飛瀧神社(ひろうじんじゃ、和歌山・勝浦町)は、世界遺産「那智の滝」で知られるパワースポットです。
近隣の熊野那智大社が「親会社」だとすれば、飛瀧神社は「子会社」に当たる関係で、「別宮」と表現されます。
那智の滝は、さまざまな宗教が神聖視してきた歴史があり、修験道では滝修行の場として「最高の霊場」に位置づけられました。
滝つぼの水には延命長寿の霊験が宿るとされ、現地で飲むことができます。
また地元の人いわく、滝の中に観音様の姿が浮かぶこともあり、「運気の高まる人」のカメラに写ることもあるのだとか。
今回は和歌山の聖地・飛瀧神社を訪ねましたので、ご利益やお滝拝所、御朱印、アクセス・駐車場などの情報をまとめて紹介します。
Contents
飛瀧神社 神様とご利益
飛瀧神社は、那智の滝自体を神様の宿る御神体としてあがめ、延命長寿の信仰が寄せられる神社です。
飛瀧神社の創建年代ははっきりしていません。
2600年近く前、初代天皇「神武天皇」(じんむてんのう)が奈良の制圧に向かう道中に、那智山の放つ光に誘われ、那智の滝を見つけたのが起源とされます。
那智の滝に宿る神様の名前は、大己貴命(おおなむちのみこと)。
天の神が降臨する以前から、この地を治めてきた神とされます。
大己貴命は別名がたくさんあり、子供も大勢いることから、「強力なご神徳(しんとく)」を持つことで知られています。
飛瀧神社では病気平癒や縁結び、商売繁盛などのご利益をうたっています。
一方、飛瀧神社には本殿がありません。
これは、自然の中に神の存在をみつけた「自然崇拝」の名残です。
ただ、有料エリアの中に「祈願所」や「お滝拝所」がありますので、そちらからお祈りできます。
延命長寿の水と伝わる「滝つぼの水」が飲めるのも、滝を間近に感じられるのも有料エリア内ですので、入るのをおすすめします。
飛瀧神社 那智の滝は48もある?
那智の滝は、高さ133mの日本一の滝で、「三大瀑布」「三大神滝」などの一つに数えられます。
崖上から滝が噴き出す銚子口の幅は13m、滝つぼは10m以上の深さがあり、1秒間に1tの水が落下しています。
ある程度の距離まで近づくと、心地良い霧状のしぶきが頬をなでます。
那智の滝の水源は、那智山のずっと向こうにある大雲取山(おおくもとりやま)。
この水源から那智の滝に至るまでに、48の滝があるといわれます。
花山法皇が修行した「二の滝」や、馬頭観音の滝とよばれる「三の滝」があり、その総称が「那智の滝」となります。
なかでも一番高いのが「一の滝」といわれる那智の滝で、下流には滝修行で知られる文覚滝(もんがくのたき)が控えます。
那智の滝は、銚子口の切れ目に沿って3筋に流れ落ちる姿から、「三筋の滝」とも呼ばれます。
毎年7月9日と12月27日には、古来からの神事にのっとり、「御滝注連縄(しめなわ)張り替え行事」が行われます。
また、大みそかにはライトアップされ、新年の門出を彩ります。
「極秘の修行場」のうわさも
48の滝とは別に、極秘の修行場があるとの噂も耳にしました。
あくまでも噂の域を出ないレベルですが、それなりに信用できる筋からの情報です。
ただ、48の滝にまつわる情報はもともと極秘事項で、場所も修行の方法も、すべて神職の親から子へと口伝で伝えられてきました。
48滝をめぐっては、文献もほとんど残っていないのだとか。
那智の滝を擁する那智山の原生林は、それだけ神聖なパワースポットといえ、いまも神秘のベールに包まれています。
那智の滝 延命長寿 効果の理由は?
那智の滝に不老長寿の霊験があるとされるのは、花山法皇(かざんほうおう)の伝説に由来します。
花山法皇がここで千日に及ぶ修行に挑んだ折、滝の神から不老不死の仙薬「九穴の貝」(くけつのかい)を授かり、滝つぼに沈めたというものです。
九穴の貝の正体は、穴が9つ開いた「超巨大アワビ」とされ、さまざまな説話に登場します。
ちなみに法皇というのは、仏門に入った元天皇の敬称です。
花山法皇は稀代の陰陽師「安倍晴明」(あべのせいめい)とも深い縁を持っており、前世は互いに行者だったと伝わります。
また、花山法皇の千日修行を邪魔する天狗たちを、安倍晴明が岩に封じ込めてしまう伝説も残っています。
京都には、安倍晴明を祭る「晴明神社」(せいめいじんじゃ)がありますので、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。
飛瀧神社 見どころパワースポット
飛瀧神社は、宗教の枠を超えて神聖視される那智の滝を擁する神社とあって、見どころいっぱいです。
有料エリアに入らずとも十分滝から運ばれるパワーをチャージできますが、やはり参入するのがおすすめ。
飛瀧神社の見どころをまとめました。
お滝拝所舞台 料金は大人300円
飛瀧神社の有料エリアとなるお滝拝所舞台。
飛瀧神社を参拝するのであれば、御瀧を間近に見ない手はありません。
飛瀧神社の社務所で受付をすれば、なかに入ることができます。
料金(参入料)は大人300円、小中学生200円、未就学児無料。
滝の迫力はもちろん、ミスト状のしぶきも最高でした。
また地元の人の話では、「観音様」が滝の中に浮かんだり、虹がかかったりすることもあるそうです。
皆さんも、ぜひ運試しの撮影に挑戦してください。
このほか有料エリアでは、延命長寿と伝わる滝つぼの水を飲むこともできます。
滝の水を飲むための盃が一枚100円で販売されています。
飛瀧神社 祈願所
有料エリアの一角、お滝拝所舞台から戻る途中に、祈願所があります。
不動明王や役行者(えんのぎょうじゃ)の像が安置され、「神道」「仏教」「修験道」が同居するスピリチュアルな空間を演出しています。
いわゆる「神仏習合」(しんぶつしゅうごう)の形です。
素通りする人が多いように見受けられましたが、祈願所の窓越しに見る那智の滝もまた、テイストが異なり、とても魅力的です。
何より、飛瀧神社の祭る那智の滝が、宗教の枠を超えていかに神聖視されてきたかが良くわかります。
祈願所の立て看板にはこれまで那智の滝で修業した人の名前が紹介されています。
花山法皇、弘法大師(真言宗の開祖)、最澄(天台宗の開祖)、一偏上人(時宗開祖)、文覚上人(真言宗の高僧)。
凄いメンバーです…。
いまは神様としてあがめられる存在になっていますが、修験道の開祖・役行者も那智の滝で修業を重ねた一人でした。
光ヶ峯遥拝石
熊野の神様が降臨したと伝わる霊山「光ヶ峯」。
そこに通じる「遥拝所」としての重要な地点に、光ヶ峯遥拝石があります。
この霊石をなでると、熊野の神様の力が得られると伝えられています。
光ヶ峯遥拝石は無料エリアにあります。
飛瀧神社 御朱印
飛瀧神社の御朱印です。
神社名でなく御神体の「那智御瀧」と書かれています。
飛瀧神社の授与所で頂けます。
飛瀧神社 ご利益&基本情報
御祭神 | ご利益 |
大己貴命 | 病気平癒 縁結び 商売繁盛 延命長寿 |
- 名称:那智御瀧 飛瀧神社
- 住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
- 電話:0735(55)0321※熊野那智大社
- 参拝時間:AM9:00~PM5:00
飛瀧神社 駐車場&アクセス
飛瀧神社と那智大社、セットでの情報提供です。
熊野那智大社側の駐車料金は1回800円ですが、那智の滝(飛瀧神社)側の有料パーキングは1回400~500円で止められます。
駐車料金を惜しまない方は、それぞれ車でアクセスするのが一番楽で、時間もかかりません。
また無料の駐車場「大門坂駐車場」もありますが、那智の滝まで40分近く歩かねばなりません。
近場で無料の駐車場に止める「裏技」もありますが、管理人のおすすめは「那智の滝側」のパーキングに止めて、気持ちよく巡礼する方法です。
■「那智の滝」(飛瀧神社)近隣パーキング
※那智の滝第一、第二駐車場は500円。「那智の滝」の最寄りです。
※少し歩くと「貝岐商店駐車場」(写真上)などがあり、400円で最安(下記MAP参照)。
※いずれもPM4:30まで。
■熊野那智大社(青岸渡寺)駐車場:30台
※神社のすぐそば。「467段の階段」を上らずに済みます。ただ800円と最も高く、時間もPM3:30まで。
■大門坂駐車場:無料(100台)
※無料ですが、那智の滝(飛瀧神社)入口まで歩いて37分かかります(下段マップ参照)
■和か屋本店 駐車場:無料
※お土産屋さんの駐車場ですので、お参りでの利用のは「邪道」かもしれません…。
※ただ、参詣用の杖も貸し出されています。
※何より「お土産購入のついで」という方向けに紹介しておきます(マップ下参照)。
※「おもち無料クーポン」と合わせてぜひご活用ください⇒クーポンはこちら
バスでのアクセス(JR紀伊勝浦~)
<熊野交通>
31:那智山線、「那智山バス停」下車(乗車時間約30分)
※タクシーだと約20分程度です
車でのアクセス
■大阪方面~
⇒紀勢自動車道「すさみ南IC」下車、約1時間30分
■名古屋方面~
⇒紀勢自動車道「尾鷲北IC」下車、約1時間30分
MAP
飛瀧神社ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、世界遺産「那智の滝」のある飛瀧神社をご紹介しました。
まとめとしては以下の通りです。
- 飛瀧神社は那智の滝が御神体で本殿もない
- 宗教の垣根を越えた古代からのパワースポット
- 滝つぼの水には延命長寿の効果がある
- かつて法皇(天皇)をはじめ多彩な宗派の開祖が修行した
- 那智の滝は48滝からなる
- 極秘の修行場・修行方法があるとの噂も
- 有料エリアへの参入がおすすめ
飛瀧神社は、熊野那智大社と合わせて参拝することをおすすめします。
熊野那智大社の詳細は、別でまとめていますので、どうか参考にしてください。
また、熊野三山や和歌山最強のパワースポットにまつわる情報も掲載しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。