神倉神社(かみくらじんじゃ、和歌山県新宮市)は、「熊野信仰の原点」といえる神聖なパワースポットです。
神倉神社には、熊野の神様が降臨したと伝わる「コトビキ岩」という超ド級の巨大な岩があります。
あまりの大きさに圧倒されそうですが、神倉山の中腹にあるため、拝観するにはとても傾斜のきつい石段を上らねばなりません。
この階段は、一段ごとの踏み場も小さく、幼い子どもを歩かせるのは少し怖いぐらいです。
ただ、「女坂」という迂回(うかい)ルートもあり、こちらを使うと参拝が比較的スムーズになります。
今回は、熊野の神様が宿る巨石の聖地「神倉神社」に行ってきました。
女坂の入口、お祭りされる神様とご利益、お燈祭り(おとうまつり)、御朱印、アクセス、駐車用などの情報をまとめて紹介します。
Contents
神倉神社 天磐盾にそびえるコトビキ岩
神倉神社は、熊野の神様が降臨したとされる聖地中の聖地です。
神倉神社の御神体「コトビキ岩」は神倉山の中腹、「天磐盾」(あまのいわたて)というそり立つ崖の上にあり、拝殿とともに鎮座しています。
ここははるか海のかなたまで見渡す高台で、神社に神様を祭る習慣がなかった時代から神聖視されてきたところです。
熊野信仰はこの場所から始まったといっても、過言ではありません。
眼下に見下ろす眺望が素晴らしく、新宮の街がここから一望できます。
海に浮かぶ船の上からも、コトビキ岩の神々しい姿を捉えることができます。
そこに「航海安全への祈り」が自然と生まれてきました。
ただ、日の光に輝くコトビキ岩を拝観するには、538段の自然石でできた石段を上らねばなりません。
これが結構急勾配なのですが、女坂を利用すれば、一番傾斜のきつい階段を避けて通ることができます。
知らないと見落としがちなところに入口がありますので、後段で詳しく紹介させて頂きます。
神倉神社 参道の石段は壁!?
上の写真が神倉神社の参道です。
この階段、もはや壁にしかみえません…。
極端にきつい勾配だけに、途中、拝観の断念を検討し始める人もいれば、手を使ってよじ登り出す人もいます。
管理人は後者でした。
ただ、参道の中間地点に踊り場があり、その先は階段の傾斜も比較的なだらかになります。
中間地点の目印は、「火神(ほのかみ)社」と「中ノ地蔵尊」を祭るお社です。
火の神様とお地蔵様を祭るほこらは、山伏の宗教で知られる「修験道」を象徴する組み合わせといえますが、ここまでくれば、もうそんなに気合を入れる必要はありません。
逆にいえば、鳥居をくぐって踊り場に出るまでの石段さえ回避できれば、神倉神社の参拝はグッと楽になるわけです。
そんな願いを叶えてくれる迂回ルートが「女坂」です。
神倉神社 女坂で参拝がスムーズに
切り立つ絶壁「天磐盾」に鎮座する神倉神社にあって、最大の難所となるのが急傾斜の石段。
なかでも特に傾斜がきついのは、前述の通り、入口から中間地点に至るまでの「前半戦」になります。
この区間を迂回できるよう、実は「女坂」という抜け道が設けられていますが、その存在を知らずに通り過ぎてしまう人が大半です。
神倉神社参拝の助け舟、女坂の入口はこちらです。
女坂の入口は、石段がはじまる最初の鳥居をくぐってすぐ、右側にあります。
ただ、下からだと角度的に見えづらい位置にあります。
だからこそ見落とされがちなのですが、女坂の入口を上からみるとはっきりわかります。
女坂の入口はこの「石橋」が目印になります。
石段に向かって右手に注意していれば、すぐにみつかります。
女坂は「正規ルート」に比べると比較的なだらかな階段が続き、「壁のような急傾斜」も出てきません。
管理人も参拝後に通ってみましたが、自然石の階段を行くよりも、ずっと楽でした。
上りと下りで道を使い分けると、参拝の楽しみも膨らみそうです。
女坂を抜ければ、参道の中間地点、先ほどご紹介した「階段の踊り場」にたどり着きます。
どちらの道を選ぶにしても、履物は「運動靴」や「スニーカー」を強くおすすめします。
この石段を甘くみて、革靴で参拝に挑んだ管理人は、一時的に膝を痛めました。
神倉神社 御神体「コトビキ岩」
階段を上り切ると、いよいよ神倉神社の御神体「コトビキ岩」とのご対面です。
コトビキというのは、この地方の言葉で「ヒキガエル」を指します。
コトビキ岩をよくみると、岩は上下に2つに分かれていて、下の岩の大きさは高さが約8m、ウエストはざっと50m。
上の岩は少し小ぶりで、高さが3mほど。
これが「カエルの頭」に当たります。
確かにこの角度からコトビキ岩を眺めると、ヒキガエルにみえなくもありません。
いずれにしても、カエルは「無事に帰る」「お金が返る」などの言葉にかけられて、とても縁起のいい生き物と考えられています。
多くの寺社でカエルの霊石が祭られているのもそのためです。
ただ、これほど丸みを帯びた巨石(磐座=いわくら)が山中にあるのは、全国的にも極めて珍しいケースだそうです。
確かに、ゴツゴツした磐座はよく見ますが、山中に鎮座するツルツルの巨岩はあまり見たことがありません。
ミャンマーの聖地「チャイティーヨー」のゴールデンロックを彷彿させます。
1400万年前という、気が遠くなるほどの大昔に起きた「火山活動の産物」といいますが、そんな超レアな巨石だからこそ、神仏が宿ったに違いありません。
またこの地は、伝説の初代天皇「神武天皇」が熊野に到着した後登った天磐盾(あめのいわたて)と伝わるほか、修験道の聖地としても知られます。
台風などの影響で明治期に一時荒廃したものの、昭和の時代に鳥居などが再建され、往時の輝きはいまも健在です。
お寺や神社がなかった時代から、祈りのカタチを超えて、神聖視される特別な場所――。
それが「コトビキ岩」を祭る聖地・神倉山の神倉神社です。
神倉神社 神様とご利益は?
神倉神社にお祭りされている神様(主祭神)は、「高倉下命」(たかくらじのみこと)と「天照大神」(あまてらあすおおみかみ)です。
天照大神は最も格の高い太陽の女神、一方の高倉下命は神武天皇に「霊剣」を献上し、窮地を救った神様です。
高倉下命は天香山命(あめのかぐやまのみこと)という名でも知られ、商売繁盛や交通安全、諸願成就などのご利益が頂けます。
神倉神社は近隣の熊野速玉大社にゆかりの深い「摂社」に当たります。
熊野速玉大社とあわせて参拝するのが吉です。
神倉神社 お燈祭は勇壮な火祭り
毎年2月6日に開かれるお燈祭(おとうまつり)。
熊野速玉大社と神倉神社の祭礼として行われる、豪壮な火祭りです。
胴に荒縄を巻いた白装束の男性約2000人が松明を持ち、石段を一気に駆け下りる姿は圧巻です。
神倉神社の急な階段を駆け下りるなんて、ちょっと怖いですよね…。
祭の前に、練習するそうです。
百聞は一見に如かずということで、こちらの動画を貼らせていただきました。
非日常の空間に、男衆の荒ぶるようすがうかがえます。
凄い迫力です。
神倉神社 御朱印
神倉神社の御朱印です。
初穂料は300円。
熊野速玉大社の授与所で頂けます。
神倉神社 基本情報
神倉神社の基本情報は以下の通りです。
- 住所:和歌山県新宮市神倉1-13-8
- 電話:0735(22)2533
- 拝観料:無料
- 駐車場:無料(第1駐車場7台、第2駐車場13台)
神倉神社 無料駐車場&アクセス
神倉神社には専用の無料駐車場が2カ所あります。
場所は境内入り口のすぐそば。
ほとんど隣接している形で、収容台数は計20台となります。
MAP(駐車場)
バスでの行き方
JR新宮駅からの場合、最寄りのバス停は裁判所前になります。
神倉神社は、そこから歩いて5分ほどです。
- 57系統:高田線
- 15・23・25系統:市立医療センター線
- 15系統:新勝線(医療センター経由)
- 11・17系統:新勝線
- 51・53系統:川丈線
- 61系統:新宮小口線
※新宮駅から徒歩でもアクセス可能(15分~20分)
※神倉神社から熊野速玉大社までは歩いて10分~15分ほど。
※71:<特急>勝浦本宮線は「裁判所前」に停まりません。
車でのアクセス
■名古屋方面~
- 紀勢自動車道(無料区間)「尾鷲北IC」下車、約1時間
■大阪方面~
- 紀勢自動車道(無料区間)「上富田IC」下車、約1時間45分
神倉神社ルポ まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は熊野速玉大社の摂社、神倉神社についてご紹介しました。
神倉神社は熊野速玉大社とセットのような存在です。
あわせての参拝がおすすめです。
記事にしておりますので、よろしければご覧ください。
また、熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社をあわせた「熊野三山」をすべてめぐるのが、熊野詣(くまのもうで)の基本といえます。
熊野本宮大社、熊野速玉大社についても記事にしていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
このほかパワスポ編集局では、和歌山最強のパワースポットもまとめています。
神倉神社に関するまとめは以下の通りです。
- 神倉神社は熊野信仰の原点といえる聖地
- 神倉神社には「コトビキ岩」というスピリチュアルな巨岩がある
- コトビキ岩の拝観は壁に近い急な石段を上らねばならない
- 急な石段を迂回する女坂というルートも存在する
- 神倉神社のご利益は諸願成就、商売繁盛、交通安全など
- 毎年2月に豪壮な火祭り「お燈祭」が開かれる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
内容を一段と充実させてまいりますので、引き続きご愛読いただきますよう、よろしくお願いいたします。