千代保稲荷神社(通称:おちょぼ稲荷、岐阜県海津市)は「宝くじが当たる」など、さまざまなご利益で話題を集めるパワースポットです。
そんな評判に誘われて今回、管理人も千代保神社に行ってみましたが、規模こそ小さいものの、確かに有力な神社特有の雰囲気に包まれていました。
千代保稲荷神社は参拝の仕方もとてもユニークで、「油揚げ」と「ろうそく」を奉納して祈願するスタイルになっています。
また神職の方に直接話を伺ったことで、お祭りしている神様の「本当の姿」や巷(ちまた)での誤解の数々がみえてきました。
今回は「おちょぼ稲荷」について、見どころやアクセス、駐車場、串カツの食べ歩きで有名な「おちょぼさん参道」などをご紹介します。
また、「呪いのスポット」「気軽に行くべきではない」など、噂の真相についてもまとめました。
Contents
千代保稲荷神社(おちょぼ稲荷)とは
千代保稲荷神社(ちよほいなりじんじゃ)は、「おちょぼさん」の愛称で親しまれるとても小さな神社です。
ただおちょぼ稲荷は、ときに伏見稲荷大社に並ぶ「日本三大稲荷」に数えられることもある、メジャーなパワースポットです。
そのご利益の大きさから、年間200万人を超える参拝者を集めます。
小規模ながらも、なぜこんなに大きなご利益があり、古くから注目を集めてきた神社なのか。
参拝のしおりには、以下の順番で御祭神の名前が並んでいます。
- 「太祖大神」(おおみおやのおおかみ)
- 「稲荷大神」(いなりおおかみ)
- 「祖神」(みおやのかみ)
管理人は、これまでいろんなパワースポットをめぐって参りましたが、「太祖大神」という神様の名前は聞いたことがありません。
何よりも、「稲荷大神」よりも先に「太祖大神」の名前が挙がっているのが不思議でした。
このあたりに、どうも秘密がありそうです。
千代保稲荷神社 大祖大神とは
千代保稲荷神社は、一般的な稲荷神社とはどこか違う雰囲気が漂っているように思いました。
建物の雰囲気も、白狐のレイアウトも、主祭神の本当の姿も、実際に訪ねて初めて分かったことばかりです。
どことなく寺院の風情が混ざっているのも、管理人の思い過ごしではなさそうです。
なかでも最大の発見は、御祭神「太祖大神」の素性でした。
現地取材を通じてようやくわかりました。
太祖大神は、何と宇宙を創造した神様です。
いきなりスケールが大きくなりましたが、古事記では、造化三神と呼ばれる存在です。
私事で恐縮ですが、「宇宙」「神」のワードから「サターンの椅子」を連想せずにはいられません。
願いがかなうと一時ブームになった神戸・北野坂にある「願いが叶う椅子」です。
この椅子についても、ご加護の秘密を調べていくうちに、「宇宙を統べる神様」との深いつながりにたどり着きました。
ご興味のある方は読んでみてください。
造化三神とは
ちなみに造化三神とは、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)の3柱の総称です。
また、おちょぼ稲荷にお祭りされている「稲荷大神」は、伏見稲荷大社にお祭りされている「稲荷大神」とは別の神様です。
一般的に稲荷神社にお祭りされている宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)ではなく、保食神(うけもちのかみ)という食物の神様です。
御由緒
千代保稲荷神社の由緒は平安時代にさかのぼります。
八幡太郎源義家(まちまんたろうみなもとのよしいえ)の六男、義隆(よしたか)が分家する際、「森」の姓を授かったのがきっかけです。
このとき、義隆は森の姓とともに、先祖の霊璽(れいじ)、宝剣、義家の肖像などを「千代に保っていけ」と賜りました。
そんなゆえんで、源家の先祖を祭る神社として、名前に「千代」が当てられています。
千代保稲荷神社 怖い噂は本当?
とても不謹慎だと思いますが、おちょぼ稲荷にはちょっと怖い噂があります。
御神木に五寸釘の打ち込まれた「藁人形」が見つかるという話です。
実際のところ、以前は五寸釘の刺さった藁人形が見つかったそうですが、そんな悪習がたたり、ご神木は枯れてしまいました。
これは貴船神社の「丑の刻詣」(うしのこくもうで)と同じパターンで、この地に伝わる願掛けがねじ曲がって独り歩きしたものです。
もともとは、行方不明者発見への願いを込め、御神木「足止めの木」に履物を打ち付ける風習でした。
行方不明者がどこにもいかぬよう、履物を御神木に「くぎ付け」にしたわけです。
ちなみに、伏見稲荷大社にも行方不明者の居場所を占う「こだま池」があります。
記事にしていますので、よろしければあわせてご覧ください。
縁切り強要!?カップルは祟られる!?
千代保稲荷神社には「ないがしろにするとたたられる」「ご利益に見返りを求められる」などの俗説もありますが、筋からするとすべてデタラメです。
稲荷神社の神様「稲荷大神」は、稲荷神社と呼ばれない他の神社にも名前を変えてお祭りされています。
また「カップルで参拝すると狐が妬んで仲が引き裂かれる」という噂も、勘違いからくる俗説です。
白狐は神様ではなく、神様のお使い(眷属)です。
むしろ、おちょぼ稲荷にお祭りされる「保食神」は、縁結びのご利益でも知られます。
おかしな噂を流したのも、御神木を呪いで枯らしたのも、すべて「人」の仕業です。
千代保稲荷神社 参拝方法&見どころ
千代保稲荷神社は、参拝客が多く、土日は有料駐車場ですら満車になるほどの賑わいを見せます。
とくに、月末・月初にかけての「月越参り」(月並祭)は、夜通し多くの参拝客で混雑しますので、注意が必要です。
とはいえ、千代保稲荷神社は、山積みになる油揚げのお供えなど、全国的にも珍しい光景がみられます。
今回は、そんなおちょぼ稲荷の見どころとともに、参拝の順序・方法についても紹介してまいります。
油揚げとろうそく 境内で購入
おちょぼさんでは参拝前に境内で「油揚げとろうそく」を購入するのが一般的な流れとなります。
三店舗ほど露店がありますが、どこで買ってもセットで50円です。
質問に一生懸命答えて下さる、とても親切な方たちでした。
ろうそくは「燈明場」へ
ろうそくは、最初の小さな階段を上がってすぐの場所にある「燈明場」に献灯します。
「不浄を焼き払う」「自らを燃やし周りを照らす」などの意味があるようです。
空いてる杭にろうそくを刺したら、火が消えないよう、すぐに扉を閉めてください。
また、ろうそくの位置を覚えておいて、持ち帰ってふたたび家で献灯するのが「吉」です。
他人の業(カルマ)をもらわないよう、自分のライターで火をつけるのがベストというジンクスもあるそうです。
拝殿 油揚げの奉納は専用箱へ
参拝に当たっては、まず拝殿手前の専用ボックスに油揚げを奉納します。
そして、お賽銭は、一段奥のお賽銭箱へ。
奉納された油揚げはお下がりとして振舞われますので、お賽銭と一緒に入れない方がよさそうです。
ご利益は「商売繁盛」「家内安全」などになります。
霊殿で「名刺」奉納?
拝殿に向かって背後にある「霊殿」には、白狐の像などを納めているほか、保食神をお祭りしています。
お賽銭箱奥のすだれに多くの名刺が挟まれています。
名刺をお持ちの方は自己紹介の要領で、奉納してください。
重軽石
最後に、定番の重軽石(おもかるいし)です。
千代保稲荷神社の重軽石は、一度この霊石を持ち上げた後に、重いと感じるか、軽いと感じるかを自分で決めます。
予想通りになった場合は、願いが叶い、そうでなければもう少し努力が必要との結果になるとされます。
なお、千代保稲荷神社の重軽石は、危険を理由に小さな子どもは禁止されています。
少なくとも、大人の付き添いが必要かと思われますので、どうかご注意下さい。
おちょぼ稲荷はとても小さな神社ですので、それぞれのポイントがどこにあるか、分からなくなることはまずありません。
是非一通りお参りして、幸運をつかんでください。
千代保稲荷神社 御朱印とお守り
千代保稲荷神社に御朱印・お守りの類はありませんので、どうかご注意ください。
千代保稲荷神社では、「先祖の霊璽(れいじ)を千代に保て」という教えから、一切授与されていないそうです。
ただ、おみくじは拝殿に向かって後方にあります。
月末・月初の月並祭
月末月初は「月並祭」という縁日があり、夜通し混雑します。
千代保稲荷神社をゆっくり参拝したい方にはおすすめできませんが、観光としての魅力も十分。
おちょぼさん参道に軒を連ねる約120軒のお店が、深夜遅くまで営業しています。
祭りの1日だけで1カ月分の利益をあげるお店もあるそうです。
ただ、お祭りの日でなくとも、おちょぼさん参道は最高に楽しい場所です。
地元の方いわく、カラオケ用ドレスを買って帰る方が多いそうです。
串カツ食べ歩き おちょぼさん参道
管理人もせっかくなので、おちょぼさん参道を堪能してきました。
レトロな風情が漂う、素晴らしいお店ばかりです。
ナマズやウナギなど、川魚料理が有名ですが、やはりなかなかのお値段…。
そこで、「串カツ全店舗」をくまなく食べ歩きました。
途中で胸やけを起こしましたが、特に美味しかったお店をご紹介します。
おすすめ串カツ① よこい
串カツの本場、大阪で長く暮らした管理人イチオシのお店は、東口大鳥居をくぐってすぐのお店「よこい」さん。
一本80円とリーズナブルなうえ、「豚肉の質」がよかったと思います。
胸やけを起こした後、確認のために再度、気力を振り絞って食べてみましたが、やはりナンバーワンでした。
「商店街最古」とまではいかないそうですが、串カツ店としては古株の一角で、40年以上、ここで店を開いているそうです。
ちなみに、おちょぼさん参道の串カツ・どて焼きはすべて後払い。
食べた串の本数で料金が計算されます。
また、ソースや味噌の二度付けは禁止。
このルールは定番ですね。
おすすめ串カツ② 玉家
ここは衣が他店と一線を画す超人気店です。
立ち食いながら、テーブルなどの清潔感も魅力です。
とまあ、せっかくなので一通り食べて順位をつけてみたものの、極端に大きな差はないともいえます。
激辛だったり、カレーを付けて食べられたりと、自分の好みにあった串カツが見つかると思いますので、是非食べ歩いてみてください。
千代保稲荷神社 基本情報&ご利益
御祭神 | ご利益 |
太祖大神 稲荷大神 祖神 | ・商売繁盛 ・縁結び ・家内安全 |
- 住所:岐阜県海津市平田町三郷1985
- 電話:0584(66)2822
- 参拝時間:自由
千代保稲荷神社 駐車場&アクセス
千代保稲荷神社には、東口大鳥居側に無料駐車場があります。
収容台数は70台。
いつも駐車待ちの列ができています。
朝早くが狙い目です。
一方、おちょぼ稲荷界隈の「有料駐車場」の相場は、1日300円となります。
ただ、土日は有料駐車場ですら満車になることも少なくありません。
満車になる前に適当にパッっと決めて入ってしまう方が得策かもしれません。
最寄り駅からバスでの行き方
おちょぼ稲荷への電車でのアクセスは、海津市のコミュニティーバスを利用することになりますが、発着の間隔が2時間ほど空いている時間帯もあります。
下段に海津市公式ページ(コミュニティバス)のリンクを張っていますので、予定される電車の発着時刻と合わせてご確認ください。
■名古屋・岐阜方面より
新幹線岐阜羽島駅から「海津市コミュニティバス(海津羽島線)」で約20分(お千代保稲荷バス停下車)
■三重方面より
養老鉄道・石津駅から「海津市コミュニティバス(海津羽島線)」で約20分(お千代保稲荷バス停下車)
車での行き方
■大阪方面より
大垣IC下車、約15分
■名古屋方面より
岐阜羽島IC下車、約15分
MAP
千代保稲荷神社 まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、おちょぼ稲荷の愛称で親しまれる千代保稲荷神社をご紹介しました。
おちょぼ稲荷まで足を運んだ方は、同じ岐阜県内にある養老の滝もおすすめです。
実は神仏習合のパワースポットで、とても気持ちのいいところでした。
またパワスポ編集局では、日本三大稲荷に数えられる最上稲荷(さいじょういなり)、豊川稲荷の記事も掲載しています。
本記事のまとめは以下の通りです。
- 千代保稲荷神社はさまざまなご利益で知られるメジャーなパワースポット
- 実は宇宙の創造神を主祭神にお祭りしている
- 油揚げとろうそくを奉納する一風変わったスタイルで祈願する
- 千代保稲荷神社には参拝の順序がある
- おちょぼ稲荷に御朱印・お守りの類はない
- 千代保稲荷神社の怖い噂は基本ガセネタ
- 月末・月初の月並祭は夜通し人でごった返す
- 串カツは「よこい」と「玉屋」がおすすめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
内容を充実させてまいりますので、引き続きご愛読いただければ幸いです。