様の乗り物が石化したとされる
- 岩窟めぐりがイチオシ。生まれ変わり体験も。ただ危険を伴う冒険に。
- 岩窟めぐりは予約と電話確認するのが無難
- 「オキ大神」という謎の石碑の正体が今回明らかに
- 大岩に刻まれた四石仏は住吉大社にゆかり
- 磐船神社の近隣に自然の禊場「白竜の滝」。滝行の場でもある。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
実は「磐船神社」と近隣の「星田妙見宮」「天田神社」を線で結ぶと、聖地をあらわす巨大な二等辺三角形が浮かび上がります。
実際、「星田妙見宮」はとてもロマンチックで穴場色の強いパワースポットですので、あわせてお読み頂ければ楽しめると思います。
⇒星田妙見宮の詳しい情報はこちら
また、磐船神社のほど近くには、七夕伝説にゆかりの深い「機物神社」という不思議な神社があります。
記事にしていますので、ご興味のある方はぜひお読みください。
⇒機物神社の詳しい情報はこちら
もうひとつ、パワスポ編集局では、関西の穴場パワースポットや大阪のパワースポットを厳選して紹介するまとめ記事も掲載しています。
今後とも内容を充実させてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
パワースポットを紹介するサイトは数多くありますが、こちらは情報の量・質ともに頭一つ抜けていますね。
読みやすく分かりやすい文章で、誤字脱字などが一切見当たらないのも素晴らしいです。
また、穴場として紹介されているパワースポットの顔ぶれを見ても、見る目の確かさを感じます。
今後もいろいろと参考にさせて頂きます。
コメントありがとうございます。
また、コメント掲載に不手際があり、お返事が遅くなって誠に申し訳ありませんでした。
身に余るお言葉を頂き、心底感激しております。
本当に励みになります。
今後ともよろしくお願いいたします。