熊野那智大社(和歌山・勝浦町)は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉神社、熊野那智大社)のひとつに数えられる神社で、和歌山を代表するパワースポットです。
熊野那智大社は、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)という女性の神様をお祭りしており、那智大社にゆかりの深い「那智の滝」が近くにあります。
那智の滝は日本一の高低差を誇り、運が良ければ滝の中に「菩薩」や「龍神」の姿が浮かび上がります。
また「如意輪観世音菩薩」(にょいりんかんぜおんぼさつ)を安置する「青岸渡寺」(せいがんとじ)というお寺もあり、スピリチュアルな霊場が集積する場所となっています。
熊野那智大社は抱っこするなどの条件付きで、ペットを連れていくことができます。
今回は、熊野那智大社に行ってまいりましたので、見どころやご利益、参拝にかかる所要時間、アクセスや駐車場の詳しい情報もまとめて紹介します。
なお、那智の滝を祭る神社は飛瀧神社(ひろうじんじゃ)と呼ばれるところで、個別に記事しています。
Contents
熊野那智大社はスピリチュアルな霊場
熊野那智大社は、和歌山屈指のパワースポットで、観光地としてもメジャーなところです。
もともとこの地は、「那智の滝」への自然信仰をルーツとする聖域で、古くは修験道の霊場でした。
熊野那智大社は、「神様」と「仏様」を同一視してお祭りする熊野信仰の特徴が色濃くあらわれた場所でもあります。
「那智の滝」一帯は、それだけ古くから神聖視されてきた聖地といえ、長い歴史の中で、様々な伝承も残しています。
那智の滝に不老長寿の霊験があるとされるのは、花山天皇(かざんてんのう)の伝説に由来します。
花山天皇がこの地で千日に及ぶ修行に挑んだ折、滝の神から不老不死の仙薬「九穴の貝」を授かり、滝つぼに沈めたというものです。
また、青岸渡寺の如意輪観世音菩薩は、那智の滝の滝壺で見つかったものといわれます。
さまざまな伝承を残すいにしえからのパワースポットだけに、ご利益の大きさはもちろん、自然のエネルギーを感じられると思います。
那智大社参拝の所要時間は?
熊野那智大社は、熊野三山の中でも最大規模の神社です。
熊野那智大社の参拝に当たっては、近隣にある那智の滝(飛瀧神社)も見逃せません。
すべてを巡る場合、参拝には最低でも1時間は必要です。
山頂にある熊野那智大社本殿の近くにも、中腹の那智の滝のそばにも、駐車場はあります。
ただ、帰りが「上り」になるのはつらいところ。
そう感じる方は、那智の滝を拝観した後、歩いて熊野那智大社の本殿を参拝し、駐車場に戻るコースがおすすめです。
また、熊野那智大社はペット同伴での参拝も可能です。
ただ、ペットを連れて境内に入る場合は、「抱きかかえる」というのがルールとなります。
熊野那智大社 御祭神とご利益は?
熊野那智大社では、主祭神「熊野夫須美大神」(伊邪那美命=いざなみのみこと)をはじめとする「熊野十二所権現」に加え、滝の神様「飛瀧権現」(ひろうごんげん)をお祭りしています。
熊野那智大社では、諸願成就、交通安全、農林水産などのご利益があるとされます。
また、主祭神の名に冠せられた夫須美は、生成発展とともに「結ぶ」という意味があり、縁結びのご利益も授かれるとされます。
上の写真が拝殿となります。
社殿はこの拝殿の奥に6棟並んでいます。
向かって右から「滝宮」(第一殿)、「証誠殿」(第二殿)、「中御前」(第三殿)、「西御前」(第四殿)、「若宮」(第五殿)、「八社殿」(第六殿)の順です。(2018年4月末現在工事中)
御祭神の熊野夫須美大神はひときわ大きな「西御前」に、滝の神様「飛瀧権現」(大己貴命=おおくにぬしのみこと)は「滝宮」にお祭りされています。
ちなみに、熊野本宮大社を振り出しに熊野詣に臨まれる方は、熊野那智大社がゴールになるのではないでしょうか。
「スタートとゴールは熊野本宮大社がいい」、あるいは「速玉大社に最初に行くとご利益が高まる」など色んな説がありますが、熊野三山めぐりの順番は特に気にする必要もなさそうです。
那智山青岸渡寺
神社の中にあるお寺「那智山青岸渡寺」(なちさんせいがんとじ)。
青岸渡寺は、仁徳天皇の治世(313~399年)に創建された南紀最古の建築物です。
如意輪観世音像(にょいりんかんぜおんぼさつ)を安置する青岸渡寺の本堂は、7世紀頃に建立されました。
このご本尊の仏像、インドから那智に渡来した裸形上人(らぎょうしょうにん)が、那智の滝の滝壺で見つけたものといわれます。
スピリチュアルなエピソードですね。
ただ、現在の本堂は1590年に豊臣秀吉によって再建されたものです。
かつての本堂は、織田信長によって焼き討ちされてしまいました。
屋根に豊臣家の家紋が残っているのもそのためです。
一方青岸渡寺は、西国三十三カ所めぐりの「第一番札所」としても有名です。
西国三十三所めぐりは、近畿2府4県と岐阜県にある33か所の観音信仰の霊場を巡礼するもので、那智山青岸渡寺はその振り出しに当たるところ。
また本堂の後方には、朱色の三重の塔がそびえ立ち、那智の滝とともに、聖域然とした素晴らしい景観を演出しています。
三重の塔は、那智大社から徒歩3分の地点にあります。
拝観料は300円。
樟霊社(しょうれいしゃ)で胎内くぐり
熊野那智大社の境内の中でも、ひときわ目立つ御神木の「楠(クスノキ)」。
その精霊を祭るのが、樟精社(しょうれいしゃ)となります。
御神木の樹齢は800年、高さは72m、幹回りは8.5mに及びます。
そしてこのご神木、実は幹の中が空洞になっていて、「胎内くぐり」ができるようになっています。
ご利益は、無病息災と長寿。
初穂料は300円。
護摩木に願い事と名前を書いて中に入り、出口の護摩舎に収めます。
興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
熊野那智大社 御朱印
熊野那智大社の御朱印です。
初穂料は300円。
この御朱印は、拝殿のすぐそばにある熊野那智大社の授与所で頂けます。
熊野那智大社 お守り&鳥みくじ
熊野那智大社の腕輪守です。
天然記念物の那智原生林、樹齢300年以上の杉の倒木でつくられたお守り。
初穂料(値段)は3000円。
こちらは八咫烏をかたどった「鳥みくじ」。
初穂料(値段)は500円。
置物としての魅力が勝るほど、可愛いと人気のおみくじです。
青岸渡寺 御朱印
那智青岸渡寺の御朱印です。
本堂で頂けます。
御朱印料(値段)は300円です。
熊野那智大社 ご利益&基本情報
社殿 | 御祭神 | ご利益 |
第一殿 滝宮 | 大己貴命(おおなむちのみこと) | ・諸願成就 ・縁結び ・無病息災 ・延命長寿 ・農林水産 ・交通安全 ・その他 |
第二殿 証誠殿 | 家都御子大神(けつみこのかみ) | |
第三殿 中御前 | 速玉大神(はやたまのおおかみ) | |
第四殿 西御前 | 熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ) | |
第五殿 若宮 | 天照大神(あまてらすおおかみ) | |
第六殿 八社殿 | 天神地祗(てんじんちぎ) |
- 住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
- 電話番号:0735(55)0321
- 参拝時間:AM6:00~PM4:30
熊野那智大社 駐車場&アクセス情報
駐車料金を惜しまない方は、それぞれ車でアクセスするのが一番楽で、時間もかかりません。
熊野那智大社側の駐車料金は1回800円ですが、那智の滝(飛瀧神社)側の有料パーキングは1回400~500円で止められます。
また無料の駐車場「大門坂駐車場」もありますが、那智の滝の参道入り口まで40分近く歩かねばなりません。
近場で無料の駐車場に止める「裏技」もありますが、管理人のおすすめは「那智の滝側」のパーキングに止めて、気持ちよく巡礼する方法です。
■熊野那智大社(青岸渡寺)駐車場:30台
※神社のすぐそば。「467段の階段」を上らずに済みます。ただ800円と最も高く、時間もPM3:30まで。
■「那智の滝」(飛瀧神社)近隣パーキング
※那智の滝第一、第二駐車場は500円。「那智の滝」の最寄りです。
※少し歩くと「貝岐商店駐車場」(写真上)などがあり、400円で最安(下記MAP参照)。
※いずれもPM4:30まで。
■大門坂駐車場:無料(100台)
※無料ですが、那智の滝(飛瀧神社)入口まで歩いて37分かかります(下段マップ参照)
■和か屋本店 駐車場:無料
※お土産屋さんの駐車場ですので、お参りでの利用のは「邪道」かもしれません…。
※ただ、参詣用の杖も貸し出されています。
※何より「お土産購入のついで」という方向けに紹介しておきます(マップ下参照)。
※「おもち無料クーポン」と合わせてぜひご活用ください⇒クーポンはこちら
バスでのアクセス(JR紀伊勝浦駅~)
<熊野交通>
31:那智山線、「那智山バス停」下車(乗車時間約30分)
※タクシーだと約20分程度です
車でのアクセス
■大阪方面~
⇒紀勢自動車道「すさみ南IC」下車、約1時間30分
■名古屋方面~
⇒紀勢自動車道「尾鷲北IC」下車、約1時間30分
MAP
熊野那智大社ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、熊野那智大社を紹介しました。
まとめとしては以下の通りです。
- 熊野那智大社はいにしえの時代からの霊場にある
- 熊野那智大社の近くにある那智の滝も必見
- 那智の滝をめぐる伝説にはスピリチュアルな逸話が多い
- 運が良ければ滝の中に龍神や菩薩の姿を捉えることができる
- 熊野那智大社への参拝は那智の滝側の駐車場を使うと便利
- ご利益は諸願成就、無病息災、縁結びなどさまざま
- 鳥みくじが可愛くて人気
- 青岸渡寺は、西国三十三カ所めぐりの第一番札所
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
熊野詣は熊野三山への参拝が基本になります。
熊野本宮大社、熊野速玉大社についても記事にまとめておりますので、よろしければご一読ください。
またパワスポ編集局では、和歌山最強のパワースポットまとめの記事も掲載しています。
内容を充実させてまいりますので、引き続きご愛読いただきますよう、よろしくお願いいたします。