浅い眠りのなかにみる不思議な夢。
いにしえの時代の人たちは、これを「魂の記憶がみせる映像」と考えたり、「霊的なお告げ」と捉えたりしていたそうです。
実際、夢のお告げに導かれて創建した神社やお寺は、それこそ枚挙にいとまがありません。
ただ、いまは睡眠を科学する専門家の間でメカニズムの解明作業が進み、「生理現象のひとつ」として一応の仮説が立てられています。
つまり夢の正体は、頭の中の記憶を整理・掃除するときに生まれる「ノイズ」、もしくは「深い心の傷のあらわれ」などと考えられるようになったわけです。
とはいえ、いくらメカニズムの解析が進んだところで、「説明のつかない不思議な夢」が存在するのも確か。
宝くじ(ナンバーズ)の当選番号を知らせる正夢だったり、身の危険を暗示する予知夢だったり…。
それは、人が持つ力の未知の可能性、あるいは、見えない世界が存在する状況証拠といえるかもしれません。
今回は、そんな偶然の一言では片づけられない「不思議な夢にまつわる7つのエピソード」をまとめました。
Contents
「ナンバーズ」の当選番号あらわる!
最初にご紹介するのは、強烈な予知夢の話題。
これは、パワスポ編集局の「管理人の奥さん」が体験した実話です。
彼女は、大学生の時分、毎日のように予知夢をみました。
それは、ワイドショーのワンシーンであったり、バイト先に珍しいフルーツが届く夢だったりと、とくに驚くような内容ではありませんでした。
ところが、彼女にちょっとした「いたずら心」が芽生えます。
連日のように続く正確な予知夢を逆手にとって、実験的な意味合いから、寝る前に「ナンバーズ3」を強く意識してみたそうです。
ちなみにナンバーズ3は、3桁の数字を予想する宝くじで、並びまで正確に予想する「ストレート」と、順不同の「ボックス」の2種類があります。
実験初日にして、成果はありました。
夢でみた数字を朝起きてすぐに書き止めておき、実際、1口買ってみたところ、何と、数字はすべて的中していたそうです。
軽い遊び心で挑戦した実験だけに、怖くなった彼女は「予知夢はもうみたくない」と強く意識するようになり、以降、連日続く正夢から解放されたといいます。
ただ、いまもその片鱗は残っていて、「特有の嫌な感じで起きた朝にはかなりの確率で悪いことが起きる」と語っています。
沖縄の霊能者がみる夢
沖縄には、いまも「ユタ」と呼ばれる民間のシャーマンが存在します。
冠婚葬祭や引っ越しなどに際して助言を与える霊能者で、1000年以上の歴史を誇ります。
往時は「医者半分、ユタ半分」といわれるほど、島人(しまんちゅ)の暮らしに密着した存在でした。
そんな沖縄の伝統をいまに伝えるユタですが、実は誰しもがなれる職業ではありません。
「みずから志す」のではなく、もともと霊感の強い人が「神様に選ばれる」という性格のものだからです。
ユタには神や先祖と交信する力があるとされ、決まって「カミダーリ」という試練を潜り抜けることになりますが、多くの場合、自身の運命を知る最初のきっかけが「夢のお告げ」です。
その内容・メッセージは個々人によってさまざまですが、「地域共通の夢」なども存在するといわれます。
また宮古島では、神事を担う女性のリーダー「神司」(つかさ)を「くじ引きの要領」で決めますが、この重役に選ばれる人もまた、「事前に夢でみたので覚悟はしていた」と口をそろえていました。
太古の昔の人たちが、夢を「霊的なお告げ」と捉えたのも、実はある一面で正解だったのかもしれません。
「予知夢」を超える力がある!?
「夢のお告げ」自体は、実はそんなに珍しいものではありません。
夢と現実の不思議な符号は、案外、ありふれた話といえるのではないでしょうか。
ただ、「夢のお告げ」を単なる生理現象として処理するのに、どうしても疑問が残る実話があるのも事実です。
なかでも驚くべきは、夢のお告げを言い当てて、アドバイスをする人がいることです。
ある男性が同僚との仲をこじらせ、命を落とす「夢」をみました。
実はこの男性、頻繁(ひんぱん)に予知夢をみる体質で、このときは「差し迫る身の危険」を感じたといいます。
悶々とする彼の前に翌日、ひょっこりと現れたのが、かねてより懇意にしている「お坊さん夫婦」でした。
このタイミングでの登場自体、不思議に思うところですが、開口一番、「お坊さんの奥さん」が放った言葉は、もっと強烈です。
「わかっているわね。我慢よ」
この日の夜、夢でみたのとまったく同じシチュエーションに立たされた男性は、争うことも我慢することもせずに、職場から逃げ出したそうです。
いわく、「登場人物のポジションまで同じだった」そうです。
再現フィルムを切り取ったようなこの夢、本当に生理現象が引き起こした「偶然の産物」なのでしょうか。
少なくともこの男性は「2人には俺の身に起きることが見えていたとしか思えない」と語っていました。
初夢の一富士二鷹三茄子には続きがある
お正月にみる縁起の良い「初夢」といえば、一富士二鷹三茄子。
これは縁起の良い順番に並んでいて、日本人にとっては一年の吉凶を占うなじみの深い風習といえます。
そのゆえんには諸説あります。
例えば富士山については、「末広がりの形だから」だとも、「富士は無事という言葉の響きに通じるから」だともいわれます。
いずれにしても、そのチャンスは年に1度と限られてくる分、なかなかお目にかかれるものではありません。
そのハードルの高さから、いずれかの初夢をみたことのある方は、期待膨らむとても嬉しい気持ちになったのではないでしょうか。
そんなお正月の楽しみともいえる初夢ですが、「一富士二鷹三茄子」の続きがあるのをご存知でしょうか。
「四扇五煙草六座頭」(しおうぎ、ごたばこ、ろくざとう)。
扇は「末広がり」を、たばこは「(運気)上昇」を、頭髪を剃った座頭は「怪我がない(毛がない)」を意味するのだとか。
「末広がり」、「上昇」、「怪我ない」という特徴は、富士、鷹、茄子にも当てはまります。
また地域によっては「四葬式」「五雪隠」(せっちん=トイレ)という説もあります。
六座頭まで含めると、初夢を楽しむチャンスも広がるはず。
お正月、知らずに煙草やトイレの夢を方には、思いがけない幸運が訪れるかもしれません。
花の窟神社 霊石にまつわる秘話
先ほども申し上げた通り、お告げや予知夢の類は、さして珍しいものではありません。
そのなかにはきっと「たまたま偶然が重なっただけ」という夢もあるでしょう。
ところが、遠く離れた地の不思議な出来事について、「親子同時に正夢をみる」というのは、ちょっとレアなケースではないでしょうか。
花の窟神社(はなのいわやじんじゃ、三重県熊野市)にある「霊石」には、そんなエピソードが伝えられています。
この神社は、「花の窟」と呼ばれる巨大な岸壁をご神体として祭るパワースポットで、国土と多くの神を生んだ女神・伊邪那美尊(いざなみのみこと)のお墓と伝わります。
神道の流れをくむ神社のなかでも、花の窟神社は聖地中の聖地に位置づけられ、えも言われぬ絶景が楽しめます。
件(くだん)の霊石は手水舎の脇にあって、地元からは「膝痛が治った」「恋愛が成就した」など、数々のご利益が報告されています。
またこの霊石は「丸い玉の形」をしているため、ソフトボールの日本代表メンバーからも厚い信仰が寄せられているそうです。
もともとは、ご神体「花の窟」の一部だったものですが、ある話をきっかけに、初代宮司さんが手水舎のそばまで運んできたそうです。
そのきっかけというのが、はるばる九州からこの聖域にやってきた「親子の夢」です。
宮司さんいわく、九州に暮らすこの親子の夢枕に「神様」が現れ、花の窟のご神体から生まれた霊石をお祭りするよう伝えました。
夢のお告げは、霊石の存在やその扱いまでを詳細に伝える内容だったそうです。
霊格の高い宮司さんやお坊さんが神託を受けて寺社を構えるのは「定番」ともいえるエピソードですが、親子同時というのは不思議と言わざるを得ません
何より、地元の方々が口をそろえる「ご利益」こそが、この話の信憑性を確かなものにしているように思います。
ご先祖様の助言で人生好転
ご先祖様が夢枕に現れて、人生を好転させる人もいます。
関西のローカル番組で多数のレギュラーを抱えるお笑い芸人、たむらけんじさんもその一人。
副業で焼き肉店を経営し、実業家としての顔も持つ関西の人気者ですが、なかなか売れない時期に、芸人の道を挫折しかけたことがあったといいます。
そんな迷いの中で、彼は島根にお墓参りに行きますが、その夜、夢枕に立ったのが「おばあちゃん」でした。
夢の中で「芸人、もう辞めようかな」と話すたむらさんに対し、彼の祖母は「もう少しだけ頑張るように」とアドバイスをくれたといいます。
これをきっかけに、再びお笑い芸人の道を力強く歩き出したたむらさんは、その後「ブレーク」を果たすことになります。
また、ハム・ソーセージ大手「丸大食品」の創業者、故・小森敏之氏にまつわる不思議な噂も耳にしました。
小森氏は先の戦争を生き残り、1954年、大阪に丸大食品を設立しますが、当初は腐りやすい肉をどう長持ちさせるかで、随分苦労されたそうです。
そんなとき、答えを授けてくれたのが「ご先祖様」でした。
夢枕に立ったご先祖様が「ニンニクを入れなさい」とアドバイスを授けたそうです。
いずれも、先祖供養の大切さを物語るエピソードといえるかもしれません。
繰り返し見る夢 前世での経験!?
最後にご紹介するのは「魂の記憶」という説についてです。
繰り返し見る「悪夢」の原因として、専門家の間では「トラウマのあらわれ」という仮説が立てられていますが、大昔の人たち同様、これを「魂の記憶」ととらえる向きもあります。
管理人が直接話を伺った真言宗の大僧正は「肉体が滅びても意識は残る」と指摘し、また日蓮宗の上人も、前世の存在について「確証がある」と話していました。
これらの主張をもって、夢を「魂の記憶」に結び付けるつもりはありませんが、「夢を介して前世の記憶がよみがえる」という考え方もまた、事実無根の出まかせではなさそうです。
2000年代後半、テレビ朝日で放送されていた「オーラの泉」という番組でも、同様の話が紹介されました。
この番組は、TOKIOの国分太一さんをナビゲーター役に、美輪明宏、江原啓之の両氏がゲストを霊視する内容で、スピリチュアルブームの火付け役になったといわれます。
「霊感商法による被害を増長している」との一部批判もありましたが、当時は二桁の高視聴率を誇る人気番組でした。
この番組で「夢と魂の記憶」にまつわる話題が出たのは、女優の羽田美知子さんが出演した回です。
羽田さんは、幼い時分から繰り返しみてきた「政略結婚の夢」にまつわる疑問について、江原さんにぶつけました。
羽田さんは「子どもの頃から不思議とイギリスに憧れ、建物の映像などをみると懐かしさがこみあげてくる」と明かし、ある年齢に達するまでに「逃れられない政略結婚の夢を何度もみてきた」と話していました。
美輪、江原の両氏は、嫁ぎ先が没落した結末とともに、羽田さんの性格まで言い当てて、「夢は前世の記憶による影響」と結論付けていました。
もちろん、真偽のほどは定かではありませんが、とても興味深い説だったのでご紹介しました。
前世があるなら、来世もあるということでしょうか。
仮にそうだったとしても、いまの自分の人生が一度切りなのは間違いありません。
限られた時間の中で、自分には何ができるか。
そんなことを考えながら、大切な人とともに生きていきたいものです。
不思議な夢 まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は不思議な夢にまつわる7つの話題をお届けしました。
まとめは以下の通りです。
- ナンバーズ3の当選番号を予知夢で知った人がいる
- 夢で神様のお告げを受ける霊能者も多い
- 予知夢の存在を裏付けるような聖職者がいる
- 初夢の一富士二鷹三茄子には続きがある
- 花の窟神社の霊石にまつわるエピソードが凄い
- 夢枕に立つご先祖様の助言で成功した人も
- 一説では「魂の記憶」に由来する夢もあるらしい
最後までお読みいただき、ありがとうございました。