淡嶋神社(あわしまじんじゃ、和歌山市)は人形供養で知られる神社で、「雛流し」(ひなながし)というノスタルジックなお祭りでも有名です。
パワースポットというより、見どころ満載のおすすめ神社といったところです。
淡嶋神社を初めて訪ねる人は、おびただしい数の日本人形が並ぶ光景を見て、少しギョッとするかもしれません。
ただ、淡嶋神社は決して心霊スポットの類ではなく、観光地としても一見の価値ありです。
また婦人病や子宝、縁結びのご利益で女性の支持を集める神社でもあり、下着(パンティー)を奉納する風習でも知られます。
今回は、そんな話題たっぷりの淡嶋神社を訪ねましたので、アクセスや駐車場、周辺観光の情報なども含めて詳しく紹介します。
Contents
淡嶋神社はひな祭りの発祥
淡嶋神社は、海の青を浮かび上がらせる南紀の日差しと、潮の香りが旅情を誘う和歌山・加太の海岸沿いにあります。
実はこの神社、全国に約1000社もある「淡嶋系統」の総本社。
人形供養の発祥、また、ひな祭りの発祥地として信仰を集めてきました。
3月3日のひな祭りの日、奉納されたひな人形を海に送り出す「雛流し」がとても有名です(下段に動画あり)。
淡嶋神社は、人形供養の代名詞のような神社ですが、そんな印象をより強めるのが、本殿周辺にずらりと並ぶ無数の市松人形や伝統の縁起物たちです。
「心霊スポット」などと揶揄(やゆ)されることもありますが、そんな悪い場所ではありません。
淡嶋神社は、持ち主から捨てられなかった人形たちが集まる場所です。
心のどこかで「手放すことへの後ろめたさ」や「愛着」などがあるからこそ、淡嶋神社に託されたに違いありません。
事実、毎年3月3日のひな祭りに行われる「雛流し」では、舟が沖に向かう光景に涙を流す人の姿も見られます。
モノ扱いされなかった、しあわせな人形たちとでもいうのでしょうか。
淡嶋神社の境内では、いまでも笑顔を浮かべたり、凛々しい表情だったりと、その面持ちを崩さずにみずからを表現しています。
人形供養の費用は?マネキンはNG
さて、人形供養にかかる費用ですが、淡嶋神社に直接確認したところ、40ℓの袋(家庭用のゴミ袋サイズ、2019年11月現在)で1500円が目安となります。
ただし、仏滅以外の日で、午後4時までに持ち込む必要がありますので、ご注意ください。
その他のルールとして、ガラスケースや付属品は受け取ってもらえず、マネキンなどの商業用人形もNGです。
郵送も不可です。
主祭神は医薬の神 婦人病にご利益
人形供養が取り上げられがちな淡嶋神社ですが、主祭神の一柱、小彦名命(すくなひこなのみこと)は、実は「医薬の神様」。
婦人病をはじめ、安産、子宝など、女性のあらゆる「下の病」を治してくださる神様です。
そのため淡嶋神社は、特に女性に人気の神社でもあります。
おびただしい数の人形に大はしゃぎする観光客が多い反面、敬けんな祈りを捧げる参拝者の姿も目立ちます。
淡嶋神社の見どころ
淡嶋神社の見どころや魅力は、おびただしい人形だけではありません。
ここでは、その見どころの一部をピックアップしました。
淡嶋神社 雛流し
淡嶋神社の雛流しは、パワースポット好きであろうとなかろうど、一度ご覧になられて損のない神事です。
淡嶋神社に奉納された人形は、捨てられたのではなく、丁寧に供養されたものといえます。
とくに大切された人形たちは、持ち主の「愛情」や「重いのたけ」が詰まっています。
淡嶋神社は、そんな人形との縁に整理をつける別れの場といえ、雛流しはその神聖な儀式に当たります。
お祭り当日は、メディアも含めすごい数のギャラリーとなりますので、動画でご覧ください。
動画中、紙吹雪を巻くのは、「神の国へと続く道」をつくるためだそう。
本当にノスタルジックでどこか切なく、神秘的な祭事です。
淡嶋神社「末社」安産・子宝・婦人病にご利益
御祭神小彦名命は「医薬の神」。
特にご利益があるといわれるのが本殿向かって左奥、御祭神と八百万の神(やおよろずのかみ)を祭る「末社」です。
格子の向こうに、男性器をかたどる「男根形」が奉納されていて、ここに女性の下着(パンティー)を袋に包んで奉納する風習がいまでも残っています。
切実な問題に救いを求める神聖な場所です。
興味本位で覗き込むと、きっとロクなことがありませんのでご注意ください。
恋愛成就のパワースポット
本殿の裏手、階段を上りきった一番奥にあるのが「遷使殿」(せんしでん)。
主祭神で、医薬の神様「少彦命名」の使い神であるカエルをお祭りしている末社です。
本殿での願いごとを、「しっかしりとお伝え下さい」と重ねて使い神に託す場所です。
そして、この遷使殿の前というのが、実は恋愛成就のパワースポットになっています。
ここから本殿に向かって手を合わせると、恋愛が成就するといわれています。
現地には、雑誌の記事が案内代わりに貼られていますので、これを目印に挑戦してみてください。
紀文の帆柱(きぶんのほばしら)
紀国屋文左衛門のみかん船の帆柱。
願いごとを唱えながら、この柱の穴をくぐり抜けると、願い事が叶うと言われています。
まず本殿でお参りしたのち、人目をはばからず、楽しみながら挑戦してみてください。
淡嶋神社の御朱印
淡嶋神社の御朱印です。
とてもシンプルで可愛いデザインです。
境内の授与所で頂けます。
初穂料は300円。
淡嶋神社【周辺情報】観光の魅力ぎっしり
淡嶋神社は、観光地としても魅力のある神社です。
周辺も楽しいスポットが充実しています。
ほんの一部となりますが、参考までに周辺情報をまとめました。
ご当地グルメで手軽にランチ
淡嶋神社の参道に並ぶ飲食店。
ここではお刺身や焼き貝など海の幸が楽しめます。
特に満幸商店の「しらす丼」がボリュームたっぷりで有名です。
一人前が800円、漫画の山盛りご飯のような迫力です。
ただ、休日は長蛇の列ができることも多いのも確かです。
加太おさかな創庫は徒歩5分
港まで少し足を延ばせば「加太おさかな創庫」という施設があります。
こちらで「カキ」や「アナゴの味噌汁」なんかを頂いて、旅行気分を盛り上げてみるのもありだと思います。
毎月第1土曜日には午前11時から「加太の昼市」というイベントが催されます。(売切れ次第終了)
いけすに泳ぐ魚をその場でさばいてくれます。
■電話(加太鮮魚):073(459)1268 |
加太海岸で「磯遊び」
淡嶋神社の眼前にある海岸は、階段を伝って降りることができ、磯遊びが楽しめます。
子供連れの方にはおすすめですが、あまり日陰がありませんので、まだまだ「日焼け止め対策」などの面で注意が必要かもしれません。
クラゲやカニなどを見つけて喜ぶ子どもの姿も目立ちます。
潮干狩りもできるようです。
淡嶋神社 基本情報&ご利益
主祭神 | ご利益 |
・少彦名命(すくなひこなのみこと) ・大己貴命(おおなむじのみこと) ・息長足姫命(おきながたらしひめのみこと) | ・婦人病平癒 ・安産 ・子授け ・縁結び |
- 住所:和歌山県和歌山市加太116
- 電話:073-459-0043
- 参拝:明朝~21:00(人形供養受付は09:00~16:00)
- 人形供養の費用:40ℓの袋一杯で1500円。
- (※仏滅の日はNG、PM4:00までに持ち込む必要有)
- 駐車場:無料(12台)※利用は30分以内
■公式サイト:淡嶋神社
淡嶋神社 アクセス
【電車の場合】
⇒南海電鉄加太線「加太駅」下車、徒歩約15分
【車の場合】
⇒以下の地図参照
淡嶋神社ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は人形供養で知られる淡嶋神社をご紹介しました。
まとめは以下の通りです。
- 奉納された人形が並ぶ光景は、少しギョッとするが見ごたえあり
- 人形を神社に託すには一定のルールがある
- ひな祭りの日に行われる神事「雛流し」は必見
- 心霊スポットではない
- 婦人病の平癒や子授、安産にご利益。女性のパンティーを奉納する風習も
- 境内に恋愛成就のパワースポットが存在する
- 淡嶋神社周辺は観光スポットとしても魅力
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
内容を充実させてまいりますので、どうか引き続きご愛読ください。