八坂神社(京都市東山区)は、京都の町を厄災から守るための重要な拠点で、本殿直下に「龍の棲む池がある」との伝説を残すパワースポットです。
京都・祇園のランドマークとして「観光地色」が強まっていますが、実は八坂神社、超一級の「聖地」といえます。
また大地の気を宿す霊水や、縁結び・縁切りのジンクスで知られるパワースポットもあり、見どころ満載です。
今回も現地まで足を運んでいろいろ聞いてきましたので、見どころや歴史、ご利益、御朱印、アクセス情報などをまとめて紹介します。
また、龍伝説の秘密を解き明かすなかで、面白い事実が浮かび上がってきましたので、後段で徹底解説いたします。
Contents
八坂神社 神様と歴史
八坂神社は全国に約2300社あり、ここはその総本社に当たります。
1400年ほど前、朝鮮半島にあった「高麗」という国から来た伊利氏(いりし)という人が創建したと伝わりますが、実ははっきりしていません。
「八坂神社はもともとは円如という奈良の偉いお坊さんが造った寺だった」などの説もあります。
八坂神社の本殿にお祭りしているのは、ヤマタノオロチを退治した素戔嗚尊(すさのおのみこと)や、奥さんの櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)ら13柱の神様。
ご利益は、厄除け、疫病退散、病気平癒、縁結び、夫婦和合、金運上昇などになります。
ちなみに八坂神社といえば「祇園祭」で有名ですが、天変地異の続いた貞観の時代に厄災を鎮めるために始まったものです。
八坂神社 見どころ
八坂神社は比較的コンパクトなつくりですが、「大地の気の力」が詰まった霊水や女性の美を高める「美容水」が湧出ており、見どころたくさん。
ここでは、そんな見逃せないポイントをご紹介します。
本殿
八坂神社の本殿は、主に「素戔嗚尊ファミリー」がお祭りされています。
素戔嗚尊ご夫妻と、8柱の子供たち「八柱御子神」(やはしらのみこがみ)ら計13柱の神様です。
建物は、独立した本殿と拝殿を大きな屋根で覆った構造になっていて、火を用いる神事のときには茅葺(かやぶき)の屋根が水で浸されます。
圧倒されるような存在感があり、その大きさも日本屈指といわれます。
ご利益は、厄除け、疫病退散、病気平癒、縁結び、夫婦和合、金運上昇など。
どのご利益が一番大きいかは一概に言えませんが、「災いを退ける力が強い」とされます。
また、本殿の下には「龍の棲む池がある」との伝承が伝わりますが、このあたりの話題については、後段で詳しく解説しています。
霊水「力水」
大地の気を宿す八坂神社の霊水「力水」。
「祇園の御神水」とも呼ばれるこの水は、八坂神社の心臓部「龍穴」から生じたものといわれます。
この水がパワースポット「八坂神社」のひとつの肝といっても過言ではありません。
ただし、こちらは飲用ではありません。
飲用はペットボトルに詰められ自動販売機で売られています。
美御前社
美御前社(うつくしごぜんしゃ)は、その名の通り、美を象徴する神様「宗像三女神」がお祭りされていて、女性に人気のスポットです。
宗像三女神は、市杵島比売(いちきしまひめ)、多岐理毘売命(たぎりひめ)、多岐津比売命(たぎつひめ)の3柱を指します。
このうち、市杵島比売(いちきしまひめ)は水をつかさどる神様で、仏教では「弁財天」(べんざいてん)と呼ばれています。
美しさを求める祇園の芸子さんや舞妓さんのほか、美容・理容・化粧品業界関係者からの崇敬を集めています。
注目の美容水
美御前社でとくに注目されるのが「美容水」と呼ばれる霊水。
肌に数滴つけるだけで、「美のご利益」が得られるのだとか。
この日も、多くの女性参拝者が顔や腕に霊水をすり込む姿がみられました。
もちろん男性もOKです。
悪王子社
悪王子社(あくおうじしゃ)は、八坂神社の主祭神「素戔嗚尊」の荒魂(あらみたま)を祭る末社です。
悪王子の荒魂と聞くと、なんだか少し怖い気もしますね…。
ただ、八坂神社の説明によると、「悪」は「邪悪」ではなく「強力」を意味し、荒魂は「現実に姿をあらわす霊験あらたかな神」と解釈しているそうです。
つまり、現世ご利益が期待できる「強力な霊験を持つ神様」というわけです。
神社公認のパワースポットといったところです。
八坂神社 縁切り・縁結びに力
八坂神社は、本殿以外にも、縁結びのご利益で知られる末社があります。
逆に、縁切りのジンクスが噂されるパワースポットもあります。
ここでは、「縁結びの大国主社」と「縁切りの刃物神社」をご紹介します。
大国主社
八坂神社の本殿とセットでお参りすると、ご利益が高まるのが「大国主社」。
大国主命(おおくにぬしのみこと)をはじめとする3柱の神様を祭る末社です。
大国主命は、日本三大縁結び「出雲大社」の主祭神で、日本神話「因幡の白兎」(いなばのしろうさぎ)に登場する神様としても知られます。
これにちなんで、大国主社では「願掛けうさぎ」が用意されています。
願掛けの手順は次の通り。
- まずうさぎに名前を付けてあげ、ペンで書き込む
- 専用のメモ用紙に願いごとを書き、うさぎのなかに収めてシールで封を。
- 最後に大国主社のお社に奉納する
初穂料は500円。
管理人は、持って帰りたくなるのをグッと堪えました。
刃物神社
古くは王城の地として栄えた京都。
刀や剣をはじめ、刃物の基礎はここで培われました。
そんな思いを込めて昭和の時代に創建されたのが、八坂神社の末社「刃物神社」です。
運命を切り開くパワーとともに、悪縁を断ち切る「縁切りのジンクス」が注目を集めています。
悪縁を断ち、良縁を結ぶ――。
そんな願いを込めた参拝者の姿も目立ちます。
ちなみに、縁切神社の本場といえるのが「安井金比羅宮」。
また神戸最強のパワースポットのひとつ「生田神社」の包丁塚とその効果が重なります。
八坂神社 御朱印
八坂神社の御朱印は、手書きが500円、用紙渡しが300円です。
祇園社というのは、八坂神社に名称変更する前の呼び名です。
また、摂社・末社の御朱印は用紙渡しのみで、初穂料は300円。
受付時間はそれぞれAM9:00~PM4:00となります。
八坂神社 お守り
八坂神社でおすすめのお守りは、青龍石です。
大地の気とともに湧き出る霊水で清め、神前にお供えしたもので、龍の力が宿るとされます。
神棚か、家の中心より東の位置にお祭りすると「福を招く」とされます。
初穂料は1000円。
八坂神社 本殿真下に「龍穴」
八坂神社には本殿の真下に大きな池があり、「龍が棲まう」との伝説が残されています。
ある見方をすれば、これは事実です。
八坂神社の直下には、伝承通り「龍穴」があるとみられるからです。
龍伝説も、そこからきたものとみて間違いありません。
龍穴というのは、大地の「気」が噴出するポイントとされ、「湧水のある地点」に多くみられます。
「美容水」や「力水」が不思議な力を宿すのもそのためです。
また、風水の世界では昔から「京都の地底には龍脈(気の通り道)が張り巡らされている」との伝承がありました。
この地底の龍脈は、「京都の地下水脈のルート」と完全に合致します。
これは近年の地質調査で明らかになったことで、科学的な裏付けがとれる事実です。
そして八坂神社の地下水脈は、「日本三大龍穴」のある貴船神社を起点に、上賀茂神社、下鴨神社などとつながっています。
つまり、京都の強力なパワースポットと呼ばれる場所は、「(霊)水のネットワーク」で結ばれていて、これが「本物のパワースポット」を見分ける一つの目安にもなるわけです。
八坂神社 パワースポットの理由
八坂神社が「龍」にちなんだパワースポットである理由は、聖地同士を結ぶ水のネットワークや「龍穴」のほかにも、「鎮座する位置」にそのヒントがあります。
古都・京都は1200年ほど前、もともと中国の風水や陰陽道(おんみょうどう)に精通した天皇「桓武天皇」が創建した都市でした。
風水都市として知られる「平安京」です。
平安京は、四方を神が守る「四神相応の地」に適した盆地になっていて、東西南北を「霊獣」が守護する構図になっています。
きっとどこかで聞いたことがあるかと思いますが、「玄武」(北)、「青龍」(東)、「朱雀」(南)、「白虎」(西)という霊獣です。
そして、東を守る霊獣こそが、八坂神社の「青龍」にほかなりません。
ちなみに北は、上賀茂神社、南は城南宮、西は松尾大社が守護しています。
これらの神社は、中央に位置する平安神宮を合わせて「京都五社」と呼ばれています。
京都五社めぐりの詳しい情報は、個別記事にまとめていますので、興味のある方は参考にしてください。
パワースポットの条件が整う八坂神社
優れたパワースポットにはいくつかの共通点があります。
- 信仰が生まれる地
- 信仰にちなんだ地
- 人を寄せ付けない秘境
- 中州
- 巨岩
- 水源
- レイライン
このほか、とても重要な共通点としての一つに「断層」があります。
八坂神社の直下には、地下水脈や龍穴のほかに「桃山断層」が走っています。
四条通に面した西楼門は、八坂神社のシンボリックな存在ですが、実はこの石段こそが断層の崖に当たる場所です。
八坂神社 別の場所に「元宮」も
その昔、八坂神社は「祇園社」「八坂郷感神院」などの名前で呼ばれていて、お寺と見なされた時代もありました。
いま、八坂神社の主祭神として祭られる素戔嗚尊も、朱智神社から分霊されたと伝わります。
朱智神社は、まるで「ジブリ映画の世界」を再現したような、風光明媚な山村のなかにある神社で、神秘的なたたずまいがとても魅力的です。
神社としては珍しく、牛頭天王(ごずてんのう)という「神様の像」も。
独特の祝詞まで存在します。
この牛頭天王こそが、素戔嗚尊(すさのおのみこと)や陰陽道の「天道神」と同一視される神様でもあり、古くから信仰を集めてきた存在です。
昔は、朱智神社の氏子が奉じた榊を八坂神社まで届ける「榊遷」という行事もありました。
朱智神社の基本情報
- 住所:京都府京田辺市天王高ケ峰25
- アクセス:近鉄「新田辺」駅から京阪バス「天王」下車徒歩15分
- 参拝時間:境内自由
八坂神社 妻の不思議な体験より
最後に不思議な話について。
ありがちな話題なので、書くべきかどうか迷いましたが、せっかくなのでご紹介します。
管理人の妻が学生時代、「ハワイ」を旅行した際に起きた不思議な話です。
旅の終盤で、彼女はどうしても「京都の神社」に行きたくなりました。
本人もその理由は分かりません。
行きたいというより「行かなくてはならない」という衝動だったそうです。
帰国後、空港に着いたその足で向かった先が「八坂神社」でした。
旅の疲れも忘れて、とにかく大急ぎで参拝したそうです。
すると「つきものが落ちたように、スッキリした」といいます。
きっと妻は、神様に呼んで頂いたのだと思います。
その後分かったことですが、八坂神社の御祭神は妻の守り本尊に当たるのだとか。
神仏のご加護というのは、実感のないところで、たくさん頂いているのかもしれません。
八坂神社 基本情報
御祭神 | ご利益 |
素戔嗚尊 櫛稲田姫命 八柱御子神 神大市比売命 佐美良比売命 稲田宮主須賀之八耳神 | ・厄除け ・疫病退散 ・病気平癒 ・縁結び ・夫婦和合 ・金運上昇 |
- 住所:京都市東山区祇園町北側625
- 電話:075(561)6155
- 参拝時間:境内自由
八坂神社 駐車場&アクセス
八坂神社は、境内に専用の駐車場がありますが、有料です。
ただし、祈祷者に限り1時間無料の特典があります。
また、八坂神社のすぐそばに京都市営の駐車場「京都市営円山駐車場」があり、トータル的にみてこちらがおすすめです。
駐車場
八坂神社専用駐車場 | 市営円山駐車場 | |
駐車料金 | 1時間600円 | 30分250円 |
営業時間 | AM9:00~5:00PM | 24時間 |
駐車台数 | 普通車40台 | 普通車134台 |
電車での行き方
- 京阪「祇園四条駅」下車、徒歩約5分
- 阪急「河原町駅」下車、徒歩約8分
- JR「京都駅」下車、市バス206番祇園下車すぐ(タクシー約15分)
車での行き方
東京方面~
- 名神高速「京都東IC」下車、約15分
大阪方面~
- 阪神高速「鴨川西IC」下車、約15分
MAP
八坂神社 まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、八坂神社を紹介しました。
まとめは以下の通りです。
- 八坂神社は京都の町を守護するパワースポット
- 素戔嗚尊ファミリーが祭られている
- 龍が棲むとの伝承には根拠がある
- 龍穴や断層など聖地に見られる共通点がいくつもある
- 縁結び・縁切りのスポットがある
- 力水は大地の気が詰まった霊水
- 美容水は芸子、舞妓さんらの信仰を集める
- 奥さんが学生時代不思議な経験をした
最後までお読みいただきありがとうございます。
内容を充実させてまいりますので、引き続きご愛読頂きますよう、よろしくお願いいたします。