下鴨神社(京都市左京区)は、「京都最強のパワースポット」ともいわれる神社です。
創建はいまから2000年以上前、神話の時代にまでさかのぼります。
そんないにしえからのパワースポットだけに、下鴨神社では、大きなご利益を授かったり、不思議な体験をしたりする人が少なくありません。
名だたる京都のパワースポットをつぶさに調べると「不思議な共通点」が見えてきますが、下鴨神社もその一社に当たります。
境内には美の女神を祭る「河合神社」や縁結びのご利益で知られる「相生社」(あいおいのやしろ)などもあり、とくに女性におすすめです。
また下鴨神社は「みたらし団子の発祥地」でもあり、神社を覆う巨大な「糺の森」(ただすのもり)でも有名。
今回は、観光としても見どころたっぷりの下鴨神社について、見どころやお守り、具体的なアクセスの方法やなどを含めて詳しくご紹介します。
Contents
下鴨神社は京都最強のパワースポット!?
下鴨神社は1994年、ユネスコの世界遺産に登録された神社で、正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)といいます。
下鴨神社は古都・京都のなかでも、最も古い神社のひとつに数えられます。
創建はあまりにも古く、実ははっきりしていません。
源流をたどっていくと、2000年以上も前に垣根を修造した記録もみられ、いきつくところ「神話の時代」にまでさかのぼります。
さらに、下鴨神社の外周を覆う「糺の森」(ただすのもり)も、悠久の昔から変わらぬ神聖な空気を感じさせてくれます。
下鴨神社は、とくに女性からの人気が高いのも特徴です。
美にご利益のある摂社「河合神社」や縁結びの不思議なご神木「連理の賢木」(れんりのさかき)、さらには境内全体に漂う京の風情や癒しの空気なども魅力です。
いずれにしても、紀元前から変わらぬ「いにしえの聖地」は、普通の場所ではありません。
現代人が失った感覚をもって、太古の人がそこに「不思議な何か」を見つけた聖域であり、今も大切に守り継がれている神域です。
糺の森(ただすのもり)下鴨神社の代名詞
下鴨神社の鎮守の杜(ちんじゅのもり)「糺の森」は、12万㎡、東京ドームが3つぐらい入る規模の大きさを誇ります。
そんなサイズ感もさることながら、ポイントは神聖な聖域として開発を免れてきた点です。
はるか昔から姿を変えずに林立する木々も数知れず、石器時代の遺跡が出てくるほど荒らされずに維持されてきました。
自然崇拝の流れをくむ小川や湧水も健在です。
また糺の森は、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
町の喧騒から離れた別世界――。
「散策するだけで運気が上昇する」との指摘もありますが、心と体が癒されるのは間違いありません。
下鴨神社本殿<西本殿・東本殿>
本殿は、「東本殿」と「西本殿」に分かれて鎮座しています。
西本殿には「賀茂建角身命」(かもたけつぬみのみこと)という男神、東本殿には「玉依媛命」(たまよりひめのみこと)という女神がお祭りされています。
下鴨神社によると、2柱の神様によるご利益は「五穀豊穣」、「病気平癒」、「勝利」、「厄除け」、「勉学」、「安全」など書ききれないほど記されています。
神様別にみたご利益は、賀茂建角身命が「勝利」「五穀豊穣」(商売繁盛)、玉依媛命が「厄除け」「縁結び」「子宝」といったところです。
ちなみに玉依媛命は、賀茂別雷大神の母に当たり、水を司る神様として知られます。
また賀茂建角身命は、下鴨神社のほど近くにある上賀茂神社の神様「賀茂別雷大神」(かもわけいかずちのおおかみ)の祖父にあたり、その正体は「八咫烏」(やたがらす)ともいわれます。
下鴨神社と上賀茂神社は「一対の存在」になっていて、2社を合わせて「加茂社」と呼ばれています。
河合神社 話題いっぱい「美の摂社」
下鴨神社にはさくさんの摂社(せっしゃ)がありますが、一番大きなものが「河合神社」です。
糺の森を「癒しの場」とするならば、河合神社は「とても力の強いパワースポット」といえます。
不思議なことに、人によっては河合神社に近づくにつれ、手のひらが「ジンジン」「ピリピリ」したりすることも…。
河合神社は「男女を問わず」おすすめです。
御祭神「玉依姫命」
河合神社にお祭りされているのは、初代天皇の母、玉依姫命(たまよりひめのみこと)という女性の神様。
この神様は、中門の看板に書いてあるとおり「女性守護 日本第一美麗神」とされます。
とくに女性の方には、河合神社を参拝せぬ手はありません。
美麗祈願とともに、安産、育児、縁結びなどのご利益が授かれます。
河合神社 鏡絵馬
河合神社で有名なのが、手鏡の形をした「鏡絵馬」。
河合神社の本殿脇にたくさん奉納されていて、見るだけで人を幸せにしそうな可愛い絵馬です。
鏡絵馬をバックに、着物姿で記念撮影する人もみられます。
初穂料は800円。
さて、この可愛い絵馬に願かけする方法ですが、まず自分の化粧品で絵馬にメイクをほどこします。
そして、裏に願いごとと自分の名前を書いて納めます。
専用のお化粧室「鏡絵馬御化粧室」も用意されています(写真下)。
もし化粧道具を持ってきていない場合でも、クレヨンや色鉛筆などが用意されているので心配ありません。
また鏡絵馬を奉納するときは、祭壇の前にある鏡に自分の姿をしっかりと映して、祈願するのがポイントです。
自分の美しい姿を強くイメージするとご利益が一段と高まります。
さらに、鏡の前にある白い霊石「御白石」(おしらいし)にも触れておくとバッチリです。
奉納すれば、御供米(おくま)がもらえますので、ご飯に混ぜて召し上がってください。
グッと女性としての美しさが増すそうです。
河合神社 美人水
このほか、河合神社では御神水とカリンで作った「美人水」(びじんすい)が供されています。
お値段は、最近少し値上がりして430円に。
パワースポットめぐりに彩りを与えるこの一品、もちろん女性限定ではありません。
相生社 男女のご縁・家内安全にご利益
下鴨神社のなかでも、河合神社に負けず劣らず人気のスポットが「相生社」(あいおいのやしろ)です。
相生社は、男女のご縁、家内安全への願いを届ける摂社です。
御祭神は、男女の「むすび」を象徴する神様「神皇産霊神」(かみむすびのかみ)。
古くから縁結びへの祈りをずっと受け続けてきた神様で、多くの参拝者が足を止めてお参りしています。
また相生という言葉には、「一緒に生まれて同じように育つ」「夫婦そろって長生きする」とい意味があります。
連理の賢木
一方、下鴨神社の相生社には、「連理の賢木」(れんりのさかき)というご神木が隣接しています。
2本に分かれて育った木がふたたび1本に結ばる、とても神秘的な木です。
縁結びの力で結ばれたと伝わりますが、不思議なことに、この木が枯れると、糺の森に新しい跡継となる「連理の賢木」が見つかるそうです。
いまのご神木は、すでに4代目。
「京の七不思議」のひとつに数えられています。
相生社 願かけのやり方
相生社では願かけするのに正しい手順があります。
隣接する連理の賢木を3周する方法です。
以下、具体的な方法をまとめましたので、参考にしてください。
①授与所で絵馬を購入すると、個人情報を守る「保護シール」が頂けますので、願い事を書いて貼ってください。
②奉納前に相生社に向かって一礼します。
③相生社と連理の賢木を「女性は右まわり」「男性は左まわり」に3周します。
④3周目に絵馬掛けに絵馬を奉納してください。
⑤最後に相生社に参拝します。
御手洗社(井上社)
境内には「鴨の七不思議」に数えられる不思議な水場があります。
土用(どよう)になると、池の周辺や川の底から清水が湧き出る「みたらし川」の池です。
ちなみに土用とは、「立春」、「立夏」、「立秋」、「立冬」直前までのそれぞれ約18日間のことを指します。
そして、この湧き上がる水泡にみたてて作った和菓子が、みたらし団子です。
井上社=御手洗社(みたらししゃ)は、みたらし池の上にある末社で、災難厄除けの神様をお祭りしています。
無病息災、商売繁盛、安産などを祈願する神事が四季を通じて行われる場所でもあります。
もうひとつ、ここは下鴨神社の名物「みずみくじ」でも知られます。
このおみくじ、引いたときは何も書かれていない紙ですが、御手洗池の水につけてみると、文字が浮かびあがってきます。
家族やカップル、友達同士でも楽しめます。
また、少し離れていますが、下鴨神社と一対の関係にある上賀茂神社もおすすめです。
下鴨神社の御朱印
下鴨神社の御朱印。
こちらは例年5月15日に開かれる葵祭の日「限定バージョン」。
通常タイプは地域で一番格の高い神社という意味合いから、「山城國一之宮」と墨書きされたものが頂けます。
摂社の河合神社、相生社、御手洗社の御朱印もあります。
下鴨神社のお守りは「媛守」が人気
下鴨神社で女性に人気のお守りが、心願成就にご利益のある「媛守」。
とても艶(あで)やかな、女性向けのお守りです。
媛守は、ちりめん生地でできていて、よくみるとそれぞれデザインが微妙に異なります。
一つひとつに個性のあるわけです。
このお守り、専用の紙箱に収められていますので、お土産にもきっと喜ばれるに違いありません。
男性向けの「彦守」もあります。
お値段はそれぞれ800円。
下鴨神社がなぜパワースポットなのか
下鴨神社がなぜパワースポットとして高い評価を受けるのか。
いわゆる聖地と呼ばれる場所には、多くの共通点があります。
例えば、以下のようなポイントです。
- 圧倒的な存在感を放つ自然物
- 風水的な好立地点
- 孤島や聖山など人を寄せ付けない秘境
- 太陽が昇る方角などとの相対的な位置関係
- 陰陽の気のバランスがとれた場所
これは一言でいうと、「信仰が生まれる」場所です。
つまりパワースポットにも、同様の共通点があるわけです
下鴨神社 パワースポットの理由①
下鴨神社がパワースポットである第一の理由として、川の合流点に鎮座している点が挙げられます。
川には「結界」の意味合いがあるとされ、優れた神社系パワースポットの多くは川がすぐそばにあります。
とくに、中州に鎮座する神社仏閣は、最強と呼ばれるパワースポットの典型的な構図です。
伊勢神宮、出雲大社、鞍馬寺、宇佐神宮…。
これらはすべて中州に位置しており、下鴨神社もこの条件に合致しています。
その事実関係は、Googleマップで調べて頂けばはっきりします。
実はかつて「日本第一霊験所」と呼ばれた日本屈指のパワースポット「熊野本宮大社」(和歌山)も、中州にありました。
いま「大斎原」(おおゆのはら、和歌山県田辺市)と呼ばれる、日本で一番大きな鳥居のあるところです。
当時の熊野本宮大社は、江戸時代になるまで橋が架かっていませんでした。
これは、歩いて川を渡り、禊(みそぎ)を行うためです。
水とパワースポットとは、切っても切れない関係にあるわけです。
中州にあるマニアックな神社やお寺を見つけたら、ひょっとすると、そこは「穴場のパワースポット」かもしれません。
下鴨神社 パワースポットの理由②
下鴨神社がパワーパワースポットである2つ目の理由が「歴史」です。
社伝によると、下鴨神社は紀元前から存在する神域です。
勘違いや思い込み、妄信、あるいは嘘八百で、聖域が2000年も維持されることはあり得ません。
下鴨神社 パワースポットの理由③
下鴨神社がパワースポットである最後の根拠として、地下水脈の存在が挙げられます。
京都の地底には琵琶湖の3分の2に匹敵する地底湖が存在し、滞りのない地下水脈の流れがあります。
これは決して都市伝説の類ではなく、学術的に証明されている事実です。
そして、風水の伝承に残る「龍の道」は、京都の地底を流れる地下水脈と完全に合致しています。
貴船神社、上賀茂神社、下鴨神社、鞍馬寺、京都御所、八坂神社など、名だたる京都のパワースポットはこの龍の道が通っているとされてきましたが、その言い伝え通り、地下水脈のネットワークで結ばれていることがわかりました。
水の都・京都は、桓武天皇によって綿密な計算のもとに築かれた「巨大な風水都市」というのは有名な話ですが、その一翼を担っているのがここ「下鴨神社」になるわけです。
下鴨神社(賀茂御祖神社)基本情報
御祭神 | ご利益 |
・賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと) ・玉依媛命(たまよりひめのみこと) | ・厄除 ・縁結び ・子宝 ・安産 ・子育て ・合格祈願ほか |
- 正式名称:賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)
- 住所:京都市左京区下鴨泉川町59
- 電話:075(781)0010
- 開閉時間:6:30~17:30
下鴨神社(賀茂御祖神社)アクセス
電車でのアクセス
■JR京都駅~
京都駅⇒JR奈良線で「東福寺駅」へ
(JR「東福寺駅」で京阪に乗り換え)
京阪「東福寺駅」⇒京阪「出町柳駅」下車、徒歩12分
■阪急河原町駅~
阪急河原町駅下車、京阪「祇園四条駅」に乗り換え
(阪急から京阪へのアクセスに徒歩5分)京阪「祇園四条駅」⇒京阪「出町柳駅」下車、徒歩12分
車でのアクセス
■名古屋方面
⇒高速道路京都東IC下車、約40分
■大阪方面
⇒京都南IC下車、約35分
バス&タクシーでのアクセス
■市バス
京都駅~下鴨神社前(もしくは糺ノ森前)まで市バス4番・205番
■タクシー
京都駅から約20分(2000~3000円)
MAP
下鴨神社から上賀茂神社へ
上賀茂神社へはバスでもアクセス可能ですが、トータルで40分近くかかります。
上賀茂神社に行く場合、最寄りのバス停は「下鴨神社前」になります。
京都旅行を兼ねて参拝される方は、タクシーでのアクセスも検討の価値ありです。
運賃は1500円とバスより割高ですが、10分ほどでアクセス可能です。
下鴨神社ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は下鴨神社を紹介しました。
京都にはほかにも、優れたパワースポットがたくさんあります。
そのなかから7つのパワースポットを厳選した記事を執筆していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
また、京都のパワースポットのなかでも、穴場をまとめた記事もあります。
本記事のまとめは以下の通りです。
- 下鴨神社は京都屈指のパワースポット。
- 境内には癒しの空間「糺の森」が広がり、いにしえからの聖域。
- 下鴨神社はみたらし団子発祥の地。
- イチオシは下鴨神社の摂社「河合神社」。
- 相生社には連理の賢木があり、縁結びにご利益。
- お守りは媛守が女性に人気。
- 下鴨神社がパワースポットたる理由は立地条件、歴史、風水的意味合いの3点にある
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも内容を充実させてまいりますので、引き続きご愛読いただきますよう、よろしくお願いいたします。