「熊野速玉大社」(和歌山県新宮市)は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の一社で、和歌山屈指のパワースポットです。
熊野速玉大社は洗練されたスマートな明るさが印象的で、今回巡拝した熊野三山のなかでも、一番親しみやすさを感じる神社でした。
特に天気のいい日は、朱塗りの本殿とその背後にある緑のコントラストがまぶしく、突き抜けるような開放感に心が洗われます。
また境内には、夫婦円満や縁結びのパワースポットとしても定評のある「梛(なぎ)の御神木」が枝を広げています。
熊野速玉大社には専用の無料駐車場もあり、アクセスも悪くありません。
「富貴隆昌」のご利益がある熊野速玉大社について、御朱印、お守り、参拝時間、アクセス・駐車場情報などをまとめて紹介します。
Contents
熊野速玉大社の魅力
熊野速玉大社は、熊野本宮大社が山奥にあるのに対し、海のすぐそば。
熊野川の河口近くに鎮座します。
熊野速玉大社の境内は、洗練された雰囲気ながらも温かい空気に包まれ、えびす神社にみられる「明るさ」もあるパワースポットです。
熊野速玉大社はアクセスもよく、比較的コンパクトな神社とあって、20分もあれば十分参拝できます。
日本第一大霊験所だけに、ご利益の効果も強烈。
レトロな風情の漂う地元商店街や素朴なお土産屋さんも、管理人の肌に合いました。
熊野速玉大社 本殿
熊野速玉大社の境内には、5棟の社殿が並んでいます。
向かって一番左、のぼりの立つ拝殿の奥に、主祭神をまつる「結宮(むすびのみや)」と「速玉宮(はやたまぐう)」があります。
結宮には女神「熊野夫須美大神」(くまのふすみのおおかみ)、速玉宮には男神「熊野速玉大神」(くまのはやたまのおおかみ)という神様がお祭りされていて、この2柱は夫婦の関係にあります。
「夫婦そろって」主祭神としてお祭りされているわけです。
いわゆる主祭神は「熊野速玉大神」で、その名の通り、「ほとばしる水の動き」をあらわす神様なのだとか。
さらに「奥御前三神殿」、「上三殿」、「八社殿」と続き、12柱の神様からなる熊野権現(くまのごんげん)が勢ぞろいする格好となります。
ご利益は富貴隆昌 地位と財産UP
熊野速玉神社では、富貴隆昌(ふうきりゅうしょう)、現世安穏、災厄消除、良縁結び、海上安全、病気平癒など、諸願成就のご利益が頂けます。
富貴隆昌の意味は、地位が高まり財産が増えるご利益を指します。
また、良縁につなぐための縁切りのご利益でも有名です。
ただし、神社の公式見解としては「俗説」ということでした。
このほか末社として新宮神社、恵比寿神社、熊野稲荷神社、手力男(あめのたぢからお)神社、八咫烏(やたがらす)神社があります。
神倉神社はスピリチュアルな末社
ほかにも、速玉大社の末社には「神倉神社」(かみくらじんじゃ)という重要な神社があります。
神倉神社は、もともと熊野速玉大社のあった場所に鎮座する神社で、熊野三山の神「三所権現」が降臨したスピリチュアルな地でもあります。
熊野速玉大社から車で10分ほどのところにあり、参拝には結構急な石段を登らねばなりません。
詳細は記事にしておりますので、是非参考にしてください。
梛の御神木 夫婦円満 縁結びに効果
熊野速玉大社の境内には、夫婦円満や恋愛成就のパワースポットとして有名な「梛(ナギ)の御神木」があります。
ナギの木は熊野を象徴する存在で、全国の「熊野神社」に植えられています。
とくに熊野速玉大社のご神木は樹齢1000年を数え、ナギとしては日本で一番大きいサイズです。
ナギの木は、ひっぱってもなかなか千切れない丈夫な葉を茂らせます。
そんな特徴にあやかって、熊野速玉大社では、男女の縁が切れないよう女性がナギの葉を鏡の裏に入れる習俗がありました。
源頼朝と北条政子も、ナギの葉を2人で1枚ずつ持ってお守りにしていたと伝えられています。
また、裏と表があまり変わらない見た目から「隠し事のない夫婦生活」が送れるというジンクスや、金運アップの効果を唱える説もあるようです。
一方、熊野速玉大社の「梛の御神木」は、いまも熊野権現の象徴として厚い信仰が寄せられる大樹でもあります。
とくにナギの葉は、熊野詣に挑む人たちから「道中の安全を守るお守り」として扱われてきました。
「災いをナギ払う」この葉を携えてお参りすることで、過酷な熊野詣を無事に果たすことができると信じられていました。
いまでも熊野速玉大社の御神木のまわりには、ナギの落ち葉を求める人の姿がみられます。
平安時代に熊野三山造営奉行を務めた平重盛(たいらのしげもり、清盛の嫡男)が植えたとされます。
もう一つ、ナギは平和の象徴でもあります。
沖縄が本土復帰を果たしたおり、熊野速玉大社の御神木の種から育った「ナギの苗」が沖縄の学校に植樹されたそうです。
実は、熊野と沖縄は琉球王朝時代から縁が深い地域です。
両地域ともに、日本の誇る聖地が密集する場所であり、信仰のカタチにも共通点が数多く見られます。
沖縄では数少ない神社でお祭りされる神様も、熊野三山の神様です。
決死の覚悟で船に乗り、補陀落浄土を目指した僧が沖縄にたどり着いたという説もあります。
いずれにしても、熊野と琉球という2つの聖地は、黒潮という「海の道」とともに、平和への祈りでつながっているに違いありません。
熊野速玉大社 御朱印・御朱印帳
熊野速玉大社の御朱印です。
初穂料は300円。
熊野速玉大社本殿の背面にある授与所で頂けます。
また熊野速玉大社オリジナルの御朱印帳は1200円でした。
熊野速玉大社 お守り
熊野速玉大社のご神木「ナギ」の実でつくられた「なぎまもり」。
熊野速玉大社オリジナル、家内安全・縁結び・海上安全のお守りです。
初穂料は700円。
熊野速玉大社 御由緒
はるか遠い神話の時代――。
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社にお祭りされている3柱の神様(熊野三所権現)が、神倉山(かみくらやま)のコトビキ岩に降臨されました。
神倉山は、熊野速玉大社の原点といえる祈りの場所であり、太古の時代から人々に崇められてきた神聖な聖山です。
いまは、神倉神社が鎮座しています。
ただ、当時はまだ自然崇拝に近い信仰しかなく、神様をお祭りする社殿がありませんでした。
そこで、神倉山から神様をお迎えするために、新たに建てた神社というのが、熊野速玉大社だったわけです。
いまからざっと1900年前のことです。
熊野速玉大社が「新宮社」と呼ばれるのはそのためで、地名の「新宮」の由来にもなっています。
速玉大社参拝時間・アクセス(基本情報)
- 住所:和歌山県新宮市新宮1
- 電話:0735(22)2533
- 拝観時間:日出~日没(授与所はAM8:00~PM5:00)
- 駐車場:無料
※混雑時に臨時駐車場開設。近隣にコインパーキングも。 - 拝観料:無料(神宝館拝観500円)
熊野速玉大社 無料駐車場&行き方
熊野本宮大社には専用の無料駐車場があります。
収容台数は50台ほどで、混雑時には臨時駐車場も開設されます。
近隣にはコインパーキングもありますので、駐車待ちの恐れは少ないといえます。
電車でのアクセス
■JR紀勢本線「新宮駅」下車、徒歩15分
車でのアクセス
■名古屋方面~
⇒紀勢自動車道(無料区間)尾鷲北IC下車、約1時間
■大阪方面~
⇒紀勢自動車道(無料区間)上富田IC下車、約1時間45分
MAP
熊野速玉大社ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は熊野三山の一社「熊野速玉大社」を紹介しました。
まとめは以下の通りです。
- 熊野速玉大社は富貴隆昌のパワースポット
- 洗練された姿の中に温かさがある
- 神倉神社は主祭神降臨のスピリチュアルな末社
- 熊野速玉大社には日本一の梛の木がある
- 熊野速玉大社のお守り「なぎまもり」がおすすめ
- ナギの木は縁結びなどにご利益がある
- 沖縄と和歌山には実は深いつながりがある
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
熊野本宮大社から歩いて10分ほどのところに、神倉神社があります。
歴史やアクセスなどの詳細を記事にまとめていますので、是非お読みください。
また、熊野詣は熊野三山を参拝するのが基本となります。
熊野本宮大社、熊野那智大社の話題も記事にしておりますので、どうかご参考にしてください。
今後、さらに内容を充実させてまいります。
ご愛読の程、よろしくお願いいたします。