「大斎原」(和歌山県田辺市)は、熊野本宮大社の主祭神「家津美御子大神」(けつみこおおかみ)が降臨したとされるパワースポットです。
大斎原の読み方は「おおゆのはら」。
大斎原は、もともと熊野本宮大社のあった場所で、こちらには閉門時間はありません。
熊野本宮大社から歩いて10分ほどの川沿いに鎮座しており、日本一大きな鳥居があることでも知られています。
今回は熊野本宮大社に引けを取らないパワースポット「大斎原」について、歴史や御朱印、アクセス、駐車場情報などを含めて紹介します。
Contents
かつての熊野大社~大斎原の歴史~
かつての熊野本宮大社は、およそ1万1千坪の境内に5棟12社の社殿が立ち並んでいました。
熊野権現という12柱の神様は、大斎原でそれぞれ「上四社」、「中四社」、「下四社」に祭られていました。
摂社・末社もたくさんあったほか、神楽殿、能舞台、文庫、宝蔵、神馬舎などがずらりと並び、いまの熊野本宮大社の8倍もの規模を誇ったとされます。
大斎原は「日本第一霊験所」、つまり日本最強のパワースポットとして超巨大な熊野大社が鎮座する地だったわけです。
大斎原にあった熊野本宮大社がいまの場所に移されたのは、明治22年8月、大水害に見舞われたのがきっかけです。
「上四社」は現在の熊野本宮大社に移され、「中四社」、「下四社」、「境内摂社・末社」は、大斎原のほこらでお祭りする形になりました。
中州だった大斎原
もともとこの地は、熊野川・音無川・岩田川の3つの川の合流点にありました。
江戸時代までは橋が架けられず、参詣者は音無川をわらじを濡らして本宮を目指さねばなりませんでした。
参詣者は音無川の流れに足を踏み入れ、冷たい水に身と心を清めてからでなければ、本宮の神域に入ることは叶わなかったわけです。
そして、足もとを濡らしたまま宝前に額づき、夜あらためて参拝奉幣するのが作法だったようです。
いまでこそ、手水舎(てみずや)で両手と口をすすいで身を清めるのが当たり前になっていますが、昔は川や滝でみそぎを行うのが一般的でした。
自然の川や滝には邪気を払う力があるとされますので、理にかなった方法といえます。
また、仏教が重んじられた時代には、岩田川を「三途の川」に見立てて何度も行き来する習わしもありました。
これで、浄土に当たる「本宮」に入る準備を整えたわけです。
熊野の地は「異界」「根の国」に位置づけられますが、魔界のような怖い場所ではありません。
むしろ、神秘的な「女性の胎内」に重なるイメージです。
老若男女も貴賤も浄不浄も問わずに受け入れてくれる熊野の神仏――。
「よみがえり」を求め、多くの人が蟻の行列をつくったのもそのためです。
大斎原 高い評価のパワースポット
大斎原は、熊野本宮大社に引けを取らないパワースポットとして知られます。
というのも、大斎原はもともと熊野本宮大社があったところであり、主祭神が降臨した神聖な場所に当たるためです。
「奥宮」や「旧社地」などと呼ばれるところは、強力なパワースポットであるケースが多いものです。
もちろん、炭酸の抜けたサイダーのようになる場所もありますが、大斎原は和歌山屈指の超強力なパワースポットとして今も注目を集めます。
管理人が取材に出向いた当日も、大斎原には朝早くから石のほこらに祝詞(のりと)をあげるスピリチュアルな参拝客がみられました。
撮影禁止の神域
大斎原には、12柱の神さまからなる「熊野権現」の8柱と熊野本宮大社の末社が、それぞれ石のほこらにお祭りされています。
石のほこらは2つ並んでいて、左側が熊野権現8柱、右側が元境内摂末社です。
水害前の本殿のようすは、境内の案内板で紹介されている当時の写真からうかがい知ることができます。
無許可での撮影は禁じられていますが、英語表記では「for professional」と書いてありましたので、個人が撮影するには問題がないのかもしれません。
ただ、「聖域のため、みだりに写し、他に利用してはならない」との注意書きもありました。
ご利益を求める方は、節度を持った撮影が好ましいものと思われます。
日本一の大鳥居
俗世と神域を分かつ境界・結界の役割を果たす鳥居。
鳥居と一口にいっても、「明神(みょうじん)鳥居」、「稲荷鳥居」、「台輪(だいわ)鳥居」、「山王(さんのう)鳥居」など、いろんな種類があります。
全国津々浦々、すべての鳥居の中で日本一の高さを誇るのが、この大斎原の大鳥居です。
なかなか写真では伝わりづらいかもしれませんが、大斎原の鳥居の高さは何と約34mに及びます。
これは、日本ざっと11階建てのビルの高さに相当するスケールです。
見上げる者を圧倒する、あまりにも巨大な大斎原の鳥居は必見です。
産田社(うぶたしゃ)
引用元:ウィキペディア
もうひとつ、熊野本宮大社で忘れてならないのが「産田社」(うぶたしゃ)の参拝です。
熊野本宮大社と大斎原の中間地点にあります。
このお社には、伊邪那美命(いざなみのみこと)の荒御魂(あらみたま)がお祭りされています。
荒御魂というのは、神様の荒々しい側面を指します。
熊野本宮大社の説明では、「新たなものを生み出すパワーを感じる神社」で、特に願いが叶いやすいとされます。
子授け・安産のご利益がありますので、ぜひ、大斎原に向かう前に立ち寄ってみてください。
大斎原 御朱印
大斎原に社務所などはありません。
大斎原の御朱印は、熊野本宮大社の授与所で頂けます。
お値段は300円。
産田社の御朱印も、熊野本宮大社の授与所で頂けます。
熊野本宮大社の授与所は社務所のすぐそば、本殿に向かって右手にあります。
大斎原基本情報 祭神・地図・住所
- 住所:和歌山県田辺市本宮町本宮1(熊野本宮大社から徒歩10分)
- 電話:0735(42)0735
- 拝観:無料(閉開門時間なし)
- 駐車場:無料(熊野本宮大社駐車場を利用)
※熊野本宮大社のすぐそばと河川敷にあり、すぐに分かります。
御祭神
第五殿 忍穂耳命(おしほみみのみこと)
第六殿 瓊々杵命(ににぎのみこと)
第七殿 彦穂々出命(ひこほほでみのみこと)
第八殿 鸕鶿草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)
<下四社>
第九殿 軻遇突智命(かくつちのみこと・火の神)
第十殿 埴山姫命(はにやまひめのみこと・土の神)
第十一殿 弥都波能売命(みづはのめのみこと・水の神)
第十二殿 稚産霊命(わくむすびのみこと)
元境内摂社・末社
- 八咫烏社
- 音無天神社
- 高倉下神社
- 海神社
- その他
大斎原 駐車場&アクセス
熊野本宮大社の駐車場が利用できます。
熊野本宮大社の専用駐車場は2カ所あり、いずれも無料です。
熊野本宮大社のすぐそば(樹の里駐車場)と、河川敷にあります。
樹の里駐車場の収容台数は30台。
看板が出ていますので、まず迷うことはありません。
ただ、お土産屋さんの駐車場を兼ねていて、すぐに満車になります。
一方の河川敷側は、スペースにかなり余裕があります。
朝一番で行くと、ほとんど車は止まっていませんでした。
入口は以下の写真のイメージです。
大通り沿いに巨大な案内板がありますので、こちらも迷わずにたどり着けます。
駐車場から大鳥居まで歩いて5分もかかりません。
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電車とバスでのアクセス
■JR紀勢本線「新宮駅」~
奈良交通もしくは熊野交通(約1時間30分)
※熊野交通に3日間のフリー切符有、大人3000円・小人1500円
■JR紀勢本線「紀伊田辺駅」~
明光バス、もしくは龍神バスで本宮大社前下車(約2時間15分)
車でのアクセス
■名古屋方面から
⇒紀勢自動車道(無料区間)尾鷲北IC下車、約1時間30分
■大阪方面から
⇒紀勢自動車道(無料区間)上富田IC下車、約1時間15分
※大阪方面からは他にも、十津川村経由で山道を抜けるルートがあります。
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熊野本宮大社 まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は大斎原を紹介しました。
まとめは以下の通りです。
- 大斎原は熊野大社があった場所
- 大斎原には日本一大きな鳥居がある
- 大斎原は中州にあり、昔は川を歩いて渡ってアクセスし、みそぎした
- 大斎原は熊野権現の8柱を祭る
- 大斎原の境内は撮影禁止
- 大斎原はいまでも評価の高いパワースポット
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
大斎原は確かに評価の高いパワースポットですが、大本命は「熊野本宮大社」かと思われます。
熊野三山はすべて記事にしておりますので、どうかご参考にしてください。
またパワスポ編集局では、和歌山最強パワースポットのまとめ記事も掲載しています。
今後、一段と内容を充実させてまいりますので、どうか引き続きご愛読いただきますよう、よろしくお願いいたします。