記事は現地取材でより深く。デザインも刷新。

戸隠神社を現地取材【5社回るおすすめの順番】御朱印の注意点,ご利益,パワースポット不思議体験も

戸隠神社奥社の参道

戸隠神社は、幻想的な古木の参道が魅力の神社で、「中部地方(甲信越地方)屈指のパワースポット」といわれる神域です。

戸隠神社は、いわば「5つの神社の集合体」で、ひとつの神社だけを指すものではありません。

具体的には「奥社」(おくしゃ)「九頭竜社」(くずりゅうしゃ)「中社」(ちゅうしゃ)「火之御子社」(ひのみこしゃ)「宝光社」(ほうこうしゃ)の5社からなり、「天の岩戸伝説」ゆかりの神々がお祭りされています。

そのため戸隠神社を参拝するにあたっては、5社を回るのが基本といえますが、旅の時間に制約のある場合は、メーンのお社「奥社」を優先して参拝するのがおすすめです

とくに全長約2kmに及ぶ奥社の参道は必見。

また奥社のすぐそばには、龍神が鎮まる「九頭竜社」もあり、パワースポットとしても見逃せません。

実際、管理人が参拝したところ「ちょっとした不思議な展開」が待っていました。

 

今回は、戸隠神社5社を一番効率よくめぐる「おすすめの順番」、駐車場・アクセスといった基本情報のほか、各社のご利益、パワースポットの見どころなどを網羅的にまとめました。

とくに御朱印を集める方は、実際に現地を歩いた者にしか書けない必見の情報を盛り込んでいますので、ぜひ読んでみてください。

(2022年6月データ更新)

Contents

休日の混雑踏まえた「おすすめの回り方」

戸隠神社5社めぐりのマップ

戸隠神社5社めぐりは、マイカーを利用しても「そこそこの距離を歩く」のが前提になります。

大鳥居と奥社の間を往復するだけでも、約4kmの道のりに。

5社をすべて歩いた場合、トータルで約8kmの道のりになります(下段に所要時間の目安)。

 

そのため、体力に自信のない方は「平日」にマイカーで行くのがベストです

戸隠観光協会によると「平日は紅葉のベストシーズンでさえ駐車場の心配がなく、参拝の順番をあまり気にする必要がなくなる」とのことです。

 

逆にいえば、戸隠神社5社めぐりで最も注意が必要なのは「休日の混雑」(土日祝)ということになります

戸隠観光協会の話によると、2022年6月現在、自粛ムードが遠のき、参拝者の数も相応の水準にまで戻ったようです。

公共の交通機関を使うのであれば特段留意する必要もありませんが、マイカーで行く場合、休日の戸隠神社は駐車場待ちの行列ができる上、渋滞が発生することもしばしばです。

とくに駐車スペースが3台分しかない火之御子社は、確保するのがかなり困難といえます。

こうした実態を踏まえてまとめたのが以下の「休日のおすすめ順路」です。

 

マイカー利用 一番効率的な順番は?

休日に戸隠神社5社をめぐるには、以下の順で回るのが効率的です。

  • 奥社(おくしゃ)
  • 九頭竜社(くずりゅうしゃ)
  • 中社(ちゅうしゃ)
  • 火之御子社(ひのみこしゃ)
  • 宝光社(ほうこうしゃ)

この順路が一番効率的な理由は、大きく3つあります。

  • 奥社から宝光社までの道は基本「下り坂」。逆ルートをたどるよりも体力的にはるかに楽
  • 奥社周辺にある駐車場の収容台数はトータルで300台近くあるのに対し、宝光社は台数が少なく不確定要素も多い
  • 行って帰っての無駄な動きが出ない

 

この順番で5社をめぐる場合、まず奥社の駐車場に「午前9時」までに車を止めて、5社を歩いてめぐるのが最も安定しています。(歩く距離は計約8km)

また、歩く距離を極力縮めたい方は、奥社・九頭竜社を参拝した後、駐車場の空き待ちを覚悟で車で「中社」まで行くのがおすすめです。(同約6km)

 

中社には有料・無料の駐車場が完備されていて、収容台数にも比較的ゆとりがあります。

戸隠観光協会によると、かなり混雑していても「せいぜい30分待ち程度で済む」そうです。

また、20分~30分間隔で運行している「シャトルバス」を利用する手もあります(運賃1日500円、下段に詳細)。

 

ただし、中社から先「火之御子社」と「宝光社」は歩いていくのが無難です。

宝光社は有料分を含めても50台程度、火之御子社に至っては駐車スペースが3台分しかなく、いろいろと不確定要素が目立ちます

どこまでリスクを織り込むかということになりますが、宝光社に車を止めて5社をめぐる人が続出すれば、長時間にわたって駐車場がなかなか空かない事態も想定されます。

中社から宝光社までは「神道」という専用の参道まで存在しているため、「徒歩での参拝が前提になっている」ともいえそうです。

 

宝光社を参拝した後は、「路線バス」を使って最後に車を止めた駐車場に戻ります

ここが「おすすめ順路最大のポイント」といえます。

 

路線バスはおおむね1時間に1本しかありませんので、時間的な制約の少ない「帰り道」に利用するのが妥当です。

満員の場合はすぐさま増便が来ますので「乗れない」という心配はありません。

奥社に向かうバス乗り場は、以下の地図に示す「戸隠神社宿坊 山本館」の前となります。(地図上Pは宝光社の無料駐車場、バス時刻表は下段に掲載)

宝光社のバス停のマップ

 

公共交通機関で行く場合

公共の交通機関を使って戸隠神社に行く場合、戸隠神社5社を回るおすすめの順番は以下の通り。

マイカーで巡るルートと同じです。

  • 奥社(おくしゃ)
  • 九頭竜社(くずりゅうしゃ)
  • 中社(ちゅうしゃ)
  • 火之御子社(ひのみこしゃ)
  • 宝光社(ほうこうしゃ)

 

奥社から宝光社を目指すこの順路だと「下り道」を歩くメリットが生かせます。

逆の順路よりも体力的にずっと楽になるわけです。

また、奥社から中社までの間に限り、20~30分間隔で運行している「シャトルバス」も利用できますが、路線バスに比べて運賃が少し割高になります(下段に詳細)。

 

路線バス時刻表

路線バス時刻表(長野~戸隠高原)

長野駅戸隠宝光社戸隠中社戸隠奥社入口
7:007:578:048:08
8:209:17 9:249:28
8:309:279:349:38
9:4010:3710:4410:48
10:4011:3711:4411:48
11:3012:2712:3412:38
12:3013:2713:3413:38
13:3014:3214:3914:43
15:1016:1216:1916:23
16:1017:1217:1917:33
17:2018:2218:2918:33
18:3019:3219:41

※2022年4月1日~12月上旬
冬季は奥社入口まで行きません

 

路線バス時刻表(戸隠高原~長野)

戸隠奥社入口戸隠中社戸隠宝光社長野駅
6:426:487:48
7:477:538:58
8:428:458:539:58
10:0710:1010:1811:23
10:2410:2710:3511:35
11:2711:3011:3812:38
12:2712:3012:3813:38
13:2713:3013:3814:38
14:2714:3014:3815:38
15:1715:2015:28 16:28
16:0416:0716:1517:15
16:1716:2016:2817:28
17:1717:2017:2818:28

※2022年4月1日~12月上旬
※土日祝ダイヤ

 

シャトルバスについて

戸隠神社を参拝するに当たり、シャトルバスの利用はあまりおすすめできません。

肝心の中社~宝光社の間は経由しないためです

運行間隔が20~30分と路線バスよりも短いため、奥社から中社への移動手段としては使えますが、料金が1日500円と割安感に乏しく、家族単位で回る場合はかえって高くつきます。

時間との戦いとなる「5社の御朱印集め」を目指す人は、時間短縮の手段として活用を視野に入れるのもありです

ただし、バスが来るタイミング次第では、時間短縮の効果がまったく出ません。

 

所要時間(徒歩)

各社の移動にかかる所要時間は、以下の通りです。(参拝時間は含めていません)

  • 奥社・九頭竜社~大鳥居:往復1時間30分
  • 奥社大鳥居~中社:徒歩30分(車で5分)
  • 中社~火之御子社:徒歩18分(車で3分)
  • 火之御子社~宝光社:徒歩13分(車で2分)

 

有料・無料駐車場について

宝光社の駐車場

戸隠神社には、5社それぞれに駐車場があります。

駐車場はとても分かりやすいところにありますので、案内板に従えば、あまり迷う心配はありません。

唯一、宝光社の無料駐車場が少しわかりにくいかもしれませんので、不安な方は(バス停・宝光社の位置を示す)上段のマップを参考にしてください。

 

以下、各社の駐車場のポイントをまとめました。

  • 奥社・九頭竜社は「有料」のみ。収容台数は少し離れた民間駐車場を含めトータル約200台(奥社大鳥居前は1回600円)
  • 中社は「有料」「無料」2種類の駐車場があり、駐車スペースは計100台
  • 火之御子社は「無料」のみで3台分の駐車スペースしかない
  • 宝光社は「有料」「無料」2種類の駐車場があるが、有料駐車場を含めて駐車スペースに限りがある

ちなみに管理人は今回、以前の反省を踏まえて平日に参拝したため、有料駐車場の利用は奥社だけで済みました。



おすすめの回り方 おさらい

  • イチオシは平日の参拝
  • 休日は午前9時までに奥社に車を止め、奥社、九頭竜社、中社、火之御子社、宝光社の順にめぐるべし
  • 最後に車を止めた駐車場に戻るのに「路線バス」を利用すると便利
  • 少しでも時間を短縮したいときは、発着のタイミング次第でシャトルバスを利用するのも手
  • 駐車場にお金をかけたくない人は朝一番に「宝光社の無料駐車場」を確保し、路線バスで奥社に向かうべし

御朱印の注意点&基本情報

奥社、中社、宝光社の御朱印

休日に戸隠神社を参拝する場合、戸隠神社5社の御朱印集めは「時間との戦い」になります。

御朱印を頂くのに1時間以上かかるケースもあります。

戸隠神社5社の御朱印はすべて手書きとなる上、対応する神職の人数も限られているためです

 

これを知らずに、途中で戸隠神社5社の御朱印集めを断念してしまう人も少なくないそうです。

戸隠神社5社の御朱印を頂くには「平日がベスト」といえますが、休日でも午前9時から参拝すれば、5社の御朱印制覇も不可能ではありません。

九頭竜社、火之御子社の御朱印

 

ただし、御朱印の授与は参拝が条件となり、これを割愛して頂くことはできません。

また例年1月初旬から4月中旬までの間、積雪の関係で奥社・九頭竜社が閉鎖され、参拝自体ができなくなります。

つまり、冬場は5社の御朱印が物理的に集められなくなりますので、注意が必要です。

 

御朱印にまつわる基本情報は以下の通りです。

御朱印を頂く場所

  • 奥社=奥社授与所
  • 九頭竜社=奥社授与所
  • 中社=中社授与所
  • 火之御子社=中社授与所もしくは宝光社授与所
  • 宝光社=奥社授与所

営業時間:AM9:00~PM5:00

初穂料:各300円

 

5社めぐりで「参拝記念しおり」も

戸隠神社参拝記念のしおり

戸隠神社5社の御朱印をすべて集めると、九頭竜大神をあしらった「参拝記念しおり」が頂けます。

上の写真がその実物です。

少しハードルが高い分、ちょっと嬉しいプレゼントといえます。

なかなかかっこいいデザインで、とても実用的です。

戸隠神社 神様とご利益は?

天の岩戸伝説のイメージ

神話の時代、「天手力雄命」(あめのたぢからおのみこと)という剛力の神様が投げ飛ばした「天の岩戸」がこの地に落ちて生まれたとされる戸隠山。

その山麓に位置する戸隠神社には、「天の岩戸伝説」にちなんだ神々が祭られています。

 

天の岩戸伝説は、太陽神「天照大神」(あまてらすおおかみ)が弟・素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴な振る舞いを嘆き、岩戸のなかに引きこもったことで、世界が闇に包まれたというお話。

そんな地上最大のピンチを救ったのが、戸隠神社に祭られる神々でした。

妖艶な踊りで天照大神の気を引き、岩戸が薄く開かれたところで、一気に勝負に出る――。

はるか遠い昔、戸隠の神々の尽力がなければ、この地に二度と太陽が昇ることはなかったのかもしれません。

 

ここでは、戸隠神社5社にお祭りされる神様とそのご利益、見どころについてまとめました。(パワースポット情報は下段の別枠)

 

奥社 開運・勝負運UP

奥社の社殿

天の岩戸をこじ開けて天照大神を連れ戻した神様「天手力雄命」(あめのたぢからおのみこと)。

その後、天から降りた天手力雄命は、九頭竜大神に迎えられ、この地に定住を決めたと伝わります。

無双の神力から「力の神様」としてあがめられていて、スポーツをはじめとする勝負運、開運へのご利益があるといわれます

 

そんな力強い神様を祭る奥社は、戸隠神社の「本社」に当たり、必ず参拝しておきたいお社です

とくに、参道の杉並木には得も言われぬ清涼感があり、片道約2kmの道のりも森林浴さながらであっという間。

また、立冬・立春になると「パワースポット」としての側面が一段と色濃くあらわれ、参道に沿って一直線にご来光が差し込みます。

神仏習合時代は、宿坊が立ち並び、奥社も伽藍(がらん)のひとつだったと伝わります。

 

九頭竜社 縁結び・魔除け

九頭竜社の社殿

「天の岩戸伝説」が戸隠神社に根付くよりもずっと古くから、この地を守護してきた地主神「九頭竜大神」。

そんないにしえの龍神をお祭りしているのが、九頭竜社です。

ひとつの尻尾と九つの頭を持つ龍神様は、水を司る神様として、その伝承とともに数多くの神社にお祭りされています。

なかでも、戸隠神社の九頭竜社は、山伏(修験者)にとりわけ神聖視されてきたパワースポット。

立冬・立春のタイミングで参道に朝日が昇るのも実は偶然ではなく、奥社と九頭竜社が「聖地たるゆえん」にもなっています。

 

標高1904mの戸隠山と一体化したような神聖なたたずまいと、周囲の御神気に触れると、心が洗われそうです。

 

九頭竜社では、雨乞いや縁結び、魔除けのご利益がうたわれているほか、九頭竜大神の好物である梨をお供えすると歯痛が治るという言い伝えも

また龍神を祭る神社は一般的に、運気アップのご利益で知られます

 

一方、九頭竜社はパワースポットとしても注目を集めていて、取材当日もなかなか手荒な歓迎を受けました(後段に詳細)。

ちなみに、福井県の九頭竜川流域に息づく龍神信仰とは別系統の神様です。

 

中社 学業成就

中社の社殿

天の岩戸に隠れた天照大神にお出まし願う作戦を練ったのが「天八意思兼命」(あめのやごころおもいかねのみこと)という神様で、中社の御祭神になります。

天八意思兼命は、神話の重要な局面で幾度か登場する「知恵の神様」として知られ、学業成就、受験合格、商売繁盛などのご利益があるといわれます

 

修学旅行でしょうか、この日も大勢の児童が参拝する光景をみかけました。

見どころも「さざれ滝」「戸隠の三本杉」などたくさんあり、「中社こそ戸隠神社の最強パワースポット」という声もあります。

また、奥社などが閉鎖される冬場は、戸隠神社の総合窓口としての役割を果たすお社でもあります。

 

火之御子社 芸能上達

火之御子社の社殿

火之御子社は、天の岩戸の前で艶やかに舞い、天照大神の興味を誘った「天鈿女命」(あめのうずめのみこと)をお祭りしています。

芸能上達、防火などのご神徳があるとされ、神仏習合時代にあっても、このお社だけは純粋な神社としてお祭りされてきたそうです

 

火之御子社の境内にそびえる夫婦杉には「夫婦和合」の信仰が寄せられています。

天の岩戸にゆかりの深い神々を祭る「戸隠三社」の一社ですが、無人のお社になっていて、他のお社とは少し雰囲気が異なります。

人の気配も少なく、ゆっくり参拝することができそうです。

 

宝光社 女性・子供守護

宝光社の社殿と参道の階段

宝光社にお祭りされるのは天表春命(あめのうわはるのみこと)。

中社に鎮まる「天八意思兼命」(あめのやごころおもいかねのみこと)の子どもに当たる神様です。

女性や子供の守り神としてあがめられています

 

宝光社のお社は江戸末期の建築で、戸隠神社5社のなかでは最古だそう。

これは、他のお社が雪でつぶれたり、火事で焼けたりしたためともいえますが、拝殿の彫刻は素晴らしく、見どころの一つになっています。

 

ただ、管理人が一番感激したのは、270段の階段を上った先にみる荘厳なたたずまい。

また階段の中間付近、右手にあらわれる開けた空間には、神仏習合時代の残り香が漂う石仏などが鎮座しています。

体力に自信のない方は、緩やかな傾斜を描く迂回路「女坂」の利用がおすすめです。



見どころパワースポット

2010年秋に放映されたJR東日本のCMを機に、参拝客が激増した戸隠神社。

全国からの観光客が詰めかけ、往時は混乱に近いにぎわいをみせたそうです。

さらに、この人気に拍車をかけたのが「パワースポット」としての評価でした。

地元の方いわく、少々過熱気味だった当時に比べると、観光客の数もこの数年で随分落ち着きをみせているそうですが、ある意味で、いまがチャンスかもしれません。

テレビなどで紹介され、度を超す人気が再燃するより先に、戸隠神社を参拝してみてはいかがでしょうか。

ここでは、戸隠神社の「パワースポットの側面」に光を当てました。

 

奥社 参道

奥社へと続く美しい杉の参道

戸隠神社を参拝するにあたり、外せないのは奥社・九頭竜社に続く参道です。

入口の大鳥居から片道約2km、往復1時間半ほどの道のりで、森林のなかに延びる一筋の道を奥社を目指して歩きます。

両脇には山から注ぐ霊水が流れて、野鳥のさえずりも耳に心地よく、歩いているだけで心身が清められそう。

立冬と立春の前後わずかなタイミングに限り、参道に沿って神秘的な朝日が昇ります。

 

そんな神聖さをたたえる参道ですが、圧巻は中間地点の随神門から先、樹齢400年を数える杉の巨木の並木道です。

この光景に魅せられて、戸隠神社を旅する人も少なくありません。

吉永小百合さんが出演するJR東日本のCMの舞台になったところでもあります。

戸隠神社を全国に知らしめるきっかけになったのも、このCMだったといわれ、吉永さんがなかに入った杉の木の空洞も健在。

ただ、いまは注連縄がわたされていて、立ち入ることができません。

それは、「根を踏むと樹木が傷む」ことの象徴ともえいます

 

さらに先へ進むと、傾斜のある階段があらわれ、奥社・九頭竜社までのラストアクセスとなります。

 

道中、お地蔵さんの姿や院坊跡の石積みなどがみられますが、これは神社が建つよりずっと前、修験道の聖地だった時代の名残です。

 

さざれ滝

虹を描くさざれ滝

中社の本殿右手に注ぐ滝は「さざれ滝」と呼ばれ、戸隠神社の「パワースポット」として注目のポイントです。

さざれ滝がきれいに整備されたのは、いまから10年ほど前のことですが、いにしえの時代からある「自然の滝」がベースになっています。

さざれ滝のゆえんについて、戸隠神社に確認してみたところ、実ははっきりしていません。

「少なくとも九頭竜大神をお祭りしている場所ではない」というのが公式見解でした。

 

その一方で、この滝に「龍」を感得する人が多いのは事実のよう。

神社のあずかり知らぬところで、ある種の龍神信仰が寄せられていて、滝のそばにある像も、神社が置いたものではないものだといいます。

 

そこに何を感じるかは、個人の感覚にゆだねられるといったところでしょうか。

いずれにしても、とても神秘的な滝であるのは間違いありません。

この日も、神聖な滝には美しい虹がかかっていました。

 

戸隠の三本杉

そびえたつ戸隠の三本杉

立派な杉は奥社だけではありません。

中社近辺には古来からのご神木「戸隠の三本杉」があります。

高さはそれぞれ37m~42mで、樹齢は800年といわれます。

この3本杉は、中社の鳥居を中心に正三角形の配列で並んでいます

 

とてもミステリアスなレイアウトですが、どんないわれがある杉なのか。

この三本杉は、意図せぬところで人魚の肉を我が子に食べさせてしまった漁師が植えたものと伝わります。

それは、命乞いする人魚の命を無下に奪ったことにより、3人の子を失ってしまうという悲しい物語です。

この漁師、夢のお告げに従ってお坊さんになり、三本杉を植えた後、戸隠三社(中社・中社・火之御子社)に八百回お参りし、罪を償ったそうです。

 

パワースポットというよりは、無益な殺生をとがめるシンボル的な存在といえるかもしれません。

地元ではそんな伝承とともに、大切なご神木として手厚く守っています。

ユニークなおみくじ

戸隠神社では、奥社、中社、宝光社の授与所で、とてもユニークなおみくじを引くことができます。

参拝者に代わって神職が祝詞(のりと)をあげて引くという、ある意味で本格的なものです。

ちょっとした豆知識ですが、おみくじをを引く前に、知りたい内容や時期などを明確にイメージしておくと、占いの効果がアップするといわれます

 

おみくじをお願いする際に、自分の年齢を伝えねばなりませんが、伝える齢は「数え年」で。

数え年は、生れた年を1歳として、「新年」を迎えるたびに1歳加える古い年齢の数え方です。

数え年の割り出し方は、すでに誕生日を迎えている人が「満年齢プラス1歳」、まだの人が「満年齢プラス2歳」と覚えておくと便利です。

現地の案内板でも紹介されています。

 

初穂料(料金)は300円。

子供向けの子供みくじもあります。

不思議な体験談も

突然ゲリラ豪雨に見舞われた九頭竜社

戸隠神社の参拝時に起きた、ほんの少し不思議な出来事――。

偶然にしてはあまりにも奇妙な展開だったため、書くことにしました。

内容は「不思議な雨」にまつわる話です。

「信じるか信じないかはあなた次第」ということで、この手の話題に興味のある方は、ぜひお読みください。

 

諏訪大社(長野県)を訪ねたときのこと。

取材中、とても不思議な女性と話す機会に恵まれました。

地元の方という以外、素性は分からぬままで、きっともうお会いすることもありません。

参拝の動機や実際にあったご利益話を伺おうと、取材のつもりでこちらから話しかけた形です。

 

この女性、いわゆる「スピリチュアルな方」で、一定の周期ごとに社殿をめぐる神様が存在するなど、当編集局のアドバイザー並みに話がぶっ飛んでいます。

そして別れ際に「(今回の取材で)あなたが龍神様を祭る神社を訪ねたおりには、きっと雨が降る」といった“予言の置き土産”を残してくれました。

実際、当日も雨でした。

 

正直なところ、「まあ珍しい話でもない」とあまり気にかけずにいたのですが、その雨の降り方があまりにも神秘的で力強く、ある種の「神々しさ」さえ感じるものでした。

 

九頭竜社へのラストアクセスとなる階段を上り切ったときのこと――。

2kmに及ぶ道のりを超え、ようやく視界にとらえた九頭竜神社の社殿の姿に、こみ上げる感慨もひとしおでした。

「やっと着いた…」。

そんなため息を漏らした次の瞬間です。

バチバチと水の爆ぜる音が周囲にこだまし、南国のスコールを思わせるような激しい大粒の雨が降りはじめました

先ほどまでの晴天がまるで嘘のように、頭上には暗雲が立ち込めています。

九頭竜社の軒先で横一列に雨宿りする人の群れに加わり、そのまま参拝を済ませると、今度はピタッと雨がやみ、中社に着くころには、澄み渡る夏空に戻っていました。

打って変わって夏空が広がる中社

このゲリラ豪雨、仮にくだんの女性が指摘した通りのものだとするならば、「荒ぶる龍神の手荒な歓迎」だったのかもしれません。

念のため、同行した家族に傘を持たせたのは正解でした。

そして、話はこれだけで終わりません。

 

毛谷黒龍神社でも

毛谷黒龍神社に降り注ぐお天気雨

この一件、「たまたま絶妙のタイミングで豪雨に見舞われた」といえば、それまでです。

実際、取材したのがちょうど梅雨から夏に切り替わるタイミングだったこともあり、ありえない話ではありません。

ところが、翌日に取材した毛谷黒龍神社(福井市)でも、参拝のおりに不可解な雨に見舞われました。

雨脚の強さが印象的だった九頭竜社に対し、こちらは晴天に注ぐ神秘的なお天気雨といった具合です(写真上)。

あまりにも「露骨な神秘」に、とても驚きました。

詳細は毛谷黒龍神社の記事にまとめていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

毛谷黒龍神社の記事はこちら



アクセス

ここでは、戸隠神社に至るアクセス情報をまとめました。

駐車場情報や現地の回り方は上段に詳しくまとめています。

 

車で行く場合

  • 上信越自動車道「長野IC」下車、約1時間
  • 上信越自動車道「信濃町IC」下車、約25分

 

公共交通機関の場合

長野駅~

路線バス・70系統「戸隠高原行き」乗車

  • 「戸隠宝光社」下車すぐ(乗車時間約1時間)
  • 「戸隠奥社入口」下車すぐ(同約1時間10)

時刻表は上段「路線バス時刻表」の項目参照

戸隠神社 まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、長野が誇る一級パワースポット「戸隠神社」についてご紹介しました。

長野には戸隠神社の他にも、ゼロ磁場で知られる「分杭峠」やディープな歴史を持つ「諏訪大社」など、魅力的なパワースポットが点在しています。

記事にまとめていますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

長野のパワースポットまとめはこちら

 

戸隠神社のまとめは以下の通りです。

  • 戸隠神社は天の岩戸伝説ゆかりの神々を祭る聖地
  • 戸隠神社を参拝する理想のタイミングは平日
  • 休日は道も駐車場も激しく混雑する
  • 戸隠神社5社の回り方は奥社、九頭竜社、中社、火之御子社、宝光社の順がおすすめ
  • 最後に車を止めた駐車場に戻る際は路線バスを利用すると便利
  • シャトルバスは割高で使い勝手が悪い
  • 御朱印めぐりは時間との戦いになる
  • 奥社の杉並木の参道は必見
  • おみくじがとてもユニーク
  • さざれ滝は九頭竜大神を祭るものではないが民間信仰が根付いている
  • 名のあるパワースポットだけにやっぱり不思議なことが起きた

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

引き続きご愛読の程、よろしくお願いいたします。

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