北野天満宮(きたのてんまんぐう、京都市上京区)は、天神様と呼ばれる学問の神様「菅原道真」(すがわらのみちざね)公を祭る神社です。
北野天満宮は、全国に約1万2000社ある「天神社」「天満宮」系列の総本社にあたり、「天神信仰発祥の社」として知られます。
「合格祈願の本場」ともいえますが、「本殿をお参りして終わり」という人も少なくありません。
せっかく北野天満宮まで足を運んだのであれば、より自信を深める意味からも、受験合格にご利益のある末社や大黒天像での特別な願掛けをやっておいて損はありません。
また、鳥居をまたぐ前に一礼するなど、正しい作法で参拝するのが好ましいものといえます。
今回は、北野天満宮での合格祈願について、外せないポイントと参拝の作法などについてまとめました。
Contents
京都・北野天満宮 合格祈願で関西№1
北野天満宮は、受験生が合格祈願に訪ねる神社として、関西では№1といわれます(KDDI調べ)。
桐箱に入ったお守りや試験場への持ち込みに配慮した学業鉛筆など、「心強いアイテム」も充実しています。
国宝指定の本殿にお祭りされるのは、いわずもがな天神様と呼ばれる学問の神「菅原道真公」。
ここがメーンとなるお社ですが、北野天満宮の境内にはほかにも、入試合格にまつわるご利益のある末社や願掛けの像など、外せないポイントがたくさんあります。
以下、順番にご紹介してまいります。
京都・北野天満宮 文子天満宮
最初にご紹介するのは、北野天満宮のなかにある「文子天満宮」という末社。
北野天満宮の創建に深くかかわった「多治比文子」(たじひのあやこ)の名前を冠した神社です。
こちらは、境内で唯一「入試・学徳成就」のご利益を具体的にうたう末社ですが、その事実はあまり広まっていません。
そして、文子の名を冠しながらも、実は「菅原道真公」をお祭りしています。
本殿を参拝した後、しっかりお参りしたいお社のひとつといえます。
本殿エリアを出て右奥、北門すぐそばにあります。
ちなみに、多治比文子という人物は、不思議な力を持った巫女さんで、道真公の乳母だった方。
道真公の神霊から「我を右近馬場(現境内地)に祭れ」とのお告げを受けて、北野天満宮の創建に奔走しました。
ところが「身分の壁」に阻まれ、最初はうまくいかず、まずは自宅で道真公の御霊をお祭りした経緯があります。
そんな苦労が報われ、その後他の霊能者にも同様のお告げが相次ぎ、天満宮は現在の地に移されたと伝わります。
京都・北野天満宮 大黒様の像
大きな鳥居をくぐって境内に入ると、本殿エリアの直前に「三光門」というひときわ立派な門があります。
この門に向かって右手の道を歩くと、ひとつだけ台座に「大黒天の像」が刻まれた石灯籠が見つかるはずです。
大きく口を開き、にっこり微笑む像です。
北野天満宮では、この口に乗せても〝落ちない〟小石を探せば、「受験のお守り」になるというジンクスがあります。
知る人ぞ知る願掛けですが、大黒天像の口が結構すり減っていて、乗せるのがなかなか難しいのも確か。
像の口はいわゆる「受け口」になっていないため、普通に置いても滑り落ちてしまいます。
一見、不可能にも思えるこの願掛けですが、ムキになって勉強の時間を無駄にしないよう、そのコツをこっそり耳打ちします。
丸い石よりも、角ばった石を探すことです。
北野天満宮に訪ねたときには、ぜひ挑戦してみてください。
京都・北野天満宮 牛の像
北野天満宮を参拝すると、牛の像がここそこに横たわっています。
これは、「牛は天神様のお使い」という信仰に根差すものです。
ご利益を求めて触っていく人をたくさん見かけますが、なでるだけでは片手落ちです。
牛の像に触れる前に、まず自分の体のなかで「良くなりたい」と思うところをなでます。
そのうえで、牛の同じ部位に触れる流れとなります。
たとえば、「頭が良くなりたい」と思う場合、自分の頭をなでた上で、牛の頭をさするわけです。
一方、北野天満宮には十数体の牛の像が奉納されていて、基本的にどの牛の像でもご利益はあるとされますが、一つだけ別格の像があります。
それは北野天満宮の本殿よりもさらに左奥、「牛舎」(うししゃ)と呼ばれるところにある像です。
朱の鳥居が目印で、この連なりを抜けた先に。くだんの牛の像があります。
北野天満宮の牛のなかでも最古の像で、ひとつの願いに特化した「一願成就」の願掛けポイントでもあります。
四方から手を合わせて拝むことができる珍しい構造になっていて、受験生の場合は、牛の像に触れながら「入試合格」を願うイメージです。
詳細は割愛しますが、そばにある瑞垣に囲まれた亀石も拝んでおくと吉です。
参拝のイロハについて
神社への参拝に当たっては、基本的な作法があります。
釈迦に説法とも思われますが、ここでは、そのイロハをご紹介します。
鳥居の前で
鳥居をくぐる際には、まず一礼するのが習わしです。
これを「一揖」(いちゆう)といいます。
踏み出す足は、本殿にお尻を向けない側で。
鳥居の左寄りから踏み込む場合は、左足から入るイメージです。
手水舎で
神社には手と口を清める手水舎がありますが、ここで身を清めるのにも作法があります。
- 柄杓で水をすくって、左手、右手の順に清める
- 次に、左手のひらで水を受けて口をすすぐ
- 最後にもう一度左手を水で清め、柄杓を立てて持ち手の部分を水で洗い流す
これら一連の動作は、最初にくんだ柄杓一杯分の水で済ますと、とてもスマートです。
ちなみにこの作法は、「簡略化した禊(みそぎ)のスタイル」といえ、このシステムがなかった大昔の時代には、川や滝などで身を清めていたといわれます。
本殿で
本殿での参拝は、まずお賽銭を入れたうえで、(鈴がある場合は鈴を鳴らして)2礼2拍手1礼をもって行います。
直角に2度お辞儀した後、「パンパン」と2回柏手を打ってからお祈りし、最後にあらためて深々とお辞儀するイメージです。
神社ごとに「ローカルルール」もありますが、2礼2拍手1礼が基本となります。
お賽銭を入れるときは、極力投げ込まず、そっと入れるように心がけます。
参考までにお手本となる動画を貼っておきます。
※閲覧の際には音声に注意してください。
京都・北野天満宮 基本情報
北野天満宮の基本情報は以下の通りです。
- 住所:京都市上京区馬喰町
- 電話:075(461)0005
- 閉開門時間:AM5:30~PM5:30(10月~3月)
京都・北野天満宮 駐車場&アクセス
北野天満宮には収容台数300台の無料駐車場があります。
ただし、25日は縁日になるため駐車できません。
車での行き方
- 名神高速道路南インター、もしくは東インター下車、約30分
公共交通機関での行き方
- 京福電車白梅町駅下車、徒歩5分
- JR京都駅から市バス50・101系統
- 京阪出町柳駅から市バス102・203系統
※いずれもバス停「北野天満宮前」下車すぐ
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京都・北野天満宮 合格祈願まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、北野天満宮での合格祈願について、効果的な参拝方法や作法について執筆しました。
「努力した上でのご利益」などと言ってしまえば身も蓋もありませんが、神社への参拝は、精神的な支えという意味合いでも大きな救いになるのではないでしょうか。
「一段の安心感がほしい」という方は、正式参拝となる昇殿参拝もひとつの手です。
まとめは以下の通りです。
- 北野天満宮は学問の神様をお祭りする神社の総本社
- 境内にある文子天満宮は受験へのご利益を明確にうたう末社
- 大黒天像の口から落ちない小石には受験合格のジンクスがある
- 神社の最奥には一体だけ「一願成就」の信仰が根付く牛の像がある
- 神社の参拝には基本的な作法がある
最後までお読みいただき、ありがとうございました。